◆◆◆続・魔性の子◆◆◆
ヨシュア作


・・・プロローグ・・・

この話は、ある時代のある町で起こった出来事から始まる

青年「ヒャーッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッ!!人よ、死ね!!町よ、滅び
ろ!!破壊されろ!!消え去れ!!フッフ
ッフッフッフ・・・・・快感ですねぇ・・・・劣悪
種(れつあくしゅ)どもを掃除するというのは・・・・・・・う・・・ん・・・もっと、私の好きな
赤い血をブチマイテくださいネ・・・・・・・あの人たちを呼ぶタメニ・・・・・ヒャーッ
ヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッ!!」

男「固羅ァ!!貴様、何やらかしてんだ!!町を滅ぼしていいとでも思っているの
か!?」

一人の青年の前に、30台の男女が現れた

青年「ヤット来マシタカ・・・・・フッフッフッフッフ・・・・・・ヤット・・・・この時が来たみ
たいですねぇ・・・・・あの、借りを返すときが・・・・・・」

男「借りだと?・・・・・・・・・貴様は一体誰だ!?」

青年「私は名乗るほどのモノではアリマセンヨ・・・・・」

女「待って!!借りって一体何!?私には何のことかさっぱりわからないわ!」

青年「イイでしょう教えてサシアゲマスヨ・・・・私の父、魔王キラはあなたに殺され
たのですよ・・・・・・英雄・・・・『リオン』そして・・・『メリィ』・・・・・」

リオン「ちょっと待て!!お前・・・あいつの息子だって言うのか!?」

青年「ええ・・・・ソウデスヨ・・・・私ハ・・私ハ・・・・自分の父を殺された奴を倒すの
を・・・・毎日毎日待ってたんだよ!!今やっと、その仇が討てる!!さあ、喰ら
え!!私の最大の攻撃・・・・・・『インフィニティ・メテオヴァースト』!!」

リオン「メリィ!!早く防御呪文を!!俺は・・・・出でよ裂神(レツシン)!!」

メリィ「わかったわ、防御魔法『レジストフィールバリアー』!!」

メリィは巨大なバリアーをリオンと自分の周りに張った

青年「そんなモノは無駄デスヨ・・・ハァァアアァァアアァァアア!!」

メリィ「あ・・・・あまり長くは・・・・・・もちそうにないわね・・・・・・」

リオン「裂神・・・・・行けるか!?」

リオンの放った巨大な火竜、裂神は青年の魔法の前では、ただのヘビが体当たりし
たときみたいな威力だった

リオン「ウソだろ・・・・・裂神が敗れるなんて・・・・・」

メリィ「こうなったら・・・・・私達の子供に託すしかないようね・・・・・未来を・・・・・」

リオン「ああ・・・・そうだな・・・・たのむぞ・・・・・我が息子よ!!」

青年の放った魔法はリオンとメリィに直撃した

青年「アハァン・・・・・イイデスネェ・・・・・人が死ぬとイウノは・・・・・真っ赤な血ガ、人
ノ体カラ出るトイウノは・・・・・・フフフフフ・・・ハーッハッハッハッハッハ、ハーッ
ハッハッハッハッハ!!!」

・・・・・痛イ・・・・苦シイ・・・・今ノハ・・・一体誰・・・・恐イ・・・・

??「うっ・・・・ウァァアアァァアアァァアアァァアアアアッ!!!!!!」

この物語は、ある町の一人の少年の見た悪夢が覚めたところから始まる・・・・・・

・・・プロローグの幕は閉じた・・・
グリュース・・・・・そこは、地図にも載っていない小さな島にあるたった一つの町

これは、その町に住む一人の少年の冒険の話である・・・・・

・・・第一章 不思議な少年・・・

少年「う・・ん・・・・・朝かぁ・・・・・」

チチチチチ・・・・・と、外では小鳥が鳴いていて、窓からは日の光が差し込んでいた。

少年「えーと、今は・・・・・7時か・・・・起床時間はいつもと同じだな・・・・」

この少年の名はリード。リードはあくびをしながら布団をたたんでいた。

女の声「リード!ご飯ができたわよー!!食べにきなさーい!!」

リード「はーい!!」

リードは、自分の部屋からでて、一階に下り、食卓についた。

リード「母さん、今日の朝ご飯は何?」

母「今日はご飯と味噌汁とハムよ」

リード「今日はなんだかいつもと違うね」

母「今日はあなたの誕生日だからね。ちょっと豪華にしたのさ」

リード「そうか、今日は僕の誕生日だったか」

母「あんた、自分の誕生日も忘れたの? さあ、ご飯を食べて早く待ち合わせ場所に行き
なさい」

リード「はーい。・・・・いただきます!」

リードは朝ご飯を食べて待ち合わせ場所に行くための仕度をしはじめた。

リード「えーと、確かこの辺にコマがあったはず・・・・・あった!!」

そのとき、棚から一枚の写真がヒラリと落ちてきた。

リード「ん、何だこれは? 母さーん、ちょっと来てー」

母「なあに? 仕度はできたの?」

リード「コマを捜してたらこんなものが出てきたけど・・・・・何これ?」

母「これは!!・・・・・・懐かしいねぇ・・・・」

リード「母さん!! この写真はいったい何なんだよ!?」

母「これは、あんたの本当の親の写真だよ・・・・・この赤い髪の毛の女性は『メリィ』。金
髪の男性は『リオン』という名前よ」

リード「これが・・・・・僕の本当の父さんと母さん・・・・・」

母「さあ、早く行かないと遅れるわよ」

リード「本当だ!!行ってきまーす!!」

母「行ってらっしゃい。気をつけてね」

リードは、家からちょっと離れた公園に行った。

リード「あれ、まだ誰も来てないや。ちょっとコマ回しの練習でもしておくか」

少年「ようリード、早いな」

リードがコマに紐を巻き始めると一人の少年がきた。

リード「電雷か。僕も今着いたところだよ」

電雷「そこ、もうちょっとゆるめにした方がいいぞ」

リード「え、こうかい?」

電雷「そうそう。いい感じだよ」

この少年の名は『駒霧 電雷(コマギリ デンライ)』。名前の通り、駒を回す事が得意で
ある。

少女「巻き方が遅いわね」

電雷「お、リーフィも来たか。コマの巻き方が遅いって、俺に勝てるのか?」

リーフィ「あなたじゃなくて、リードに言ったのよ」

桃色の髪の毛を三つ編みにしている少女はリーフィ。とても器用な子である。

リード「僕は器用じゃないから・・・・・」

リーフィ「コマに器用不器用はないの」

電雷「3人集まったことだし、そろそろコマ回しを始めるか」

他「O・K」

リードたちはコマに紐を巻いて、構えた。

リード「それじゃあ、1、2の3!!で投げるよ。1、2の3!!」

リードたちはいっせいにコマを地面に向けて投げた。コマはビュンビュン唸りながら他の
コマにぶつかりに行っている。

リード「よし!!そろそろ奥義が出るぞ〜・・・・・」

電雷「俺もそろそろ・・・・」

リーフィ「いいなー二人とも。特殊な技が使えて」

リード「でもリーフィのコマは滅茶苦茶速いじゃないか・・・・・」

リードの言う通り、リーフィのコマは目では追えないような速さで地面を走っていた。

電雷「出たー!!奥義『稲妻走り(いなずまばしり)』!!」

電雷のコマから、バチバチッ!!と音が鳴り、静電気が走った。

リード「よーし、僕も!!奥義『スピンファイアー』!!」

リードのコマがその場にとどまり、高速回転しはじめた。そしてコマが燃え始め、また地
面の上を走り出した。

リーフィ「よく、そのコマ燃えないわね〜」

リード「うん。なんでだろうね」

電雷「俺はそろそろ家に戻るよ。朝飯食ってきてないからな」

リーフィ「私も朝ご飯食べてきてないから帰るわね」

リード「うん。またね」

電雷とリーフィはそれぞれ自分の家に帰っていった。

リード「さーて、僕はもうちょっとコマを回していようっと」

怪しげな人「あれが英雄の息子。リードか・・・・・・データをとり始めるとするか・・・・・」

そのとき、リードは気付いていなかった。草むらからの視線を。

・・・第一章の幕は閉じた・・・
・・第二章 不思議な力・・・

リード「う〜ん・・・・どうやったら長い間回りつづけるかな〜・・・」

怪しげな人「(ううう・・・・眠い・・・・昨日から寝てないからな・・・・)フワァ〜ァア・・・・あ、
やばい・・・・」

リード「!! そこに誰かいるのか!?」

リードはとっさに声の聞こえたほうにコマを投げつけた。

怪しげな人「ギィヤァァアアアア!!」

リード「そこにいるのは誰だ!?おとなしく出て来い!!」

ロック「悪い、悪い!!おとなしく姿を見せるよ。俺の名前はロック。ちょっとした、情
報収集をしててね」

リード「・・・・・・僕の事を調べてたの?」

ロック「ああそうだ。この電子メモには俺が1年間調べてきたお前の能力が記されてい
る。耳の穴かっぽじってよーく聞きな!!成績:上、喧嘩の勝率:20戦19勝0敗1分、運動
神経:中の上、ランク:戦う参謀!!だがいたって心は優しく、自分から喧嘩をしな
い!!」

