FTT城は今日もにぎやか6(6つの宝石編)

(フォエクトキーV(リフア)さん作)

一方、そんなことは知らずに、フォエクトキーVとリフアは話していた。

「なるほど!これなら喜んでくれるだろう」

Vはリフアの案を聞いて、最高だという喜びのつまった表情を見せた。

「君もやはりそう思うかい?そしたら・・・・・」

リフアはそこまで言って、話を止めた。大臣アルファがいきなりドアをバタンと開け、部
屋に入ってきたからだ。

「ノックもせずに入ってくるとは何事だアルファ!?」

Vはきびしく言った。アルファは息を切らし、話そうとした。様子からして、どうやらた
だごとではないらしい。

「大変でございます!リフア様、皇子様!ヨシュア様とショウスバメ様がFTT城から出
ていってしまったのです」

「何!?それは真か?何故?」

アルファの言葉にリフアは驚き、聞き返した。

「分かりません。しかしそれよりもお伝えしなくてはならないことが」

アルファは一旦言葉を切り、落ち着いてから言った。

「今兵士から聞いた情報によりますと、前にFTT王国とフリッド王国が同盟を結び、誓
いを立てた印の六つの宝石が何者かに盗まれたのです!」

「何だと!」

Vは近くの机を激しく叩いた。

「トパーズも、アメジストも、ルビーも、オパールも、エメラルドも・・・・」

「それどころかサファイアまで盗まれてしまいました!あの宝石が悪しき者の手に渡った
ら大変なことになってしまいます!」

リフアのつぶやきに、アルファは答えた。

「分かってる、だが、どうやって?どこにあるんだ?」

Vがうなだれたそのとき、リフアのラウンが輝きだした!

「な!?」

リフアは驚いて、他の二人を見た。

「これはいったい?」

「リフア!ラウンを握りしめろ!」

Vはアルファの声が消えるくらい、リフアに叫んだ!リフアは言われたとうりにし、目を
閉じた。すると、頭の中でFTT王国のある星の地図が浮かび上がり、それぞれの場所か
ら光が出ていた。

「アーカイブ島・・・旧裏講王国・・・南洋の孤島・・・悲しみの荒野・・・涙の円海・
・・そして、どこかの修業場らしい・・・・・・」

リフアは目を開け、その場所を言った。

「そこに・・・・あるのか?」

Vの問いに、リフアは答えた。

「ラウンの力は絶対だ。そういえばヨシュアさんとショウスバメさんが修業してる
映像も頭で流れたよ」

「おそらく、あなたがさっき言った修業の場所でしょう」

アルファの言葉に、二人もうなずいた。

「おそらくな、とにかく、ぐずぐずしてられない。私とリフアで宝石を探しに行く!私は
旧裏講王国と南洋の孤島を探す!リフア、君は涙の円海と、悲しみの荒野を・・・・・・
修業場とアーカイブ島はヨシュア殿とショウスバメ殿に探してもらおう」

「ですが、彼らにはどうやって伝えるのです?」

「ラウンで呼びかけてみるよ」

リフアはラウンを握りしめ、目を閉じ、心で呼びかけた。

ヨシュアさん、ショウスバメさん、宝石を・・・・・・アーカイブ島と、修業場から探し
出してください。

彼はそれだけ叫ぶと、目を開けた。

「少ししか伝えられなかったから、うまく説明は出来なかったけど、これで届けば彼らの
心に届くはず!」

「よし、行こうリフア!途中まで乗せていってくれ、君の竜の姿に。後のこと頼んだぞア
ルファ!」

「はい、分かりました!お二人とも、くれぐれも無理はなさらずに、どうかご無事で!」

リフアは竜の姿になると、フォエクトキーVを乗せ、飛び立った。



「六つの宝石編」スタート!

宇宙での二人の会話・・・・・・・・

リフア「そういえば、以前宇宙を飛んだときもあったけど、そのときも今回もなんともな
いのはなぜだろう?」

フォエクトキーV「それはラウンの力だね、アルティマーラ姫やルレフ君が君や私を守っ
てくれてるんだよ。真空からもね」

リフア「そうか・・・・・そうだね」

二人は話しながら、飛んでいた。

フォエクトキーV「リフア、歌ってくれよ。これからの幸運を願う気持ちを!」

リフア「うん、そうだね。歌ってみるよ」

彼は歌い始めた。宇宙を超えて、さまざまな人へ伝わればいいと思いながら・・・・・・
一日も早く、この旅が終わることを願って・・・・・。

リフア「ヨシュアさんやショウスバメさんにも伝わればいいんだけど」

フォエクトキーV「伝わるさ、きっと・・・・・」

リフア「あ、見えてきたぞ!カルトゥラーハ星が!」

フォエクトキーV「本当だ!」

二人は前を向いた。

フォエクトキーV「我々の旅が・・・・・始まるんだ・・・・・危険な旅にね・・・・」

リフア「うん・・・・・・・・」

二人は唾を飲み込み、覚悟を決めた。


(夜狩亞 さん作)

〜〜〜ヨシュアとショウスバメの宝石を巡る旅〜〜〜
   ・・・第一章 ∬緑に輝くエメラルド∬・・・


外見が年若く見える青年が二人、広い森の中を歩いていた。

「ん?・・・・・・なんか、リフアの声がした気が・・・・・・?」
青年の一人―片手にフルートを持っている―は辺りを見回した。しかし、もう一人
の青年と木々以外は何も見当たらない。

「ショウスバメ、それ、俺にも聞こえたわ。なんか・・・・・・六つの宝石を探してくれ
って言ってたなぁ・・・・・・。この無人島『ノット・エンド』と『アーカイブ島』で探
してくれって・・・・・・」