リード「僕ってそんなんだったんだ」

ロック「これには駒霧 電雷の情報も入ってるがお前には教えない。プライバシーの侵害
だからな」

リード「あ、そうだ。今日は僕の誕生日だったんだ。じゃあね」

リードはそう言って自分のうちに帰っていった。

ロック「ふ、じゃあ俺様も消えるとするか・・・」

ロックはそう言ってヒュッ!!と消えてしまった。

・・・リードの家・・・

母「・・・・・リオンさん・・・あの子はとても強くなったわよ・・・・・そろそろ・・・アレを教えて
もいいわよね・・・・」

リード「ただいまー」

母「おかえり。・・・・・・ちょっと外に出な」

リード「え、どうして?今帰ってきたばかりなのに」

母「ちょっと教えたいことがあるんだよ^^」

リード「(教えたいこと?なんだろう・・・・?)」

リードと母は家の庭に出た。

母「右手を左手でこすってみな」

リード「え? こう?」

リードが右手を左手でこすると右手からブワッ!!と蒼い炎が出た。

リード「母さん・・・・・何これ・・・?」

母「(驚いたわ・・・・・まさか・・・リオンさんを超える炎の威力なんて・・・・)それは・・・・・あん
たの父さん、リオンが使ってた『技』だよ」

リード「父さんの使ってた・・・・・技・・・・すっ・・・・・げー!!」

母「このことは誰にも言っちゃいけないよ。普通の人に炎は出せないんだから」

リード「うん!わかったよ!!」

リードは今、自分の持っている力に気付いたのだった。

・・・第三章 旅立ち・・・

母「さ、家の中に入ろ^^」

リードは家に入ると早速コマ回しの練習をした。

リード「コマを回して・・・手乗せ・・・・紐の上に乗せて・・・・投げて・・・・頭に乗せる!! あ
〜あ、また失敗した・・・もう一度!!」

母「(ふふふ・・・・あきらめないところがリオンさんに似てるわね・・・・)」

そのとき、外からドォーン!!という大きな音が聞こえた。

リード「よし、頭乗せできた!!・・・うわわわわっ!!な、なんだ!?コマが頭から落ち
たって・・・・それより今の音は!?」

リードはすぐに窓を開けて外を見た。するとなんと、向かいの家が燃えているではない
か。

リード「な・・・なんで向かいの家が・・・・・?」

若者「・・・・・ここにもいませんでしたか・・・」

リード「!!(人が空に浮いている!?)」

若者「うん・・・・? ・・・・見つけましたよ・・・・・・英雄の息子『リード・グランシェル』・・悪
いですがあなたの命、貰い受けます!!」

若者はそういうと腕を上にあげ、手から金色の大きな塊を出した。

リード「やばっ!!逃げないと・・・・」

母「リード!!こっちから逃げなさい!!」

リード「母さん!!・・・・・ありがとう・・・・」

母「そんなの、いいよ〜・・・・・・・さあ!ぐずぐずしてないで行きなさい!!」

リード「うん!!」

リードが裏口から出ると若者は金色の塊をリードの家に投げつけた。

若者「アア・・・・快感ですねぇ・・・・これで英雄の子孫が一人消えましたね・・・・次は英雄ヨ
シュアを殺ってきましょうかねぇ・・・・アッハハハハハハハハ!!!」

リード「(英雄の子孫!?、英雄ヨシュア!?いったい英雄英雄ってなんなんだよ!?)」

母「あ〜、この家は重いったらありゃしないよ。リード、怪我はないかい?」

リード「う、うん、僕は怪我はないけど・・・・母さん・・・大丈夫・・?」

母「あたしはこんなことぐらいじゃ死なないよ。リード・・・・あんたも旅立つときが来たん
だねぇ・・・・・いいよ、行ってきな!!それで、一人前になってきてまた母さんにその顔を
見せておくれ」

リード「え、旅立ち?一人前?母さんいったい何を・・・・」

母「とぼけたって無駄だよ。知りたいんだろ、英雄のこと、英雄の子孫のこと。そし
て・・・あいつのこと・・・いいって、いいって、行ってきな!」

リード「母さん・・・・ありがとう・・・・それじゃあ僕・・・・いや、俺行ってくるよ。そして・・・
必ず一人前になって帰ってくる・・・・」

そう言ってリードは母の元からはなれていった。

母「行ってしまったねぇ・・・・それじゃあ、あたしは戻ってくるまでここにいるとするか」

リードが電雷の家の前を通りかかると、電雷が木の影から出てきて声をかけてきた。

電雷「よう、旅にでも出るのか?だったら俺も連れて行ってくれよ」

リード「すまないが・・・・・これは俺自身を・・・・英雄の子孫を見つけるための旅なんだ・・・・
だから電雷は・・・・」

電雷「それなら、話は早い。いっしょに行こう」

リード「だから・・・・このた・・・」

電雷「はぁ・・・・・お前って本当に察しが悪いなぁ・・・・・いいだろう、ヒントをやる。どうし
て俺のうちがこなごなになっているんだ?」

リード「それは・・・・まさか君も!?」

電雷「ああ、俺も英雄の子孫なんだぜ」

リード「そうだったのか・・・・・・それじゃあ電雷・・・」

リードは電雷に向けて右手を差し出した。

リード「改めて、よろしく!!」

電雷「ああ・・・・・こちらこそ・・・」

リードと電雷は、握手を交し合った。

・・・第三章の幕は閉じた・・・
・・・第四章 仮面の剣士(TOD2のジューダスじゃないよ)・・・

リードたちは町を出て西に向かって歩いていった。

リード「日が暮れてきたよ・・・・夜は魔物の世界だよ・・・・」

電雷「ちっ・・・・リード・・・・武器・・・・持ってるか?」

リード「ううん・・・・電雷は・・・・?」

電雷「俺は・・・・このコマだけだ・・・」

リード「コマなんかで戦えるの?」

電雷「俺はこのコマで魔法が使えるからな・・・・多少は戦える・・・」

リードたちが話し合っていると日が暮れてきた。

リード「今日はここで野宿か・・・・・」

電雷「夜中は一時間交代で見張りにしよう。まずは俺が起きておく。それで一時間後にお
前を起こすからお前と見張り交代だ」

リード「O・K!わかったよ」

リードたちが地面に座り込もうとしたとき、そばの草むらから角と牙のはえた蛇が何体か
襲い掛かってきた。

リード「くそっ。こんなときに・・・・(早く立たないと・・・・)」

蛇「キシャァァアア!!」

リードが立とうとしたら、蛇がこちらに向かって飛び掛ってきた。

電雷「リード、危ない!!」

電雷は持ち前のコマの腕でリードに飛び掛った蛇にコマをぶつけた。

蛇「シャァァアアア・・・・・・」

リード「ありがとう」

電雷「お前は何か武器はないか探していろ。俺がそれまで食い止めてやる」

リード「わかった(戦えるものか・・・・・何かないかな・・・・ん?)」

リードが上着の内ポケットの中を探してみると、一本の短剣があった。

リード「これは・・・・(いったい何処の商品なんだ?こんなものを買った覚えは・・・・!!)」

リードが柄の下の部分を見てみると『リオン』と彫ってあった。

リード「(リオン・・・父さんの短剣・・・・これを使おう!!)電雷!短剣があった。これで戦
えるぞ!!」

電雷「待ちくたびれたぜ!!それじゃあ、早くいっしょに戦おう!!」

リード「O・K!!」

リードは今まで刃物を手にしたことがないのに、その短剣は自分の手に吸い付いたみたい
にしっくりした。

リード「(この短剣・・・・俺に合う・・・・)ウラァァアアア!!!」

リードは短剣を振った。短剣は空を切ったが、その短剣から風の刃が出てきて蛇を真っ二
つにした。

電雷「お〜、やるじゃねえか〜。それならば俺も・・・・・手乗せ!綱渡り!頭乗せ!!魔法
『ルイ』!!」

電雷が魔法を唱えると、コマから雷が出て蛇たちを攻撃した。

蛇「キジャァァアアァアアア!!」

電雷「なんか、あっさり倒せたな・・・・」

リード「うん・・・・すごく簡単だった・・・・」

電雷「このままもう2,3体出てきても平気だな」

リード「まだ戦うのかよ・・・・・」

電雷「あったりまえだろ。これからもっとすごいやつと戦うんだ!今から戦いなれしてな
いといけねえじゃねえか。・・・・・リード!危ない!!」

リード「へ?」

リードが後ろを向くと、何者かがリードに切りかかった。

リード「うわわわっ!!」

カキィィイイン・・・・・リードは反射的に短剣で何者かの刀を受け止めた。

??「流石リオンの息子だ・・・・・反射的にこの攻撃を受け止めるとは・・・・」

リード「お前は一体・・・・・」

??「人に物を尋ねるときはまず自分から言うものだとリオンは言っていたぞ・・・・・」

リード「俺はリード・グランシェル・・・・こっちが駒霧 電雷・・・・お前の名前は・・・・?」

レデュール「俺の名前は・・・・・レデュールとでも言っておこうか・・・・」

レデュールの顔が最初は暗くてよく見えなかったが、だんだん目が慣れてきてレデュール
の顔を見ることができた。しかしレデュールは仮面(露出度低)をしていて、顔を見ること
ができなかった。

レデュール「ともかく今日は遅い。俺が見張りをしていてやるからお前たちは寝てるん
だ」

リード「一つ聞かせてくれないか」

レデュール「なんだ?」

リード「初めてあったばかりなのになぜそんなにも普通に接してくれるんだ・・・?」

レデュール「簡単なことだ・・・・・リオンは俺の親友であり・・・・・仲間だったからな・・・・そ
れだけのことだ・・・・・さあ、もう寝るんだ」

リード「・・・・・・わかった・・・・」

・・・第四章の幕は閉じた・・・
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■400 / 親記事)  ◆◆◆続・魔性の子◆◆◆

▼■
□投稿者/ ヨシュア -(2005/01/28(Fri) 21:58:05)

きたよー!!きたよー!! 魔性の子の続きがきたよー!!

魔性の子シリーズは短かったけど、今回は長く書けるようにがんばりマース!!

それでは始まり始まり・・・・・・

・・・プロローグ・・・

この話は、ある時代のある町で起こった出来事から始まる

青年「ヒャーッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッ!!人よ、死ね!!町よ、滅び
ろ!!破壊されろ!!消え去れ!!フッフッフッフッフ・・・・・快感ですねぇ・・・・劣悪
種(れつあくしゅ)どもを掃除するというのは・・・・・・・う・・・ん・・・もっと、私の好きな
赤い血をブチマイテくださいネ・・・・・・・あの人たちを呼ぶタメニ・・・・・ヒャーッ
ヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッ!!」

男「固羅ァ!!貴様、何やらかしてんだ!!町を滅ぼしていいとでも思っているの
か!?」

一人の青年の前に、30台の男女が現れた

青年「ヤット来マシタカ・・・・・フッフッフッフッフ・・・・・・ヤット・・・・この時が来たみ
たいですねぇ・・・・・あの、借りを返すときが・・・・・・」

男「借りだと?・・・・・・・・・貴様は一体誰だ!?」

青年「私は名乗るほどのモノではアリマセンヨ・・・・・」

女「待って!!借りって一体何!?私には何のことかさっぱりわからないわ!」

青年「イイでしょう教えてサシアゲマスヨ・・・・私の父、魔王キラはあなたに殺され
たのですよ・・・・・・英雄・・・・『リオン』そして・・・『メリィ』・・・・・」

リオン「ちょっと待て!!お前・・・あいつの息子だって言うのか!?」

青年「ええ・・・・ソウデスヨ・・・・私ハ・・私ハ・・・・自分の父を殺された奴を倒すの
を・・・・毎日毎日待ってたんだよ!!今やっと、その仇が討てる!!さあ、喰ら
え!!私の最大の攻撃・・・・・・『インフィニティ・メテオヴァースト』!!」