「うん。とりあえず、手分けして探してみるか、ヨシュア」

ヨシュアと呼ばれたものは、どこからか小さなナイフを取り出し、近くの大木に傷
をつけた。

「んじゃあ、見つけても見つからんでも日ィ暮れる前にココに戻ってこいよ」

「あぁ、んじゃっ!」

二人の青年は見えぬ速さでそれぞれ反対方向へ飛び出していった。


「ったく・・・・・・この島は訳わからんとこ多すぎやっちゅーねん・・・・・・」

ヨシュアはすばやく木から木へと飛び移って移動している。時折、地面に降りて周
りに怪しげなものがないかなども確認している。

「全く・・・・・・どこに何があるか・・・・・・。10年間ココで修行してても何もわからん」

無人島『ノット・エンド』・・・・・・。それは名前からわかるように終わりが無い。つ
まり、果てることが無い島なのだ。
島の中では現代も生きている生物だけでなく、古代に絶滅したとされる生物が多く
潜んでおり、それは全て凶暴な物だけであった。
例えば、恐竜やサーベルタイガーからライオン、トラなどがいるのである。

ヨシュアとショウスバメは、修行のために10年間ここから出たことは無かった。
(本人たちの年齢は不明なのだが)

そのとき、不意にヨシュアは恐竜や獣ではない生物の気配―人の気配―を感じた。

「!? だれや!?」

(ちっ!ばれたか!)

ヨシュアは棒手裏剣を気配のした方向へ投げつけた。その方向は草むらで、そこに
棒手裏剣が刺さる前に何者か―もちろん人―の影が飛び去った。

影は三角跳びを木と木でおこない、ヨシュアから去っていった。しかしヨシュアも
元暗部、宙返りをし、反動をつけ地面を蹴って枝に飛び乗り、木から木へと移って
影を追いかけた。

(くそっ!この宝石だけは死守しなければいけないのに!!)

影は木の枝に飛び乗ってヨシュアのほうへ―距離は10mくらい離れている―後ろ
回し蹴りを放った。

「あいつ馬鹿か?んなとこからやってもあたらうおっ!?」

ヨシュアが次の木の枝に飛び乗った瞬間、その枝がスパッと切れてしまった。だ
が、ヨシュアはこのように足場か崩れても次の枝に飛び移り、影を追いかけた。

「あいつ、なんちゅー脚力や。蹴圧(しゅうあつ)だけで木を崩すって・・・・・・」

(・・・・・・へぇ・・・・・・やるじゃん、あいつ。もう一つの気も気になるしねぇ・・・・・・)
「はっ!」

影は前宙の要領―ド○ベンの影丸の背負い投げ投法と思ってくれればいい―でクナ
イをヨシュアの飛び乗った木の枝に投げつけた。ストン、とクナイは木の枝にヨシ
ュアが飛び乗った瞬間ささった。ヨシュアはまた木が崩れ落ちるのではないかと思
ったが、今度は崩れ落ちることは無かった。かわりに、クナイのほうが見覚えがあ
ったため、気になった。

「ん?クナイやと・・・・・・。!? このクナイ・・・・・・まさか、アイツか・・・・・・? 
ん?手紙か・・・・・・。!? なんやと!?FTTとフリッドの誓いの宝石の一つ、
『エメラルド』を奪ったやと!?」

手紙の内容はこうだ。

―先ほど、FTT王国とフリッド王国の同盟の誓いの宝石の一つ、エメラルドを盗
みました。
私のほかに、後5人が宝石を持っています。私たちは、一人ひとり闇に潜み育て上
げられたものです。

二つの王国の兵士が全員そろって戦いを挑んでも一人も倒せないでしょう。
ですが・・・・・・私たちと同じく、闇に潜むものか魔の者だと、互角でしょうね。
昔の馴染もあるため、貴方とフルートの彼だけに全員の字(あざな)を教えて差し
上げます。

トパーズを奪ったのは『雷の荒拳』です。
アメジストを奪ったのは『闇の剣士』です。
ルビーを奪ったのは『血の旋律』です。
オパールを奪ったのは『虹の咆哮』です。
サファイアを奪ったのは『暗黒の王』です。
エメラルドは私、『自然の砲撃』です。
あなたなら、これで全員の名前がわかるはずです。

『エメラルド』は私が持っています。取り返すには私を倒すしか方法はありませ
ん。

貴方たちと戦えるのを・・・・・・楽しみにしてますわ。

  親愛なる私の皇子へ 自然の砲撃より―

(リフア(元シーアイス)さん作)

リフアはフォエクトキーVをポケ裏王国で下ろし、あっという間に荒野の前に降りてきた。

リフア「ふう、しかしここの荒野は嫌と言うほど暑い、何故だ?」

リフアは竜の姿になろうとさっきまでは思っていたのだが、暑さでそれは余計な体力だと
わかり、歩き始めた。

リフア「ふう、みんな、こんな試練のようなものにあってるのかな?今頃・・・・」

歩き始めてからどれぐらいの時間が流れたのだろう?暑さはいっこうによくならない。ふ
と気がつくと、リフアの前に巨大な岩の壁が現れた・・・・・・・・。

リフア「何だこれは?」

リフアはそれを一番上まで登り、反対側へ降りた。

リフア「ふう、しかし今度はものすごく暑くなってきた」

リフアが振り返ると、そこは荒野と言うよりむしろ砂漠だった。

リフア「なっ!?これはいったいどういうことだ?」

リフアは信じられなく、周りを見渡した。

リフア「とにかく進もう」

リフアは歩き続けた。と同時に、頭の中である宝石の効果を思い出した。
清らかな青空の色を持つサファイアは、悪しき者の手に触れし時、・・・・の宝石のある
場所を死の場所へと変える力あり。心清らかな者の手に触れるとき、その心を洗う。水を
操る力あり・・・・・・・・

リフア「そうか、ってことは・・・・・ここにはサファイアと共鳴する宝石があるみたい
だな・・・・・・・・・」

しかし、リフアはそれが何か思い出せなかった。しかしそのことに夢中で、背後から近づ
く者の気配も知らずに。

リフアはふと気がついた。
ということはこの砂漠は幻なわけだ。しかし、これほど強い幻覚を作るとしたら・・・・
サファイアは・・・・・この近くの涙の円海で眠ってるんだろう。彼はそう思った。


(夜狩亞さん作)

ヨシュアは、元の大木の所に戻ると、ショウスバメが戻ってくるのを待った。ショ
ウスバメは2分後に戻ってきた。

「ゴメン、何も見つからなかったわ」

「いや、別にええわ。こっちは収穫あったから」

ヨシュアはショウスバメに、クナイと手紙を渡した。ショウスバメは手紙に目をや
った瞬間、眉根にしわを寄せた。そして、クナイをじっくりと見て、手紙とクナイ
とを交互に目をやった。

「ヨシュア・・・・・・この字とクナイって・・・・・・まさか・・・・・・」

「あぁ・・・・・・行方不明になった俺の恋人の・・・・・・フィオラだ・・・・・・」

ショウスバメは、ギリッと歯を軋ませた。

「やっぱり・・・・・・あいつやったんか・・・・・・」

ヨシュアは、フッと鼻で笑った。

「当たり前やろ。字の形だけでわかったわ。・・・・・・にしても、『雷の荒拳』・・・・・・
あの女も出てくるとわなァ」

「あぁ、テュールか。地を這う攻撃が得意だったから・・・・・・平らで広い所にでもい
るんじゃないか?」

ヨシュアは自分のこめかみに中指をあてた。

「とすると・・・・・・アーカイブ島か悲しみの荒野か・・・・・・?」

「案外、裏講王国かもね。俺のカンだと、テュールは裏講王国、『血の旋律』は悲
しみの荒野、『虹の咆哮』は南洋の孤島、『闇の剣士』はアーカイブ島、そして、
涙の円海に『暗黒の王』がいるだろうね」

ヨシュアはとたんに焦った顔をした。

「何!?悲しみの荒野に『血の旋律』が居るかもしらんやと!?・・・・・・お前のカン
はよォ当たるからなァ・・・・・・。こことアーカイブを済ませた後、荒野に行くぞ」

「だったら、早々と二つを仕上げなくちゃね」

「あぁ!待ってろよ!!・・・・・・テュール、クロウ、フィオラ、デリス、サー、そし
て・・・・・・暗黒神・・・・・・!」

ショウスバメはフルートを構え、奇妙な旋律の曲を吹き始めた。

「・・・・・・『私の愛しき者』・・・・・・か・・・・・・。クロウが好きやった曲やな」

ショウスバメは吹くのをやめ、頷いた。そして、空を見上げ、つぶやいた。

「クロウ・・・・・・君がなぜそんなに悲しんでいるんだ・・・・・・?『血の旋律』・・・・・・そ
んな字を付けられるまで、いったい何をしていた?・・・・・・君の過去を教えてくれ」


しばらくするとあたりは薄暗くなってきた。そのため、ヨシュアたちは、明日に備
えて寝ることにした。
手ごろな枝に飛び乗った後、木にもたれかかって眠りに着いた。


・・・次の日の早朝・・・

ヨシュアとショウスバメは、日の出と同時に目を覚まし、朝食に獣の肉と木に生え
ている果物を食べようとした。

「んじゃあ、獣でも捕まえるか」

ヨシュアは突然、ピィーっと指笛を吹いた。すると、林の中から一匹のトラが現れ
た。

「グラォォオオオ!!!!」

トラはおぞましい雄叫びと共に、ヨシュアに飛び掛った。

「はいはい、朝っぱらから元気やねぇ」

ヨシュアはダガーを引き抜き、トラを横に真っ二つに引き裂いた。トラは音も無く
地面に崩れ去った。ヨシュアはダガーの血をふき取ると、鞘へと戻した。

「んじゃあ、次は俺の出番やな。ウェルダンにしたるわ。・・・・・・『轟炎』!」

ショウスバメが魔法を唱えると、トラは燃え上がり、ちょうどいい具合に焼きあが
った。ヨシュアとショウスバメは、焼きあがったトラの肉をナイフで切り裂き、食
した。

「さてっと・・・・・・んじゃあ、行くか。気を頼りに」

「そうやな。お前は彼女の気を一番よく知っとるもんな」

ヨシュアとショウスバメは、森の中心部へと向かった。

・・・・・・・・・・・・・・・・
【登場人物追加】

フィオラ(♀)…生き別れになったヨシュアの恋人。字(あざな)は『自然の砲
撃』。主に草木や台地を使った戦いを得意とする。根は優しい。

テュール(♀)…素手で戦い、地面を這いずり回るような戦い方をする女性。攻撃
のしかたは独特で、接近戦闘を得意とする。いつも薄い鉄でできた服を着ており、
地面と服との摩擦で電撃が起こる。そのため、『雷の荒拳』という字がついた。

クロウ(♂)…字は『血の旋律』、今の所詳しいことは不明。

デリス(♂)…字は『虹の咆哮』、詳しい所は不明。

サー(♂)…字は『闇の剣士』、詳しいことは不明。

暗黒神…暗黒の王


ヨシュアたちは、数十分かけてフィオラの居場所を見つけた。そこは、島の最深部
かもしれない、少し大きめの遺跡だった。

「ここか・・・・・・。こん中には一回だけ入ったことあるなァ」

「せやなァ。あの時は中の魔物にボロボロにやられたけど・・・・・・今はちゃうで
ェ!!」

「ほなショウスバメ!!行くでっ!!!」

ヨシュアとショウスバメは勢いよく遺跡の中に入っていった。

遺跡の内部は真っ暗だが、二人とも夜目が利くので苦は無いようだ。しかし、道が
枝分かれしており、中心部にたどり着くには普通だったら何日もかかるだろう。
だけど今は違う。フィオラという名のかつての恋人の気を頼りに、ヨシュアは進ん
でいった。(その後をショウスバメがつけている)