リオン「メリィ!!早く防御呪文を!!俺は・・・・出でよ裂神(レツシン)!!」

メリィ「わかったわ、防御魔法『レジストフィールバリアー』!!」

メリィは巨大なバリアーをリオンと自分の周りに張った

青年「そんなモノは無駄デスヨ・・・ハァァアアァァアアァァアア!!」

メリィ「あ・・・・あまり長くは・・・・・・もちそうにないわね・・・・・・」

リオン「裂神・・・・・行けるか!?」

リオンの放った巨大な火竜、裂神は青年の魔法の前では、ただのヘビが体当たりし
たときみたいな威力だった

リオン「ウソだろ・・・・・裂神が敗れるなんて・・・・・」

メリィ「こうなったら・・・・・私達の子供に託すしかないようね・・・・・未来を・・・・・」

リオン「ああ・・・・そうだな・・・・たのむぞ・・・・・我が息子よ!!」

青年の放った魔法はリオンとメリィに直撃した

青年「アハァン・・・・・イイデスネェ・・・・・人が死ぬとイウノは・・・・・真っ赤な血ガ、人
ノ体カラ出るトイウノは・・・・・・フフフフフ・・・ハーッハッハッハッハッハ、ハーッ
ハッハッハッハッハ!!!」

・・・・・痛イ・・・・苦シイ・・・・今ノハ・・・一体誰・・・・恐イ・・・・

??「うっ・・・・ウァァアアァァアアァァアアァァアアアアッ!!!!!!」

この物語は、ある町の一人の少年の見た悪夢が覚めたところから始まる・・・・・・

・・・プロローグの幕は閉じた・・・


引用返信/返信 削除キー/ 編集削除
■410 / ResNo.1)  Re[1]: ◆◆◆続・魔性の子◆◆◆

▲▼■
□投稿者/ ヨシュア -(2005/01/30(Sun) 21:51:41)

グリュース・・・・・そこは、地図にも載っていない小さな島にあるたった一つの町

これは、その町に住む一人の少年の冒険の話である・・・・・

・・・第一章 不思議な少年・・・

少年「う・・ん・・・・・朝かぁ・・・・・」

チチチチチ・・・・・と、外では小鳥が鳴いていて、窓からは日の光が差し込んでいた。

少年「えーと、今は・・・・・7時か・・・・起床時間はいつもと同じだな・・・・」

この少年の名はリード。リードはあくびをしながら布団をたたんでいた。

女の声「リード!ご飯ができたわよー!!食べにきなさーい!!」

リード「はーい!!」

リードは、自分の部屋からでて、一階に下り、食卓についた。

リード「母さん、今日の朝ご飯は何?」

母「今日はご飯と味噌汁とハムよ」

リード「今日はなんだかいつもと違うね」

母「今日はあなたの誕生日だからね。ちょっと豪華にしたのさ」

リード「そうか、今日は僕の誕生日だったか」

母「あんた、自分の誕生日も忘れたの? さあ、ご飯を食べて早く待ち合わせ場所に行き
なさい」

リード「はーい。・・・・いただきます!」

リードは朝ご飯を食べて待ち合わせ場所に行くための仕度をしはじめた。

リード「えーと、確かこの辺にコマがあったはず・・・・・あった!!」

そのとき、棚から一枚の写真がヒラリと落ちてきた。

リード「ん、何だこれは? 母さーん、ちょっと来てー」

母「なあに? 仕度はできたの?」

リード「コマを捜してたらこんなものが出てきたけど・・・・・何これ?」

母「これは!!・・・・・・懐かしいねぇ・・・・」

リード「母さん!! この写真はいったい何なんだよ!?」

母「これは、あんたの本当の親の写真だよ・・・・・この赤い髪の毛の女性は『メリィ』。金
髪の男性は『リオン』という名前よ」

リード「これが・・・・・僕の本当の父さんと母さん・・・・・」

母「さあ、早く行かないと遅れるわよ」

リード「本当だ!!行ってきまーす!!」

母「行ってらっしゃい。気をつけてね」

リードは、家からちょっと離れた公園に行った。

リード「あれ、まだ誰も来てないや。ちょっとコマ回しの練習でもしておくか」

少年「ようリード、早いな」

リードがコマに紐を巻き始めると一人の少年がきた。

リード「電雷か。僕も今着いたところだよ」

電雷「そこ、もうちょっとゆるめにした方がいいぞ」

リード「え、こうかい?」

電雷「そうそう。いい感じだよ」

この少年の名は『駒霧 電雷(コマギリ デンライ)』。名前の通り、駒を回す事が得意で
ある。

少女「巻き方が遅いわね」

電雷「お、リーフィも来たか。コマの巻き方が遅いって、俺に勝てるのか?」

リーフィ「あなたじゃなくて、リードに言ったのよ」

桃色の髪の毛を三つ編みにしている少女はリーフィ。とても器用な子である。

リード「僕は器用じゃないから・・・・・」

リーフィ「コマに器用不器用はないの」

電雷「3人集まったことだし、そろそろコマ回しを始めるか」

他「O・K」

リードたちはコマに紐を巻いて、構えた。

リード「それじゃあ、1、2の3!!で投げるよ。1、2の3!!」

リードたちはいっせいにコマを地面に向けて投げた。コマはビュンビュン唸りながら他の
コマにぶつかりに行っている。

リード「よし!!そろそろ奥義が出るぞ〜・・・・・」

電雷「俺もそろそろ・・・・」

リーフィ「いいなー二人とも。特殊な技が使えて」

リード「でもリーフィのコマは滅茶苦茶速いじゃないか・・・・・」

リードの言う通り、リーフィのコマは目では追えないような速さで地面を走っていた。

電雷「出たー!!奥義『稲妻走り(いなずまばしり)』!!」

電雷のコマから、バチバチッ!!と音が鳴り、静電気が走った。

リード「よーし、僕も!!奥義『スピンファイアー』!!」

リードのコマがその場にとどまり、高速回転しはじめた。そしてコマが燃え始め、また地
面の上を走り出した。

リーフィ「よく、そのコマ燃えないわね〜」

リード「うん。なんでだろうね」

電雷「俺はそろそろ家に戻るよ。朝飯食ってきてないからな」

リーフィ「私も朝ご飯食べてきてないから帰るわね」

リード「うん。またね」

電雷とリーフィはそれぞれ自分の家に帰っていった。

リード「さーて、僕はもうちょっとコマを回していようっと」

怪しげな人「あれが英雄の息子。リードか・・・・・・データをとり始めるとするか・・・・・」

そのとき、リードは気付いていなかった。草むらからの視線を。

・・・第一章の幕は閉じた・・・


引用返信/返信 削除キー/ 編集削除
■416 / ResNo.2)  Re[2]: ◆◆◆続・魔性の子◆◆◆

▲▼■
□投稿者/ ヨシュア -(2005/01/31(Mon) 21:53:54)

・・・第三章 不思議な力・・・

リード「う〜ん・・・・どうやったら長い間回りつづけるかな〜・・・」

怪しげな人「(ううう・・・・眠い・・・・昨日から寝てないからな・・・・)フワァ〜ァア・・・・あ、
やばい・・・・」

リード「!! そこに誰かいるのか!?」

リードはとっさに声の聞こえたほうにコマを投げつけた。

怪しげな人「ギィヤァァアアアア!!」

リード「そこにいるのは誰だ!?おとなしく出て来い!!」

ロック「悪い、悪い!!おとなしく姿を見せるよ。俺の名前はロック。ちょっとした、情
報収集をしててね」

リード「・・・・・・僕の事を調べてたの?」

ロック「ああそうだ。この電子メモには俺が1年間調べてきたお前の能力が記されてい
る。耳の穴かっぽじってよーく聞きな!!成績:上、喧嘩の勝率:20戦19勝0敗1分、運動
神経:中の上、ランク:戦う参謀!!だがいたって心は優しく、自分から喧嘩をしな
い!!」

リード「僕ってそんなんだったんだ」

ロック「これには駒霧 電雷の情報も入ってるがお前には教えない。プライバシーの侵害
だからな」

リード「あ、そうだ。今日は僕の誕生日だったんだ。じゃあね」

リードはそう言って自分のうちに帰っていった。

ロック「ふ、じゃあ俺様も消えるとするか・・・」

ロックはそう言ってヒュッ!!と消えてしまった。

・・・リードの家・・・

母「・・・・・リオンさん・・・あの子はとても強くなったわよ・・・・・そろそろ・・・アレを教えて
もいいわよね・・・・」

リード「ただいまー」

母「おかえり。・・・・・・ちょっと外に出な」

リード「え、どうして?今帰ってきたばかりなのに」

母「ちょっと教えたいことがあるんだよ^^」

リード「(教えたいこと?なんだろう・・・・?)」

リードと母は家の庭に出た。

母「右手を左手でこすってみな」

リード「え? こう?」

リードが右手を左手でこすると右手からブワッ!!と蒼い炎が出た。

リード「母さん・・・・・何これ・・・?」

母「(驚いたわ・・・・・まさか・・・リオンさんを超える炎の威力なんて・・・・)それは・・・・・あん
たの父さん、リオンが使ってた『技』だよ」

リード「父さんの使ってた・・・・・技・・・・すっ・・・・・げー!!」

母「このことは誰にも言っちゃいけないよ。普通の人に炎は出せないんだから」

リード「うん!わかったよ!!」

リードは今、自分の持っている力に気付いたのだった。


引用返信/返信 削除キー/ 編集削除
■426 / ResNo.3)  Re[3]: ◆◆◆続・魔性の子◆◆◆

▲▼■
□投稿者/ ピカチュウ -(2005/02/02(Wed) 07:13:39)

技って遺伝するんですね〜
すごいです
これからどうなるんでしょうね〜




引用返信/返信 削除キー/ 編集削除
■429 / ResNo.4)  Re[4]: ◆◆◆続・魔性の子◆◆◆

▲▼■
□投稿者/ ヨシュア -(2005/02/02(Wed) 21:57:10)

前回の第三章は第二章でした。すいません・・・・。では本編へ。

・・・第三章 旅立ち・・・

母「さ、家の中に入ろ^^」

リードは家に入ると早速コマ回しの練習をした。

リード「コマを回して・・・手乗せ・・・・紐の上に乗せて・・・・投げて・・・・頭に乗せる!! あ
〜あ、また失敗した・・・もう一度!!」

母「(ふふふ・・・・あきらめないところがリオンさんに似てるわね・・・・)」

そのとき、外からドォーン!!という大きな音が聞こえた。

リード「よし、頭乗せできた!!・・・うわわわわっ!!な、なんだ!?コマが頭から落ち
たって・・・・それより今の音は!?」

リードはすぐに窓を開けて外を見た。するとなんと、向かいの家が燃えているではない
か。

リード「な・・・なんで向かいの家が・・・・・?」

若者「・・・・・ここにもいませんでしたか・・・」

リード「!!(人が空に浮いている!?)」

若者「うん・・・・? ・・・・見つけましたよ・・・・・・英雄の息子『リード・グランシェル』・・悪
いですがあなたの命、貰い受けます!!」

若者はそういうと腕を上にあげ、手から金色の大きな塊を出した。

リード「やばっ!!逃げないと・・・・」

母「リード!!こっちから逃げなさい!!」

リード「母さん!!・・・・・ありがとう・・・・」

母「そんなの、いいよ〜・・・・・・・さあ!ぐずぐずしてないで行きなさい!!」

リード「うん!!」

リードが裏口から出ると若者は金色の塊をリードの家に投げつけた。

若者「アア・・・・快感ですねぇ・・・・これで英雄の子孫が一人消えましたね・・・・次は英雄ヨ
シュアを殺ってきましょうかねぇ・・・・アッハハハハハハハハ!!!」

リード「(英雄の子孫!?、英雄ヨシュア!?いったい英雄英雄ってなんなんだよ!?)」

母「あ〜、この家は重いったらありゃしないよ。リード、怪我はないかい?」

リード「う、うん、僕は怪我はないけど・・・・母さん・・・大丈夫・・?」

母「あたしはこんなことぐらいじゃ死なないよ。リード・・・・あんたも旅立つときが来たん
だねぇ・・・・・いいよ、行ってきな!!それで、一人前になってきてまた母さんにその顔を
見せておくれ」

リード「え、旅立ち?一人前?母さんいったい何を・・・・」

母「とぼけたって無駄だよ。知りたいんだろ、英雄のこと、英雄の子孫のこと。そし
て・・・あいつのこと・・・いいって、いいって、行ってきな!」

リード「母さん・・・・ありがとう・・・・それじゃあ僕・・・・いや、俺行ってくるよ。そして・・・
必ず一人前になって帰ってくる・・・・」

そう言ってリードは母の元からはなれていった。

母「行ってしまったねぇ・・・・それじゃあ、あたしは戻ってくるまでここにいるとするか」

リードが電雷の家の前を通りかかると、電雷が木の影から出てきて声をかけてきた。

電雷「よう、旅にでも出るのか?だったら俺も連れて行ってくれよ」

リード「すまないが・・・・・これは俺自身を・・・・英雄の子孫を見つけるための旅なんだ・・・・
だから電雷は・・・・」

電雷「それなら、話は早い。いっしょに行こう」

リード「だから・・・・このた・・・」

電雷「はぁ・・・・・お前って本当に察しが悪いなぁ・・・・・いいだろう、ヒントをやる。どうし
て俺のうちがこなごなになっているんだ?」

リード「それは・・・・まさか君も!?」

電雷「ああ、俺も英雄の子孫なんだぜ」

リード「そうだったのか・・・・・・それじゃあ電雷・・・」

リードは電雷に向けて右手を差し出した。

リード「改めて、よろしく!!」

電雷「ああ・・・・・こちらこそ・・・」

リードと電雷は、握手を交し合った。

・・・第三章の幕は閉じた・・・


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■432 / ResNo.5)  Re[5]: ◆◆◆続・魔性の子◆◆◆

▲▼■
□投稿者/ ヨシュア -(2005/02/03(Thu) 20:57:43)

・・・第四章 仮面の剣士(TOD2のジューダスじゃないよ)・・・

リードたちは町を出て西に向かって歩いていった。

リード「日が暮れてきたよ・・・・夜は魔物の世界だよ・・・・」

電雷「ちっ・・・・リード・・・・武器・・・・持ってるか?」

リード「ううん・・・・電雷は・・・・?」

電雷「俺は・・・・このコマだけだ・・・」

リード「コマなんかで戦えるの?」

電雷「俺はこのコマで魔法が使えるからな・・・・多少は戦える・・・」

リードたちが話し合っていると日が暮れてきた。

リード「今日はここで野宿か・・・・・」

電雷「夜中は一時間交代で見張りにしよう。まずは俺が起きておく。それで一時間後にお
前を起こすからお前と見張り交代だ」

リード「O・K!わかったよ」

リードたちが地面に座り込もうとしたとき、そばの草むらから角と牙のはえた蛇が何体か
襲い掛かってきた。

リード「くそっ。こんなときに・・・・(早く立たないと・・・・)」

蛇「キシャァァアア!!」

リードが立とうとしたら、蛇がこちらに向かって飛び掛ってきた。

電雷「リード、危ない!!」

電雷は持ち前のコマの腕でリードに飛び掛った蛇にコマをぶつけた。

蛇「シャァァアアア・・・・・・」

リード「ありがとう」

電雷「お前は何か武器はないか探していろ。俺がそれまで食い止めてやる」

リード「わかった(戦えるものか・・・・・何かないかな・・・・ん?)」

リードが上着の内ポケットの中を探してみると、一本の短剣があった。

リード「これは・・・・(いったい何処の商品なんだ?こんなものを買った覚えは・・・・!!)」

リードが柄の下の部分を見てみると『リオン』と彫ってあった。

リード「(リオン・・・父さんの短剣・・・・これを使おう!!)電雷!短剣があった。これで戦
えるぞ!!」

電雷「待ちくたびれたぜ!!それじゃあ、早くいっしょに戦おう!!」

リード「O・K!!」

リードは今まで刃物を手にしたことがないのに、その短剣は自分の手に吸い付いたみたい
にしっくりした。

リード「(この短剣・・・・俺に合う・・・・)ウラァァアアア!!!」

リードは短剣を振った。短剣は空を切ったが、その短剣から風の刃が出てきて蛇を真っ二
つにした。

電雷「お〜、やるじゃねえか〜。それならば俺も・・・・・手乗せ!綱渡り!頭乗せ!!魔法
『ルイ』!!」

電雷が魔法を唱えると、コマから雷が出て蛇たちを攻撃した。

蛇「キジャァァアアァアアア!!」

電雷「なんか、あっさり倒せたな・・・・」

リード「うん・・・・すごく簡単だった・・・・」

電雷「このままもう2,3体出てきても平気だな」

リード「まだ戦うのかよ・・・・・」

電雷「あったりまえだろ。これからもっとすごいやつと戦うんだ!今から戦いなれしてな
いといけねえじゃねえか。・・・・・リード!危ない!!」

リード「へ?」

リードが後ろを向くと、何者かがリードに切りかかった。

リード「うわわわっ!!」

カキィィイイン・・・・・リードは反射的に短剣で何者かの刀を受け止めた。

??「流石リオンの息子だ・・・・・反射的にこの攻撃を受け止めるとは・・・・」

リード「お前は一体・・・・・」

??「人に物を尋ねるときはまず自分から言うものだとリオンは言っていたぞ・・・・・」

リード「俺はリード・グランシェル・・・・こっちが駒霧 電雷・・・・お前の名前は・・・・?」

レデュール「俺の名前は・・・・・レデュールとでも言っておこうか・・・・」

レデュールの顔が最初は暗くてよく見えなかったが、だんだん目が慣れてきてレデュール
の顔を見ることができた。しかしレデュールは仮面(露出度低)をしていて、顔を見ること
ができなかった。

レデュール「ともかく今日は遅い。俺が見張りをしていてやるからお前たちは寝てるん
だ」

リード「一つ聞かせてくれないか」

レデュール「なんだ?」

リード「初めてあったばかりなのになぜそんなにも普通に接してくれるんだ・・・?」

レデュール「簡単なことだ・・・・・リオンは俺の親友であり・・・・・仲間だったからな・・・・そ
れだけのことだ・・・・・さあ、もう寝るんだ」

リード「・・・・・・わかった・・・・」

・・・第四章の幕は閉じた・・・


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■471 / ResNo.6)  Re[6]: ◆◆◆続・魔性の子◆◆◆

▲▼■
□投稿者/ ヨシュア -(2005/02/05(Sat) 20:24:41)

今まで感想が一つしかきてない・・・・・この小説は面白くないのだろうか・・・・・?

そんなことを考えながらの第5話です。

・・・第五章 特訓そして受け継ぎ・・・

リード「フワァ〜ァァ・・・・・・・おはよう・・・」

レデュール「遅い!何時だと思っている!!・・・・・・まったく・・・・低血圧な所もリオンにそ
っくりだな・・・・・」

電雷「おはようリード。いまはU時だぞ」

リード「え・・・・もうそんな時間なの・・・・・・」

レデュール「とにかくはやく飯を食って剣を取れ。剣の使い方を教えてやる」

リード「っ・・・・・は〜い・・・・・・」

リードは急いでパンを右手に、焼いてあった肉を左手に持ち食べ始めた。

レデュール「電雷。お前はなぜそんなにもコマを回すのが上手いのだ?」

電雷「ん〜・・・・・なんだかコマを持つと回したくなるんだよ・・・・・それで、ずっとやってた
らだんだん上手くなってきて・・・・・」

レデュール「そうか・・・・・・・お前には兄弟はいるか?いたら兄弟の名前とお前の親の名前
を言ってくれ」

電雷「親の名前はクレセスとエリー。兄弟は生き別れの兄が二人いるらしいよ。名前は知
らないけどね」

レデュール「そうか・・・・(こいつはエリーの血を多く引き継いでいるな・・・・)リード、もう
食い終わっただろ。そろそろ特訓を始めるぞ」

リード「もう準備万反だよ」

レデュール「そうか。ならばまずその短剣を構えてみよ」

リード「えっと・・・・こうかな・・・・」

リードは体を真半身にして片手で短剣を持った。

レデュール「・・・・お前はなぜそのような構えをした?」

リード「真半身じゃないと急所ががら空きだし、短剣を持ってないほうの手が切られるか
もしれないじゃないか。だからこういう風な構えにしたんだよ」

レデュール「短剣の構え方は◎だな。それでは、私に切りかかって来い」

リード「いいの・・・・?・・・・・・それじゃあ・・・いくよ!!」

リードはレデュールに向かって切りかかっていったが、リードの攻撃はよけられてしまっ
た。

レデュール「遅い!もっとすばやく敵の懐にもぐりこみ短剣をさすのだ!!」

リード「もっとすばやくったって・・・・・これで精一杯だよ!!」

リードは全身の力を振り絞ってレデュールに切りかかっていった。しかさい、それもレデ
ュールによけられてしまった。

レデュール「まだまだ遅いが、さっきよりは早くなった。私が懐の入り方を見せてやろ
う」

そう言ってレデュールは短剣を構え、木を相手に切りかかっていった。

リード「は、早い!!」

リードが瞬きをすると、リードの前レデュールはにいた。

レデュール「よく見えなかったか。ならばもう少し遅くしてやろう。足に注意するのだ」

リードは言われたとおりにレデュールの足をずっと見ていた。レデュールが切りかかる
と、足は地面をすって走っていた。

レデュール「これがすり足というものだ。普通、剣を使うならばすり足で相手に近づいて
いき、重心をかけて相手を切るのだ。しかしお前はすり足ではなかった。すり足だとすば
やく相手の近くにいけるので戦いのときはすり足にするように。わかったか?」