中心部にいくまでに、夥しい数の魔物とであった。
オーグル(人食い鬼)、ゾンビ、ケルベロス、ミノタウルス、ケンタウロスなどな
ど・・・・・・、普通の凶暴な獣だけでなく、異界の生物らしきものもいくつも出てき
た。

しかしヨシュアとショウスバメは、かつての恋人―ショウスバメにとっては親友―
のところに行く為に、入ったときから魔性の形態で挑んだ。
そして、数時間の後に中心部へとついた。

中心部では、やはりフィオラがいた。フィオラは、二人を見ると口元に微笑を浮か
ばせてから口を開いた。

「久しぶりだね、ヨシュア、ショウスバメ。戦いの腕は上げた?」

緑色の短めの髪に、深緑の瞳。細めの唇に、ほっそりとした輪郭。ヨシュアは、久
しぶりに見たそれ、全てに愛しいと感じた。だが、今は敵どうしとして向かい合っ
ている。この真実に恨みを覚えた。

「あぁ、久しぶりやなァ・・・・・・。元気にしとったか?戦いの腕は大分上げたようや
な」

「当たり前だよ。暗黒神様の元で仲間と切磋琢磨しあってたんだから。ショウスバ
メはどう?フルートで人を操ってんの?」

ショウスバメは苦笑した。

「おいおい・・・・・・。まぁ、必要なときにだけはね。眠らせたり、操ったり・・・・・・。
暗部時代は操りを専門にしてたよ」

フィオラはフフッと笑うと、腰の袋から手のひらで持ち上げるくらいの大きさの、
緑色に輝く宝石―エメラルド―を取り出した。

「これがほしいんだろ?いいよ。ただし、私から奪わないと駄目だけどね。・・・・・・
おしゃべりをしている時間は無いだろ?さっさとはじめようよ。二人でいいから
さ」

「ショウスバメ、魔法の援護は任せるぞ。フィオラがお前の所に攻撃しにいったら
自分でなんとかできるやろ?」

「まぁ、まかせとって」

ヨシュアとショウスバメはフィオラとにらみ合った。フィオラは地面から太い植物
の蔓を出した。

「さぁ・・・・・・本気でかかってきなよ。じゃないと、死ぬから」

それを言った瞬間、蔓がヨシュアたちに襲い掛かった。

「ショウスバメ!!」

「あぁ!・・・・・・焼き尽くせ!『爆炎』!!」

ヨシュアは邪神の魔剣で蔓を切り裂き、ショウスバメは炎の魔法で蔓を焼き払っ
た。燃えたときに出た煙で、ヨシュアたちは見えなくなった。

「・・・・・・大地により鋭き岩、突き出ん。『ニードルバラージ』!!」

フィオラが魔法を唱えると、煙の中の地面からいくつもの槍状にとがった岩が出て
きた。しかし、それと同時にショウスバメは上へ、ヨシュアは前へ飛び出してい
た。

ヨシュアが邪神の魔剣を横へ一薙ぎ。フィオラはそれをバックステップでかわし、
ナイフというには長すぎで、普通の剣よりもちょっと短くて細身の剣を両手に、逆
手持ちで装備した。

ヨシュアは流れるように剣を最初の一太刀から斜め上、斜め下、上、横一文字へと
薙ぎ払って攻撃した。しかし、フィオラはそれを二つの剣で全ていなしている。

カキンカキンという音ではなく、シャリンシャリンという滑るような音がする中、
ショウスバメは魔法を詠唱していた。

「極寒の雪嵐よ吹き出たまえ・・・・・・『ブリザード』!!」

ヨシュアとフィオラが離れた瞬間、フィオラの下の地面から強烈な雪の嵐が巻き起
こった。

「くあぁっ!!」

フィオラは氷が舞う嵐によって、体じゅうに雹を浴びた。しかし、とっさに地面か
ら蔓を出し、嵐の中から自分自身を救出した。そして、ショウスバメの周りの地面
や天井から、棘の蔓が襲い掛かった。

「くっ!・・・・・・焼き尽くせ!『炎の壁(ファイアウォール)』!!」

ショウスバメは、自分の周りの炎の壁を作り出し、蔓を触れさせないようにした。

「はっ!」

ヨシュアが縦に一振り、フィオラへと攻撃した。だが、フィオラはそれを自分の剣
を交差させて受け止め、自分の後ろの壁へと投げ飛ばした。

「これでどう!?」

「なめてもらっちゃ困るなぁ」

ヨシュアは持ち前の空中感覚で体勢を立て直し、三角とびのように、壁から壁へと
蹴って飛び交い、フィオラの真横から剣による真空波を放った。

だがフィオラは横に一蹴り、自身も同じく衝撃波を出してヨシュアのそれを粉砕し
た。

だがヨシュアは、またしても壁を蹴り、フィオラの急所に向かって一閃、細身の邪
神の魔剣によるすばやい突きを放った。フィリアはそれを受け止めることはできな
かったが、軸をずらしてかわそうとした。