リード「はい」

レデュール「それではもう一度切り込んで来い」

リード「はい。・・・・・・チェヤッ!!」

リードは言われたとおりにすり足で切りかかっていった。レデュールはこれをよけずに受
け止めた。

レデュール「よくコツがつかめているな。流石はリオンの息子だ。覚えが早い」

リード「これで短剣の基本は覚えることができましたか?」

レデュール「ああ。次は短剣ではなくて長剣の特訓だ」

リード「ええ〜!!まだやるの〜!!?」

レデュール「あたりまえだ!!さあ、この長剣を構えて!!」

リード「は、はい!!」

リードとレデュールの特訓は3日3晩続いた。

・・・そして四日目の朝・・・

レデュール「・・・・きろ・・・・起きろ・・・・・リード、早く起きろ!!」

リード「うわわわっ!!何だよレデュール、びっくりさせるなよ!!」

レデュール「今までの特訓の成果を見せてもらおうと思ってな。さあ、剣を構えよ!!」

リード「はい・・・・・・じゃあ行くよ!!」

リードは剣を構えてレデュールに切りかかっていった。

レデュール「・・・・・・(なかなか早くなったな・・・・・・まだまだ私にはかなわない
が・・・・・!!)っつ!!」

なんとリードはレデュールの剣を弾き飛ばした。

リード「・・・・・どうだった・・・・?」

レデュール「チッ・・・・剣を弾き飛ばされてしまうとは・・・・・完敗だ・・・・お前にリオンの剣
を授けてやる」

リード「お、俺に父さんの剣を!?」

レデュール「ああ・・・・・これがその剣だ、受け取れ」

レデュールは虹色に輝く刀をリードに渡した。

リード「これが・・・・・父さんの剣・・・・・・」

レデュール「その刀に新たな名前を付けてやらねばならんな。リード、お前が決めろ」

リード「虹色に輝く刀・・・・・よし決めた、この刀の名前は『虹』だ!!」

レデュール「虹か・・・・・・リオンもその刀を虹という名前にした。親子いっしょの何すると
わな・・・・・」

リード「父さんの剣を使って戦うのか・・・・よーし!!がんばるぞ!!」

電雷「そのいきがいつまで持つやら・・・・」

・・・第五章の幕は閉じた・・・


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■474 / ResNo.7)  Re[7]: ◆◆◆続・魔性の子◆◆◆

▲▼■
□投稿者/ 天空の護神エアーガンツ -(2005/02/05(Sat) 23:19:35)

この掲示板初カキコです〜

これからは見ていけると思います

頑張ってください


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■477 / ResNo.8)  Re[8]: ◆◆◆続・魔性の子◆◆◆

▲▼■
□投稿者/ クエです(´・ω・`)v -(2005/02/05(Sat) 23:32:14)

ぉぉ、リードに長剣がわたった!!
しかも同じ名前で虹w
う〜ん、親子の遺伝、、、
DNAの仕組みはすごいんだなぁw


引用返信/返信 削除キー/ 編集削除
■495 / ResNo.9)  Re[9]: ◆◆◆続・魔性の子◆◆◆

▲▼■
□投稿者/ ヨシュア -(2005/02/06(Sun) 17:29:35)

・・・第六章 父さんを殺した者・・・

リードは、レデュールから『虹』をもらいこんなことを考えていた。

リード「父さんは・・・・」

レデュール「リオンがどうかしたか?」

リード「父さんはまだ生きてるのかなぁ・・・・・・」

レデュール「・・・・・・・・噂で聞いたんだが・・・・・リオンの住んでいた町『ルス』が何者かに
よって滅ぼされたらしい。だから・・・・・もう生きてはいないだろう・・・・・」

リード「くっ!!・・・・・・・父さんを殺した奴は・・・・・・一体・・・・!?」

・・・そのころ、別の場所では・・・

??「で、英雄の子孫は殺ってきたんだろうな?」

?「ええ・・・・・たぶん・・・・」

??「たぶんではいかんのだ!!一体誰のおかげでここまで強くなれたと思っている!そ
もそも私が貴様を見つけなければ貴様は魔界で野垂れ死んでいたのに・・・・・そこを私が拾
ってここまで育て上げてきたのに・・・・・・フン!君にはうんざりしているよ、『ラケシ
ス』!!」

ラケシス「申し訳ありません・・・・(く・・・・力さえあればこんな奴・・・)」

??「貴様のラケシスという名の意味は、ラケシスは魔界で『冷徹なる覇者』という意味
だからなのだぞ!!・・・・・・はぁ・・・・・・このようなものが四魔王の子孫だと思うと・・・・・」

ラケシス「四魔王?それは初耳でございますが一体だれがその子孫なので・・・・・?」

??「いいだろう教えてやる」

そう言って??は指をパチンと鳴らした。すると、??の後ろから3人のラケシスと同じ
くらいの若者が現れた。

??「右から順番に、東の魔王ヨシュアの息子。名は『ライキール・ヨシュア』意味は冷
たき視線の者。西の魔王レイランの娘『クロ・シェリー』意味は感情無き殺戮者。最後は
南の魔王クエスターの息子『クエ・リィヴァン』意味は天才的な闇の力。そして最後北の
魔王キラの息子『ラケシス・レヴァス』意味は残酷で冷徹なる覇者。この者たちこそが四
魔王の子孫なのだ!!」

ラケシス「・・・・・・!!(私と同じような者が他に三人いたとは・・・)」

ラケシスは驚きのあまりに息を呑んだ。

??「フン。驚きのあまり声が出ないか・・・・・まぁいいだろう・・・・4人とも引いてよい
ぞ」

四人「はっ!」

四人は??の前から消え去った。

??「さて・・・・・あのようなものをあと四人作らねばならぬか・・・・・・ククククク・・・・これ
で合計8人の『魔性の子』が誕生する・・・・・・魔王キラが成し遂げなかったことは私が変わ
りにしてやろう!!ハーッハッハッハッハッハ、ハーッハッハッハッハッハ!!!」

・・・第六章の幕は閉じた・・・
・・・第七章 王国アルバトロス・・・

リードたちは特訓が終わりズンズン西へ進んでいった。

電雷「お、何か見えてきた」

レデュール「あれは王国アルバトロスだろう」

リード「アルバトロスか・・・・・アルバトロスといったらゴルフの・・・グェフォッ!!!」

作者「それ以上言うな・・・・・」

リード「O・K・・・・・」

ブツクサ言っているうちに王国アルバトロスについた。

レデュール「まずは城に行くとするか・・・・・私はここの王に要があるのでな・・・・」

電雷「ここの王とどういう関係なんだ・・・・・?」

レデュール「古き友・・・・・そしてライバルだ・・・・」

リード「・・・・??? ライバル?・・・・」

レデュール「ついたぞ、ここがアルバトロス城だ」

門番「この城は王の許可なしでは入れんぞ」

レデュール「・・・・・・・王ウォルと王妃モノクロッドに会いたいのだが・・・・・だめか・・・?」

門番「だから王の許可なしでは・・・・・」

レデュール「そうか・・・・・ならば・・・・・ヨシュア・・・・と名乗ればどうかな・・・?」

門番「ヨシュア・・・・・?・・・・!! まさか!?どうぞお通りください」

レデュール「ありがとう」

リードたちはレデュールのおかげで城に入ることができた。そのままレデュールたちは王
のいる玉座の間へと向かった。

王「だれだ・・・・?」

レデュール「久しぶりだな・・・・・英雄ウォル・・・・」

ウォル「!! その声は・・・・・兵たちよ・・・・いったん引いてくれないか・・・?」

兵「はっ!!」

ウォル「・・・・・そろそろ顔を見せたらいいんじゃないか?ヨシュア」

レデュール「へっ、やっぱりわかったか・・・・」

レデュールは仮面をとって素顔を見せた。

ヨシュア「・・・・久しぶりだな・・・・・」

ウォル「ふ・・・・・やはり変わってないな・・・・」

ヨシュア「お前も・・・・・モノクロッドもな・・・・・」

モノクロッド「お久しぶりでございます」

ヨシュア「さて・・・・魔界で俺の偽者が出ていると風の噂で聞いたが・・・・そっちは何か情報
はつかめたか・・・・?」

ウォル「ヨシュアの偽者はリュウガという名前らしいぞ・・・それ以外何もわかっていな
い・・・・」

ヨシュア「それだけわかれば上等だ・・・・・」

リード「え?え?どういうこと?二人の関係は?」

ヨシュア&ウォル「元傭兵仲間、そして英雄!!」

リード「父さんと同じ?」

ウォル「父さん?一体誰だ?」

リード「父さんの名前はリオンだよ」

ウォル「リオン!!・・・・・お前は魔性第一形態になれるか・・・?」

リード「え?何それ?」

ウォル「知らないならそれでもよかろう・・・・・」

レデュール「そろそろ行くぞ・・・・」

電雷&リード「O・K」

リードたちはアルバトロス城を出た。

・・・第七章の幕は閉じた・・・
・・・第八章 謎の女武道家・・・

リード「それで、次に行くところはどこかわかってるの?」

レデュール「さぁ?」

電雷「次の目的地も決まってないのかよ・・・・・」

リード「ねぇねぇ、あっちのほうからざわざわとした声が聞こえるよ。いってみようよ」

レデュール「あれは・・・・・・・何かの試合をしているな・・・・・」

電雷「お!本当だ・・・・・ちょっとまてぇ!!女の子相手に大の男が5人がかりで仕掛けて
いってるぞ!!」

男A「まぁ見てなよ。すげーすごいんだぜ」

リード「え!?」

少女は一度にかかってきた大の男をサラリとかわし、やせた体の男に攻撃を仕掛けた。

少女「リィフォンフェル!!」

少女は優男に烏牛擺頭(ウギュウハイトウ)を仕掛けた。

優男「おっと危ない・・・・・朽木倒し!!」

優男は少女の足を持ちこかそうとしたが、少女は受身を取り優男の顔を蹴った。

優男「ごふぅ!!・・・・・・・・坂鬼(サカキ)次はお前だよ・・・・・」

坂鬼「はっ!!いくぜぇ・・・・・山突(ヤマヅキ)!!」

坂鬼という名の体格のがっちりとした男は少女の顔と腹に殴りかかった。しかし少女は二
つとも受け止め坂鬼の足と頭をたたき、坂鬼をこかした。

坂鬼「くっ・・・・・後頭部からいったか・・・・グッタリ・・・・・・」

ハゲ親父「まだまだね。次はおいちゃんの番よ!!」

ハゲ親父は中国拳法で攻めていったが攻撃は少女に避けられてしまった。

少女「アリューシャーニャイ!!」

少女はハゲ親父の腹に肘鉄を食らわせてハゲ親父を気絶させた。

少女「オーリャイシャニー!!」

少女は残りの二人の首に手刀をあて、気絶させた。

男性B「すげぇ・・・・・・あいつ一体何者だ・・・・・?」

少女「・・・・・・・・!!・・・・ララリィ!!ララリィ!!」

少女はリードの方を向きリードを指差した。

リード「え・・・・俺・・・・?」

少女「ラスティ!!ラスティ!!」

今度は電雷の方を向き『ラスティ』と叫んだ。

電雷「俺もご氏名かよ・・・・・」

リードと電雷はしぶしぶリングに上がった。

少女「ララリィ!!ラスティ!!アリュークセルティア」

なんと少女はリードたちに話し掛けてきた。

リード「あのさ・・・・・俺はララリィって言う名前じゃなくてリードだ・・・・リード!!覚え
たか?」

少女「リー・・・・ド・・・?・・・・・リード!!」

電雷「それで俺はラスティじゃなくて電雷だ・・・」

少女「デン・・・・ライ・・・・デンライ!!・・・・リード、デンライ、シャニファー」

少女はリードと電雷を指差したあとに自分を指差しシャニファーと言った。

リード「君はシャニファーって言うのか・・・・・よろしくな、シャニファー」

シャニファー「ルーシィ!ルーシィ!!」

三人はリングから降りた。下りるとなんとロックがいた。

ロック「よう、久しぶり」

リード「お前は・・・・ロック!!」

ロック「今回はこの少女に要が会ってな・・・・・ほらシャニファー、例のものを見つけてき
たぜ」

シャニファー「ルルシャイ、ルルシャイ」

シャニファーはロックから黒っぽい玉を受け取りそれを飲んだ。

シャニファー「ん・・・ん・・・ん・・・・ふぅ・・・・・やっとしゃべることができた〜。ありがとう
ロック」

ロック「いいってことよ。それじゃあ俺は」

そう言ってロックは消えた。

リード「相変わらず不思議な奴だ」

シャニファー「改めて電雷、リード。私はこことは違う別の世界からやってきたの」

電雷「違う世界?なんだそりゃ?」

シャニファー「今日は時間切れだからまた明日話すわね♪」

電雷「ちきしょー!!気になる〜!!」

・・・第八章の幕は閉じた・・・
・・・第九章 違う世界・・・

電雷「で、違う世界って言うのはどういうことなんだ?」

シャニファー「私は・・・・・『リストン』って言う国から来たの・・・・・」

レデュール「リストン・・・・?聴いた事の無い国だ・・・・・・まさか本当に違う国からきたの
か・・・・・・」

シャニファー「何でもその国は・・・・・ここ『聖界』でも『魔界』でもないらしいわ・・・・・私
たちは『狭間の国』って読んでたけどね・・・」

リード「狭間の国かぁ・・・・・・!!・・・・・」

リードはとっさに後ろ髪を触りながら後ろを向いた。

電雷「どうしたリード?」

リード「いや・・・・・なんでもないみたい・・・・・(おかしいな・・・・さっき誰かに髪の毛を触ら
れた気がしたんだけど・・・・)」

シャニファー「気のせいでしょ。一旦宿屋に行きましょう」

レデュール「・・・・・・・・・・・・・・」

・・・宿屋にて・・・

電雷「そろそろ晩飯時だなぁ・・・・」

リード「晩御飯・・・・・何だっけ?」

電雷「えーっと・・・・・チンジャオロースだよ」

レデュール「チ・・・・チンジャオロース・・・・・」

レデュールは慌てて口をふさいだ。

リード「どうしたの?」

シャニファー「まさか・・・・・ピーマンが嫌いなの?」

レデュールは首を振りながらピーマンと言う名を口にするなと言った。

レデュール「わ・・・・私は外でぶどうでも食べてくる・・・・・留守を頼んだぞ・・・・」

そう言ってレデュールは部屋を出て行った。

リード「・・・・ピーマンが嫌いなんだ・・・・・フッ・・・・」

その時ものすごいスピードでレデュールがこちらに走ってきた。

レデュール「ピーマンの名を口にするなと言ったであろう!!それで最後のフッ・・てなん
だ!?・・・・・ああ・・・もういい!ぶどうを食ってくる!」

レデュールは部屋のドアをバンッ!!としめて出て行った。

電雷「・・・・・・・これから××××は禁句だな・・・・・」

・・・第九章の幕は閉じた・・・
・・・第十章 達人と達人の手合わせ 前編・・・

ぶどうを食べに外に出たレデュールは、ぶどうを食べに行く前にアルバトロス城に忍び込
んだ。

レデュール「ったく・・・・・夜の警備がなっとらんな・・・・・」

レデュールが王の寝室へと続く通路を歩いていると後ろから衛兵の声がした。

衛兵「そこにいるのは誰だ!?」

レデュール「やべっ・・・・・よっと・・・・」

レデュールは天井に張り付いて衛兵の目を逃れた。

レデュール「ふぅ・・・・・あぶねぇあぶねぇ・・・・・・さてと・・・・熟睡中の王様に会いにいくと
しますか・・・・・」

そういってレデュールは寝室の扉を開けた。そして、眠っている王の枕もとに手紙を置い
て去っていった。

レデュール「・・・・・・・・いかんいかん・・・・昔の自分に戻ってしまったようだ・・・・・・・・・・・さ
て、ぶどうを食べに行くとするか・・・・・・」

・・・次の朝・・・

リード「んん〜・・・・・朝・・・か・・・」

レデュール「今日は早く起きれたな・・・・」

リード「ん・・・・おはよう・・・・・」

レデュール「さて・・・・耳をふさいでいろ・・・・・・・オラァ!!電雷!!シャニファー!!さ
っさと起きんかゴラァ!!!」

レデュールは凍りつくようなオタケビをあげて、電雷とシャニファーを起こした。

電雷・シャニファー「は、ハイィィイイイィィイイイ!!」

レデュール「今日はお前たちに見せたいものがある。着いて来い」

レデュールはリードたちを町外れの丘に連れて行った。丘を登るとそこには、国王ウォル
がいた。

ウォル「・・・・・・用とはなんだ・・・」

レデュール「こいつらに俺たちの手合わせを見せてあげようと思ってね・・・・・」

ウォル「そうか・・・・・・久しぶりだな・・・・こうして手合わせをするのも・・・・」

ウォルは腰に収めていた刀をさやから抜いた。

レデュール「言っておくが手加減はしないからな・・・・・ってか、手加減って何? 食べ
物?」

レデュールは背中の刀を抜いた。

ウォル「さぁ?・・・・・・・食べ物なんじゃないの?」

二人は刀を構えた。二人の間を風が走りぬけた瞬間、刃と刃が交わる音がいくつも続い
た。

電雷「すげぇ・・・・・ぜんぜん見えない・・・・」

リード「いや・・・・・これならまだ見えるよ・・・・・」

シャニファー「私も・・・・・一応見えるわね・・・・・」

電雷「見えないのは俺だけかよ。そりゃないぜ〜」

その時二人は元の場所で構えあっていた。

ウォル「流石にこれじゃきついな・・・・・・魔性第一形態になってもよいか?」

レデュール「第一形態ならばよいぞ」

ウォル「それならば・・・・・変化!!」

ウォルの体が光、光がおさまるとそこには髪は長く、額には『魔』という字がかかれた者
が立っていた。

レデュール「懐かしいなぁ・・・・・ウォルがその格好で戦うのを見るのは」

ウォル「・・・・・・・そうだな・・・では行かせてもらうぞ」

レデュール「ああ・・・・・」

・・・第十章の幕は閉じた・・・

・・・第十一章 達人と達人の手合わせ後編・・・

アルバトロス城下町のはずれに丘があった。その丘の上で二人の人間が手合わせをしてい
て、それを見ているものが三人いた。一人は額に『魔』という文字が刻まれた男で、もう
一人は仮面をつけた長髪の男だった。二人とも体はもうボロボロだった

レデュール「流石だな・・・・・ここ数年間腕が落ちていないなんて・・・・・・」

ウォル「フ・・・・・貴様は腕を上げたな・・・・・」

レデュール「あたりまえだ・・・・・・『魔神』としての字(あざな)があるくらいだから
な・・・・」

ウォル「ヒュウ。いつの間にそんな字ができたのやら・・・・」

ウォルは口笛を吹いてそういった。

レデュール「さあな・・・・・強き者を倒しているうちにそのような字がついた・・・・・」

そう言い終わるとウォルはレデュールの前にすでにきており剣で切りつけた。レデュール
はとっさにしゃがんだ。そしてしゃがんだまま刀を構え、ウォルの後ろに回りこんだ。ウ
ォルはすぐに後ろを向きレデュールに切りつけた。レデュールはその攻撃を受け流し、わ
き腹に切りつけた。ウォルは後ろに下がり攻撃をかわした。その時間はほんの2〜4秒ぐ
らいだった。