だが、ヨシュアのほうがすばやく、狙いとは外れたが、右の脇腹をに突きが刺さっ
た。

そしてそのとき、ショウスバメの詠唱が完了した。

「・・・・・・・・・・・・刃よ乱れ飛べ!『ウィンドブレイド』!!」

空気や風によってできた刃が、フィオラを切り刻んだ。

「くっ・・・・・・あああぁぁぁぁあああああっ!!!」

フィオラいくつもの切り傷を身体につけたままはうつ伏せに倒れた。

「フィオラ!!」

敵であるはずのヨシュアがフィオラにかけより、フィオラを起こし、手を握った。

「フィオラ!悪い・・・・・・敵なんやけどなんちゅーことを俺はしたんや・・・・・・」

フィオラは、ボロボロに傷を負った状態なのに、ヨシュアに微笑みかけた。

「大丈夫だよ。私、丈夫だから。ほら、約束の・・・・・・宝石だよ」

フィオラはヨシュアに宝石―エメラルド―を差し出した。エメラルドは美しく輝い
ているし、取り戻すこともできた。しかし、目の前の状況によって、喜ぶことがで
きなかった。

「フィオラ・・・・・・」

「だぁかぁらさぁ・・・・・・そんなに私の名前を連呼しないの・・・・・・。大丈夫だって。
私、死ねないから」

「え・・・・・・?ってことは・・・・・・本気出しとらんかったんか?」

ヨシュアはフィオラから出ている血に目をやった。その色は、ヨシュアたちと同じ
黒い色をしていた。

「ハハハ・・・・・・暗黒神様には悪いけどさ。・・・・・・でも、またあえて嬉しかったよ。
少し私は眠るから、あんたたちは・・・・・・行きな、次の所に」

そういうと、フィオラは目をつぶり、静かに寝息を立てながら眠った。

「・・・・・・・・・・・」

ヨシュアはフィオラをそっと寝かすと、微笑みを一つ、ショウスバメのところに戻
った。

「ほな、つぎのアーカイブ島に行くか」

「せやな。・・・・・・『脱出(ロゥトゥ)』」

ヨシュアは、ショウスバメの移動魔法を使って遺跡から出た。そして、次なる宝石
を求め、アーカイブ島へと向かった。

・・・現在、宝石1つ―エメラルド

〜〜〜ヨシュアとショウスバメの宝石を巡る旅〜〜〜
  ・・・第二章 ∬闇の輝きを放つアメジスト∬・・・

ヨシュアとショウスバメは修行の地から、海を走りアーカイブ島へと向かってい
た。え?海なんか走れないって?ヨシュアとショウスバメは人のようで人じゃない
から走れるんだよ。そこんとこよろしくぅ!

「ショウスバメ、お前の予想ではアーカイブ島にはサーが居(お)るんやろ?」

「せやで。サーは結構できる奴やからなぁ。見つけんのは簡単やとしてもその後
が・・・・・・」

「あいつァ普段は孤独で無口で、戦いの場に出ると冷酷で素早くて・・・・・・。まさに
戦神やったよなァ」

「悪い、俺あいつと行動したこと無いからわかれへんわ」

と、話し合っているうちにアーカイブ島に着いた。ヨシュアたちは華麗に着地し
て、辺りを見回した。

アーカイブ島は殆どが平野で、草木はあまり生えておらず生物の気配もしなかっ
た。

「・・・・・・ほんまにこんなとこにサーが居るんか?」

「ヨシュア、気長に探そや」


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暗闇の中、広い部屋で一人ポツンと玉座に青年が座っていた。青年は、濃い紫色の
長髪で、切れ目で群青色の瞳をしている。東洋系の薄い動きやすそうな服を着てお
り、かなり長い(170cmはあるだろう)日本刀を左肩に立てかけていた。

「・・・・・・この感じ・・・・・・昔馴染だな・・・・・・。夜と燕・・・・・・か?なぜ、ここに来る必
要があるのだ・・・・・・?」

青年はすくっと玉座から立ち上がった。ほっそりとした長身(180cmはあるだ
ろう)の身体なのに、軽々と近くにあった―直径50cm程度の―岩を片手で軽々
放り投げ、刀を鞘から抜くやいなや、岩が粉々に切り刻まれていた。音は一切して
いない。

「・・・・・・彼らはなぜここへ・・・・・・何の為にここへ・・・・・・?まぁいい、この私、『闇
の剣士』サーが居ることは知るまい・・・・・・」

そういうと玉座に座り、また刀を左肩に立てかけた。

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ヨシュアとショウスバメは大して広くない島を、完全に探しつくした。しかしサー
は居ない。というか、ゴキタン一匹いない。

「なんやねん!何所にもおらんやんけ!!ほんまにおるんか!?」

「でもヨシュア、リフアたちココに居(お)るってゆっとったしなァ・・・・・・」

「ってか・・・・・・日ィ暮れてきとるやんけ・・・・・・」

ヨシュアの言うとおり、もう日が沈みかけていたため、あたりは暗くなってきてい
た。完全に日が暮れると、空には綺麗な満月が昇っていた。

「ここって、星とか綺麗に見れるのな」

「俺天体好きやから、こういうのえぇわー」

「ショウスバメ、日食とかコロナ見たいって言ってるしな」

ヨシュアたちが寝転がって星を見ていると、月がひときわ強く輝き出した。アーカ
イブ島を照らすその月光は、島全体に紫色の霧を発生させた。

「な、なんや?もや・・・・・・?いや、霧か。なんでこんなんが出んねん」

「なぁ、ショウスバメ。あっちのほう、なんか霧がもの凄ォ濃ォないか?」

ヨシュアが指差した場所は、他の部分よりも一段と濃い霧がかかっていた。
怪しげに思った二人は、その場所へと向かった。そこの地面を調べてみると、ドラ
ゴンクエストよろしく隠し階段が見つかった。(テッテッテッテッテッテ〜ン(効
果音))

二人は階段を降り、地下室へと向かった。視界は暗く、階段降りるコツコツという
音が響き渡る、狭い石でできた地下への長い道。ヨシュアとショウスバメはそれを
降りきると、かなり広い部屋に出た。部屋の向こうには玉座があり、やはりサーは
それに座って左肩に刀を立てかけていた。


「・・・・・・サー、久しぶりやのォ」

「・・・・・・夜・・・・・・か・・・・・・。久しいな」

サーは立ち上がり、ヨシュアに近づいた。ショウスバメは構えようとしたが、殺気
が無かった為構えるのを止めた。
サーはヨシュアの前に来ると口元に微笑を浮かべた。ヨシュアもそれに返すように
ニッと笑った。(ショウスバメはフルートを構える)

その瞬間―それはまさに一瞬だった―。

いきなり二人ともバック宙をしたかと思うと、二人とも剣を抜き払い、目にも止ま
らぬ速さで太刀筋を交えていた。いつの間にかヨシュアは魔性の形態になってお
り、サーのほうはその異様に長い刀に邪気を纏わせていた(そのため刀身からは紫
色のオーラが放出されている)。

ショウスバメも魔性の形態になり、相手に集中しながら魔法を詠唱した。

「刃よ乱れ飛べ!『ウィンドブレイド』!!」

ショウスバメは、フィオラ戦のときに使ったいくつもの大気の刃を放つ魔法を唱え
た。それがサーに襲い掛かろうとしたまさにそのとき、サーは一瞬のうちに全ての
刃を受け流していた。

「遅い!」

サーはそう一言、ヨシュアの後ろに回りこみ、峰打ちを浴びせた。ヨシュアはそれ
を軸をずらしてダメージを最小限に抑えようとした。が、間髪いれずに次の攻撃が
ヨシュアの脇腹へと放たれていた。
ドスッという音と共にヨシュアは吹き飛び、地面に叩きつけられた。受身は取った
ものの、下はコンクリート。ダメージは少なくは無い。

「くっ・・・・・・。サー、蹴りを使ったな・・・・・・?」

「その通り。・・・・・・流紗雨(りゅうさざめ)・・・・・・」

ヨシュアが体勢を立て直したときは既に遅く、サーはもう目の前にいた。
サーのその長い刀による突きが、幾度もヨシュアに浴びせられる。
ヨシュアはその突きをいなす暇すら与えられなかった。見えない速さで体を突かれ
る。ダメージこそ大きくは無いが、何度もやられるとやはりキツイ。

「灼熱の業火よ、相手に降り注げ!『核火球爆砕(エクスプローションノヴ
ァ)』!!」

サーの真上に物凄く強大な炎の玉が出現し、一気にサーを襲った。攻撃に気を配っ
ていたため、避けようとしたが完全に避けきれず魔法を八割ぐらい喰らってしまっ
た。

そのひるんだ隙を狙い、ショウスバメがまたしても呪文を唱える。

「天侯みつる所に我はあり、黄泉の門開く所に汝あり―」

ヨシュアは詠唱を聞いた瞬間、邪神の魔剣を巨大化させ、上に飛び上がった。

「ショウスバメ!アレや!!」

「―出でよ!神の雷!!・・・・・・さぁ、力の違いを見せてやる」

「合体魔法!」

ヨシュアの巨大化した魔剣が電撃を帯びてサーに突き刺さる。突き刺さった地面に
は巨大な魔方陣が浮き上がった。

「「インディグネイト・ジャッジメント″!!」」

二人が同時に呪文を唱えると、巨大化した魔剣に雷が落ちた。それは自然現象で起
こる雷よりももっと恐ろしく、強大な威力のものだった。

「ガアアアアァァァァァアアアアアアッ!!!!」

サーは攻撃を受けた瞬間、大地が揺らぐほどの大声で叫んだ。だが、あれだけの攻
撃を受けたにもかかわらず、刀を杖にしてまだ立っている。

「ちぃっ!しぶとい奴や!!」

「くっ・・・・・・。ふっ、中々楽しませてくれる・・・・・・」

とたんにサーはまたしても見えぬ速さで動き、ヨシュアに攻撃を仕掛けた。

「受けてみよ!私があみだした奥義を!!」

サーはヨシュアの周りに五人に分身して現れた。実際は残像なのだが、本物と区別
がつかないほどはっきりしている残像だった。

「はっ!そう来んとなァ!!俺も秘奥義で挑んだるわ!!」

ヨシュアが言うと、魔剣は光りだした。魔剣だけでなく、ヨシュア自身も強く輝い
た。

五人のサーは剣先をヨシュアに向ける。

「奥義!『飛天滅龍閃』!!!」

サーが一度にヨシュアを突こうとした、そのとき

「俺は負けるかぁっ!!!秘奥義!『極光剣』!!!」

その瞬間、ヨシュアは目も開けられないほど眩しく輝いた。何が起こったかわから
ない。だが、サーが負けたことは事実である。

光がおさまったとき、サーは地面に伏し、ヨシュアが立っていた。

「ヨシュア・・・・・・勝ったんやな?」

「あァ、こいつァ『インディグネイト・ジャッジメント』を喰らっても立ってたか
らな。正直焦ったわ。ん?」

するとヨシュアは足元に紫色の宝石を見つけた。

「ヨシュア、それって・・・・・・」

「あぁ、間違いないな。アメジストや」

「つーことは、これで二つ目やな。んじゃあ、悲しみの荒野に行くか」

「せやな。・・・・・・待ってろよ、『血の旋律』クロウ!!」

・・・現在、宝石2つ―エメラルド、アメジスト

【登場人物追加】
サー(♂)…孤独を好む無口な剣士。濃い紫の長髪で細目、身体もほっそりしている
が、岩を軽々持ち上げる腕力と物凄い速さで動く脚力を持っている。
身体に邪気を纏っている為、『闇の剣士』という字がついた。


(ピカ姫様の側近マリモさん作)