リード「(す・・・・すごい・・・・・・これが・・・・・『魔性の子』の力・・・・・)」

ウォル「ハァァァアアアァァアア!!」

ウォルは横に真一文字に剣を振った。レデュールは後ろによけウォルに突きの構えを向け
た。そしてまっすぐに突いた。

ウォル「そうくると読んでいたよ!!」

そう言ってウォルは左に体を反転させてよけた。しかしレデュールは突いた刀を左に動か
しウォルの首に刃をつけた。その時間はほんの0.9秒であった。

レデュール「俺の勝ちだな・・・・・」

レデュールは刀を鞘に戻した。

ウォル「ちっ・・・・・また負けちまったか・・・・・」

そう言ってウォルも刀を鞘に戻した。

レデュール「どうだった?俺らの手合わせは・・・・・?」

リード「すごい・・・・・早くて動きが見えなかったよ・・・・・・」

丘の上から高笑いをする声が聞こえた。

・・・第十一章の幕は閉じた・・・
・・・第十二章 残り四人の魔性の者・・・

・・・・そのころ、黒く染まった魔界の神殿では・・・・

ラケシス「・・・・・・・一体何のようだろうか・・・・・こんな遅くに私を呼び出して・・・・・」

ラケシスはその神殿の廊下を歩き、大神官の間へと入った。

ラケシス「失礼します・・・・」

??「ラケシスよ・・・・・英雄の子孫が生きておった・・・・・・」

ラケシスは驚いた顔で

ラケシス「く・・・・・・申し訳ございません・・・・・」

と深く頭を下げて誤った。

??「フン・・・・・まあよい・・・・・」

そしてその何者かは指をパチンと鳴らして魔性の者の残り三人を呼び出した。

??「お前たちに来てもらったのは他でもない。まずはクロ、お前はアルバトロスを侵略
せよ」

クロ「・・・・・・御意・・・・・」

??「ラケシスとライキールは英雄の子孫の抹殺に向え」

ラケシス「次こそは御意のままに・・・・・」

ライキール「・・・・・・僕に任せておけ・・・・」

??「リィヴァンは遊牧民の住む『シャク』と北の『ブルメル』をこいつらとともに侵略
しろ」

そういって何者かはまた指をパチンと鳴らした。すると何者かの後ろから四人の人間が出
てきた。

??「こいつらはお前たちとは違うタイプの『魔性の子』だ。こいつらはもとの人間を元
として作った最強の『兵器』なのだ。そしてお前たちは私が育て上げた最強の『戦士』
だ。こいつらは右から順にオーディーン、ヴァルキューリ、ロキ、トールだ。そしてお前
たちにこの『北欧の武器』を渡す。これで英雄の子孫を殺るのだ・・・・」

八人は深く頭を下げ

八人「御意」

とだけ言った。

その者はまた指を鳴らした。すると八人の前に一つずつ武器が出てきた。そして武器の説
明をし始めた

??「まずはオーディーン・・・・おまえはこの『グングニル』という槍で戦うのだ。そして
ヴァルキューリは『イーヴァルディ』という鞭、ロキは自分の力を悪と闇に染める『フェ
ンリル』『ヨルムンガンドル』『ヘル』の宝玉を飲め。トールは『ニョルニル』というハ
ンマーで戦え」

四人「了解・・・・」

??「そしてライキールは氷剣『アウドムラ』、クロは『ナグルファル』というダガー、
ラケシスは闇槍(オンソウ)『グレイプニル』、リィヴァンは『ガルム』という魔剣を使っ
てそれぞれ戦え」

四人「はっ!!」

八人はもらった武器を装備してそれぞれ飛び立っていった。

??「フフフフフフフ・・・・・・これで私の野望もあとすこしでかなう・・・・・フッフッフッフ
ッフ・・・・・ハーッハッハッハッハッハ!!ハーッハッハッハッハッハ!!」

はたしてリードたちはどうなるのだろうか・・・・・

・・・第十二章の幕は閉じた・・・
・・・第十三章 強者の襲撃(前編)・・・

リードたちは手合わせが終わったので宿に戻った。ウォルは民のものに見られてはいけな
いと速やかに城へと戻っていった。

リード「(・・・・・・・俺にも・・・・・あんな力が眠っているのだろうか・・・・?)」

レデュール「ああ、眠っているぞ」

りーどはレデュールの方を向いた。

リード「!!(心を読まれた!?)」

レデュール「そのためには爆発的な怒りがスイッチとなって『魔性の力』は目覚めるの
だ」

リードは頭を抱えた。

リード「怒り・・・・・ねぇ・・・・」

その時、窓のほうが凍り付いてるのに気付いた。

電雷「なんでここ、凍り付いてるんだ・・・・・?」

電雷は窓に近づいた。

シャニファー「触らないほうがいいわ、あなたも凍るわよ」

電雷「マジで!!」

電雷はさっとその場から離れた。

リード「外の様子を見てみよう。・・・・・・・不知火(シラヌイ)・・・」

リードは指をぱちんと鳴らし指から火を出して氷を溶かした。そして窓を開け、外の様子
を見た。すると家や地面はおろか、人や動物さえ凍りついていた。そしてリードたちも凍
りそうになった。

リード「危ない!!火炎壁(カエンヘキ)!!」

とっさに窓に炎の壁を張って凍るのを防いだ。

レデュール「さて、問題はだれが凍らせただな」

電雷「それは外に出てみないとわからないよ」

シャニファー「だったらリードの炎で私たちを包み込んで外に出たらいいんじゃない?」

シャニファーは立ち上がってそういった。

リード「う〜ん・・・・・・できるかわかんないけどやってみるよ」

リードは部屋の中で他の者を炎で包み込んだ。

リード「大丈夫?熱くない?」

電雷「ああ、熱くねえよ」

レデュール「だったら外に出てみるか」

リードたちは宿の外に出た。すると町の中に二人だけ(リードたちは抜くが)凍らずに立っ
ているものがいた。一人はリードたちの知っているもので、もう一人は知らないものだっ
た。

リード「! お前は!!」

ラケシス「また会いましたねぇ・・・・・・自己紹介が遅れました・・・・私、ラケシスと申しま
す。以後お見知りおきを・・・・・さて・・今度は命をもらいますよ!!」

ラケシスが攻撃しようとするともう一人がそれを止めた。

ライキール「あの赤い髪の毛の少年は僕にやらせてくれないか?・・・・僕の名前はライキー
ル・・・・ライキール・ヨシュア・・・・だよ・・・・」

ライキールは丁寧にお辞儀をしながら自己紹介をした。そしてまっすぐにリードを指差し
た。

ライキール「君、僕と戦おう。こっちにくるんだ」

リードは「ああ」とだけ答えてライキールのほうに向かった。その時リードは、彼の目の
奥になにかゾッとするものと悲しげなものと冷たいものを感じた。そしてすぐにこいつは
強いと思った。

・・・第十三章(前編)の幕は閉じた・・・
・・・第十三章(後半) 似たもの同士・・・

リードはライキールに他の者たちからなるべく離れて戦うようにしたいと言った。ライキ
ールはその要望に応えて他の者たちと離れて戦うことにした。

「・・・・・・・・・・君と僕はどこか似ている・・・・・」

しばらくこちらを睨み、やっと口を開いたかと思うと意味不明な発言。リードはどこが似
ているんだと質問した。

「君は親を失い別のものに育ててもらった・・・・・さらにほんの最近までは自分にこういう
能力があることを知らなかった。僕もそうだ。親はあの方に殺され、僕はあの方のものだ
けとして働いてきた。怒りもせず、泣きもせずにただあの人だけのために・・・・・」

ライキールの言葉には、どことなく悲しいものがあった。そりゃそうだろう。親を殺され
自分は人形のようにして生きてきたのだから。

ここでリードもああ、そうだな・・・・と言った。

しばらく沈黙が続いた後

「まだ戦わないのかい?」

とリードが口を開いた。

ライキールは

「そうだね・・・・・そろそろやろうか・・・・」

と言い、剣を構えた。

「よし・・・・・」

とリードも同意し、こちらも剣を構えた。

そして、先に踏み込んだのはライキールだった。ライキールはすばやくリードの懐に入り
込んだ。

「は、早い・・・・・!」

そしてライキールはリードの腹を剣の柄で突いた。

「ぐふっ!!」

リードはそのまま5mぐらい飛び、起き上がりながらなんて足が速いんだ・・・・・と思っ
た。

ライキールはリードの心を読んだかのように

「兵法を使ったまでだ」

と言った。

実はあのときライキールは足元に手ごろな石があったのでそれをスターティングブロック
さながらに置き(リードはライキールの目をじっと見てたので気付かなかったが)、踏み込
みに加速をつけたのだ。

「なんだ、弱いじゃないか・・・・・この様だと君は大切な人を絶対に守れない・・・・」

そう言ってライキールが鞘に剣を収めようとした時、リードがこちらに飛ぶようにして向
かってきた。

「油断している君のほうこそ大切な人を守ることができないよ!!」

リードはライキールの腹を切りつけようとした。しかし、ライキールはそれをうまくかわ
しバックステップをして相手との距離を置き、剣を構えた。

「武術家にとっての敗北は死ということか。ふっ、いいようだな。気持ちだけは・・・・」

言い終わると同時にリードが切りかかってきた。そして今度は刀に炎をまとっている。

「燃え尽き・・・・・れー!!」

リードは剣を振り下ろした。ガキィ!!という音とものすごい蒸気が発生した。蒸気が晴
れると、リードの剣をライキールが素手で受け止めていた。さらにその手は凍っていた。
だから蒸気が発生したのだろう。

「腕の力だけで剣を振り下ろしても着物一つ切ることはできないよ。そして、その炎も青
いがまだ弱い」

ライキールはそう言ってバックステップをし、リードに切りかかった。

「平行四辺形を潰すようにして重心を移動させると・・・・・」

ライキールの剣がリードの右肩に当たった。

「このように人の体はたやすく切ることができるんだ!!」

ライキールはリードの右肩から鳩尾にかけてざっくりと切った。切った口から血がどくど
くとあふれ、リードは口から血をどばっと吐いた。

「こんなものか・・・・・がっくりしたよ。君と僕の力の差には・・・・・」

そう言ってライキールは剣を抜いた。リードはゆっくりと後ろに倒れた。そしてそのリー
ドの目は白く見えた。

「ラケシス。リードは殺った。帰るぞ」

ライキールは光となって消え去った。

「・・・・・・ちっ、あのやろう獲物を奪いやがって・・・・・まあいい。私はこれで失礼致しま
す。ではお元気で」

ラケシスは笑顔で光となってその場から消え去った。そしてラケシスのいたところには、
ボロボロになった者が三人いた。一人は立っており、残りの二人はリードのように地面に
倒れていた。しかし三人とも気を失っていた。