マリモ
「えっと、・・この書類は・・ここにおいてっと・・」
側近のマリモが部屋で書類の片付けをしていると・・ドアを叩く音がした
マリモ
「誰だ?」
マリモの部下
「マリモ殿、お届け物が届いております!」
マリモ
「そうか!なら、オレの机に置いておいてくれ!」
マリモの部下
「かしこまりました!・・・では、置いておきます!それでは失礼します!」
マリモの部下は荷物を机に置くとその場を後にした・・
マリモ
「さてと、荷物とはなんだろう・・・それより誰が送ってきたんだ?」
マリモは荷物のあて先をみると少し懐かしい住所が書いてあった・・・
マリモ
「実家からか・・・ん?でもオレは何も困ってないぞ!」
そう、マリモの実家はジパング地方の少し西側の地域出身なのだ!しかし、マリモ
はどっちかというと出世した身分なので金品や生活には困ってないのだ!そんな自
分に実家から荷物が届くということは少しおかしい所があった・・・
マリモ
「まぁ、中身が気になるからみてみるか!」
マリモは丁寧に包装紙を取り、箱を開けると・・・・なんとその中には宝石のよう
だが中には炎が燃える不思議なものだった・・・
マリモ
「はぁ!?なんでジパングの宝石が入ってるんだ?」
そう、その宝石はジパングの宝石という超貴重な宝物だった・・・
マリモ
「たしかに、うちの家系は先祖代々これを守る宿命のある家系だけど・・・オレが
こっちに来るということで、この任務は弟が引き継いだはず・・・ん?手紙があ
る・・」
いろいろと考えているマリモは箱の下に手紙が入っていることに気付いた。
その手紙にはこう書かれていた
『兄さん、最近ジパングに嵐や盗掘者等が表れるようになった。しかもこの宝石の
隠し場所まで見つかってしまった。オレもなんとかしようとしたけど・・・ジパン
グに隠していたらいずれ見つかってしまうと思ったから兄さんのいるFTT城に送り
ます。弟のワガママを許してくれ!そしてこの秘宝を守ってくれ!』
マリモ
「あのヤロウ!勝手なことしやがって!ジパングの宝は秘宝だってわかってるんだ
ろ!いくらこの続きに書いてある残りの秘法のありかや集めた時の対処法は知って
いるけど・・・オレに押しつれるなんて・・・まぁ、弟はここまで頑張ったん
だ・・後はオレが・・・ん!そういえばヨシュアが宝とかなんとか言ってるって教
育長が教えてくれたな・・・よし、ヨシュアたちを追いかけよう!」
こうして側近マリモは故郷の秘宝ジパングの宝を持ってヨシュアたちを追いかける
のだった・・・

ジパングの秘宝
燃える炎を閉じ込めたジパング最大の秘宝
代々マリモの家系が守ってきた・・・しかしジパングに嵐や盗掘者などが出没するよう
になったために、マリモの弟がFTT城にいたマリモに送ってきた。
しかし、この秘宝はこの6つの宝石編に深く関係する秘宝中の秘宝だったりする
この秘宝の使い方はマリモの家系のものしか知らないし扱うことが出来ない・・

(リフア(元シーアイス) さん作)