・・・第十三章(後半)の幕は閉じた・・・
・・・第十四章 竜と龍と人との出会い・・・

ここ、アルバトロス城下町は人々が多くいて、産業や商業、工業も発達している町であ
る。しかしいま、その町は真っ白で、家々が凍っていた。

だが、ある場所だけ凍っていなかった。そこは町のはずれに立っている一つの土地だっ
た。

土地には一つ小さな家が建っており、家のドアから点々と血の後が町まで続いていた。



家の中から誰かが出てきた。どうやらその者は女性のようだ。年は十代半ばであろう。

女性は家の近くに生えている草をつみ、とことこと家の中に戻っていった。

家の中では傷だらけの者が四人布団に横たわっていた。その四人を二人のものが治療して
いた。一人は女性で一人は男だった。二人とも耳は長かった。

男のほうが

「・・・・・・・・とりあえず毒のない葉っぱを何枚か当てて・・・・っと・・・・こっちもしてやらな
いと・・・・・・ふぅ・・・・・・レイ、こっちの応急処置は終わった。そっちはどうだ?」

と、もう一人のレイという名の少女に話し掛けた。

少女は

「ええ、こっちも大丈夫よ。これで準備はできたわねヴァン」

と答え、両手を合わせ何か祈り始めた。

ヴァンはもう始めたのかとつぶやき、レイのように祈り始めた。

すると四人の傷の上に置かれた葉が光って、みるみるうちに傷口がふさがったのだ。
・・・数日後・・・

「ん〜・・・・ここ・・・・どこだ・・・?・・・・・町はどうなったんだろう・・・・・??何か聞こえ
る・・・」

〜〜〜〜〜♪   〜〜〜♪♪ 〜〜〜♪

耳を澄ますと外のほうから歌声が聞こえてくる。歌っている者は美しい声をしている。

周りを見渡すと布団の上に僕はいて、氷水の入ったボールと・・・・・・・別の布団がある。布
団はふくれあがっているので誰かが寝ているのだろう。

僕は長い間寝ていたのだろう。頭がボ〜ッとしてさっきまでの記憶がない。

「・・・・・・外に・・・出てみるか・・・・・」

少年は外にはスギやイネの花粉がプンプンとんでるんだろうなぁ〜と思いながらも外へ出
てみた。

外には少女が一人切り株の上に座って歌っており、動物や鳥とたわむれていた。歳は十代
半ばだろう。

少女は少年には気付いていない様子だった。

少年は少女に近づこうとすると足元にあった枯れた木の枝を踏んでバキッと音を立ててし
まった。

「!! 誰!?」

少女が叫んだとたん動物や鳥たちは急いでどこかに行ってしまった。

「お、驚かせてゴメン。僕はリード。君は?」

リードと名乗る少年は少女に自己紹介をした。

少女は、

「私はレイ。あなた、もう起きれるのね。始めて見たわ」

少年は、はぁ?と聞き返した。

すると

「あなた記憶はちゃんとしてるの?」

とレイが聞いてきたのでリードは

「何があったか・・・・覚えていない・・・・・町が凍ったのまでは覚えているんだけど・・・・」

「そう・・・・・・あなたとあなたの仲間は町の中で倒れてたのよ。血だらけになって」

そのとき、少年はハッ!!とした。

「そうだ・・・・・奴ら・・・奴らが僕たちを・・・・僕は・・・歯が立たなかった・・・・・」

そうやらリードは記憶を取り戻したみたいだ。

(やっぱりこの人は・・・・ もしかしたらあの伝説の英雄テュルスの末裔かもしれない
わ・・・・・ ヴァンに一度言ってみないと・・・・)

少女はリードの顔をじ〜ッと見て心の中でそう思った。

「? 僕の顔に何かついてるのかい?」

と、リードは不思議そうに聞いてきたのでレイは咄嗟になんでもないと言った。

幾度か話しているうちにそばの茂みから男が現れた。歳は容姿からすると二十歳ぐらいで
ある。

「・・・・・おまえ、もう状態はいいのか?」

と男が聞いてきたのでリードは

「あなたは誰ですか?」

と聞いた。

男は

「自分はヴァンと申す。それよりレイ、この者の様態はどうだ?」

レイは大丈夫みたいよと答えた。

ヴァンは、

「ここで立ち話はやめておこう。小屋へ入ってくれ」

と言ったので、リードはヴァンの言うとおりにした。

・・・第十四章の幕は閉じた・・・
・・・第十五章 目覚め・・・

リードが小屋の中へ入るとすぐにレイとヴァンも入ってきた。

「ところで・・・・・」

不意にリードが二人に尋ねた。

「あなたたちはいったい何者なんですか?」

リードがこう思うのも同然、この二人の耳はとても長く鋭い眼球で色は二人ともここの人
間にしては珍しい灰色だったのだ。

ヴァンは苦笑して、自分は龍だといった。

リードはなんだかわからないような顔をして

「・・・・・・龍?・・・・なんですかそれは?」

とたずねた。

ヴァンは少し黙りこくってから口を開いた。

「龍とは武勇に長け、誰からも信頼される天才的な能力を持った人間と竜との間の子供
だ。竜は雄と雌がいるが龍は雄しか生まれない」

リードは竜と龍はどう違うのかと聞いた。

そして今度はレイが答えた。

「竜は戦いこそできないけど治癒の能力を持っているわ。そして頭もいいから人に無理矢
理軍師にされる・・・・・」

最後の言葉はなんだか悲しそうだった。

しばらく沈黙が続いたかと思うと他の布団で眠っていた者たちが目を覚ました。

その中の一人、歳のはなれた初老の男性は

「奴は・・・・・奴はどこだ・・・・」

としばらく呪文のように繰り返していた。

他の者はリードのそばによってこの人たちは誰かと尋ねた。

リードはこの者達が誰かを説明した後、電雷とシャニファーはエェェェエッ!!と驚きへ
なへなと腰を抜かしてしまった。

リードはそれを起こすのに必死だったが、レイとヴァンは噴き出していた。

・・・第十五章の幕は閉じた・・・
・・・第十六章 旅立ち・・・

リードは電雷たちを起こした後、龍にこうたずねた。

「ここに長居しててもあれだし、そろそろ出発してもいいですか?」

「それは貴公らが決めることであろう。しかし、あの剣士はまだぶつくさ言っているから
ここへ置いて行け。代わりに私とレイを連れて行ってくれ。レイも多分了解するであろ
う。いいか、レイ?」

ヴァンは表情一つ変えずにあれだけの言葉をスラスラと言った。その後レイのほうを向い
た。

レイは少し考えた後、この中に気になる人物がいるのでついていくと言った。

リードはレデュールはこのままで大丈夫なのかとたずねた。

ヴァンは一週間もすれば治ると言ってテキパキと皆の旅の準備をはじめた。

その様子を見ていた電雷とシャニファーが、本当にあいつは大丈夫なのかとリードにきい
た。

「僕は何も知らない。けどヴァンたちがついてきたいっていうのなら僕は彼らを喜んで受
け入れるよ」

確かにリードの言うことはあっている。彼らはきれる頭と優れた武勇を持っている。そし
て自ら仲間になりたいと申し上げたのだ。

だか、なぜ自分らの正体をばらし、ばらしたものについていくのだろうか。それは、彼ら
リュウがリードのそばにいることによって、自分らが制裁を加えずに口止めをすることが
できるからだ。

どうこう思っているうちに、ヴァンは支度がすんだみたいだ。

「支度はできた。今すぐに出発するか?」

「ああ、できれば早いほうがいい」

リードたちは小屋を出て、その場を立ち去った。

しかしリードたちは草むらでこちらを見ている者に気が付かなかった。そのものは足音を
立てずにリードたちの匂いを頼りに尾行したのであった。

・・・第十六章の幕は閉じた・・・
・・・第十七章 刺客・・・

ホー・・・ホー・・・

ずいぶん前からリード一向は野宿をしていた。しかしヴァンだけは寝ずの番であたりの見
回りをしていた。

「う・・・・やめて・・・・殴らないで・・・いい子にしてるから・・・強くなって・・・母さまを守るか
ら・・・・・学校でもいい成績をとるから・・・・だから・・・殴らないで・・・一度でいいから・・・・愛
してると言って・・・・」

「大丈夫・・・・・・あなたを愛しているものはたくさんいるわ・・・だから、そんなに自分を傷
つけないで・・・もう、ほかの人を信じて・・・今を精一杯生きよう・・・・・」

「!! 誰!?」

リードははっと目を覚ました。視線の先にはレイがいた。

「・・・・レイ・・・・・?」

「あなたを愛するものはたくさんいるわ。電雷にヴァンにシャニファーにあたしにあの剣
士さま・・・・・だからもう悲しまなくていいのよ。前を向いて進もう。ね」

レイはそういって微笑み立ち上がって伸びをした。リードは、今まで言っていたうわごと
のことを思い出してあれは僕の記憶には存在しないといった。レイは

「あれは聖浄王(せいじょうおう)アーカンジェルの記憶よ。あなたはあの方にとてもよく
似てるわ・・・・・もしかしたら生まれ変わりなのかもしれないわね」

リードは笑いながらそんなことはないといった。

しばらく沈黙が続いた後、朝日が昇ってきた。朝日が昇ると同時にヴァンが見回りから帰
ってきた。

「・・・・・リードよ、眠れなかったようだな・・・・・目が赤いぞ・・・」

「そ、そうかな・・・・・・」

朝日が昇りきると、ヴァンは、飯の材料を取ってくるといってまたどこかへいった。しば
らくしてシャニファーが目を覚まし、とっさに身を構え、近くの叢(くさむら)のほうをに
らみ、叫んだ。

「そこにいるのはわかってるわよ!!出てきなさい怪しいものめ!!」

そう叫び終わるか終わらないかの中間ぐらいで叢から一人の若者が姿を見せた。若者は小
柄で黒いフードつきのローブを着ていた。若者は、

「私は、あの方の僕(しもべ)の一人、クロ。リードの首、もらいにきた!!」

そういうかいなやクロはローブに隠していた両手を出した。ローブのなかにも長袖長ズボ
ンを着ており、腰には短剣のさやがつるされていた。クロは瞬時に腰につるしていたさや
から二つのダガー(小型の剣。短剣やナイフよりも刃が少し大きい)を両手に持ち、リード
に向かって一直線に走ってきた。走るときの格好が背を低くしているので、どうやら暗殺
の専門家か何かだろう。どちらにしても厄介な相手であることだけは間違いないのであ
る。

「一閃(いっせん)・・・・」

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