リフアは考えている間、歩き続けた。と同時に変わった音に気がついた。

リフア「何だ?今まで感じたことがない音、これはまさか、敵が近づいてるのか?」

そのとき、彼の後ろから男が現れた。体系は普通だが、手からは不思議な力強さを感じら
れる青年だった。
リフアは振り向くと同時に、剣を抜いた。

リフア「何者だ!」

?「フフフ、僕の反応に気がつくとは君、ただの少年じゃないね。少しは楽しませてくれ
るだろう。僕は血の旋律クロウと言う、君は宝石を取り返しに来たね」

クロウと名乗った男はニヤッと笑った。

リフア「クロウとやら、一つ聞かせていただく。お前達は何のために宝石を盗んだ?」

クロウ「そんなことを君に教えますかねえ?」

すると、クロウも剣を抜いた。

リフア「答えないのなら、私はお前を殺し、宝石を奪い返す!」

クロウ「君が?クク、君に僕は倒せないでしょう。君が誰だかは知らないが、これで君に
勝ち目はない!」

クロウは剣を振り上げ、地面に突き刺すと、リフアが歩いてきた方向に見える岩壁が無く
なった!今周りにあるのははてしない砂漠だった。

クロウ「これで君は逃げられなくなった、どうやっても。君の仲間がこの、うらめしき砂
漠に入ることはできない!」

リフア「クッ、なるほど、確かに私は彼らの力を借りることは出来なくなった。だが、一
人でお前を倒すさ!」

クロウ「出来るかな?君に」

リフア「やってみるさ!」

二人は剣を構え、攻撃をしかけた!二人の太刀は目に見えないほど早かった。

クロウ「ほう、少しは心得があるみたいだな」

リフア「なめるな!」

二人は激しい暑さの中、少しも剣を休めることなく振り続けた。

クロウ「その太刀、間違いなく君はフリッド王国の使者だね。だから首にラウンがかけて
あるのか」

リフアは無言で彼を攻撃した。

クロウ「スキありだな!」

クロウがリフアのスキをついて、彼の腕に切り傷を負わせた。

リフア「グッ!」

リフアは痛がったが、次の瞬間、それを待っていたかのような表情を作ると、クロウの体に思い
っきり剣を刺した。黒く、邪悪な血が砂の上に飛び散った。

クロウ「ぐわあああああああああああああ」

彼は叫び、よろめきながら去っていった。

クロウ「このままじゃ終わらないぞ。まだまだだ!」

リフアは追おうとしたが、次の瞬間には、リフアの周りははてしない砂漠以外何もなかった。

リフアは巨大な砂漠の中で、ポツンと立っていた。

リフア「(奴は宝石を盗んだ犯人だろうが、他にもいるかもしれない。いったい、あと何
人いるんだろう。奴はだいたい、幹部ってところだろうな)」

リフアはさっきの敵について考えていると、急に腕に激痛が走った!彼は砂に片膝を着いた。

リフア「毒だ!さっき斬られたときに・・・・・・奴の剣に毒が塗ってあったんだ!」

リフアは慌てて腕の傷を、消毒薬を塗った剣で開いて血を流した。腕にさらに激痛が走ったが、
今はそれどころではなかった。

リフア「毒血のだいたいは出た、これで命に別状はないだろう。だが、少し歩きにくくなるだろ
うな」

リフアはなんとか立ち上がった。

リフア「肉を斬らせて骨を断つ戦法だったが、お互いに骨をやられたな。とはいえ、奴の
傷も大きいだろう。しばらくは追ってこないはずだ」

リフアは砂漠を歩き始めた。歩いているうちに毒が体にまわってきたが、気にしてる場合ではな
い。死ぬほどじゃないが異常な辛さだった。

リフア「意識もだんだんなくなってきた。本当に、大丈夫だろうか?」

あっという間に日は暮れ、辺りは不気味な静けさが漂っていた。

リフア「仕方ない、この辺りで夕食にしよう。非常食をたくさん持ってきているし」

彼はゆっくりと腰を下ろすと、薪に火を灯し、干し肉とチーズと、解毒草をはさんだサン
ドイッチを食べた。

リフア「これで少し楽になるだろう。今夜は、早めに寝ておくか」

リフアは自分の毛布にくるまり、夜明けを待った。


一方、ヨシュアとショウスバメはまだ海を駆けていた。

ヨシュア「急ぐで、もしクロウにリフアが出会っていたら危険や、奴がリフアに会ってい
ないうちに奴を探しだし、倒さんと」

ショウスバメ「分かっている。(リフア、悲しみの荒野に居るのか?いたらどうか無事で
いてくれ!)」

二人は走る速度を速めた。遠い砂漠の上で、一人の少年が倒れたことも知らずに。

(夜狩亞さん作)

〜〜〜宝石編∬ルビー∬続き〜〜〜

海の上を二人の青年が走っていた。

「ショウスバメェ!!リフアの気が小そォなった!!」

一人の、黒ずくめで体のガタイ青年がフルートを持った青年に言った。

「うん!俺にもわかる!!俺に捕まって!!」

そういうとショウスバメと呼ばれた青年はフルートを走りながら吹き始めた。ヨシ
ュアという青年は、それを合図にショウスバメにつかまる。

「〜〜〜〜〜〜♪〜〜〜♪〜〜〜♪……『瞬間移動(テレポーテーショ
ン)』!!」

ショウスバメがそう唱えると、ショウスバメとヨシュアは海の上からヒュバッと消
えてしまった。

----------------------------------------------------------

ショウスバメとヨシュアがついたのは、とてつもなく広い砂漠だった。ショウスバ
メは、地面につくとヨシュアを降ろして辺りを見回した。ヨシュアのほうも、ショ
ウスバメと反対の方を見回した。

と、ヨシュアが数十メートル先に何かの影を発見したみたいで、ヨシュアとショウ
スバメはそこに向かって走った。二人は嫌な予感がしたため、急いで走った。

そこで見つけたのは、傷を負って、毛布に包まりうつぶせに倒れているリフアだっ
た。

「リ、リフア!!おい!大丈夫か!?ショウスバメ!これはクロウの毒や!!」

「わかってる!!……彼の者の体から汚れしもの、全てを取り除け、『回復精神
(ヒアリングソウル)』!……彼の者の毒を消し去りたまえ、『毒素消去(アンチ
ストラル・ポゼッション)』!!」

ショウスバメが魔法を唱えると、リフアは水色に光輝いた。光が消えたかと思う
と、リフアは目をあけて、スクッと立ち上がった。

「よぅ、気ィついたか?」

「ヨ、ヨシュアさん!?なぜここに!?宝石はどうしたんですか!?もしかして僕
の声が届かなかったとか……?」

「いやいや、ちゃうって。ほら、宝石はここにちゃんとあるやないかい。お前の声
は、しっかり聞こえたで」

ヨシュアは考えるリフアを前に、苦笑して答えた。そして、何所からか二つの宝石
『エメラルド』と『アメジスト』を取り出し、リフアに見せてやった。

「俺たちはもう、取り終わったんですよ。だから、クロウが居ると思うここにきた
んですけ―」

「おいおい、リフアがクロウを知っとるわけ―」

「二人とも、クロウを知っているのですか!?」

「って知ってるー!?」

リフアの思わぬ発言に、二人―特にヨシュア―は目を見開いた。驚きを隠そうと、
冷静さを保ってヨシュアは話し続ける。

「あいつ……名乗ったんやな、珍しい。……ショウスバメのカンでは、クロウがル
ビーを持っとるらしいんや。リフア、クロウと何所でであった?」

リフアは眉根にしわを寄せる。

「先ほど……ここでやりあったんですよ……。僕は彼に傷を負わせてやりました」

「リフア、クロウはどういう感じやった?邪気……魔性の気は感じたか?」

「え?いえ……そのようなものは……」

ヨシュアはチッと舌打ちし、ショウスバメの方を見た。ショウスバメは眉根にしわ
を寄せ、ギリギリと歯を軋ませている。先に、ショウスバメが口を開いた。

「どうやら……あいつはまだ本気じゃないようやなァ、ヨシュア」

ヨシュアはため息をつき答える。

「せやなァ……。リフア、今回の敵はお前一人でも、俺やショウスバメの一人でも
無理や。三人がそろってかかっていかな勝たれ―」

「ちょっと待ってくださいよ。さっき言ったじゃないですか、ここでやりあったっ
て。僕一人でも勝てる敵―」

リフアの口をヨシュアが相手の目の前に人差し指を立てた状態で手を突き出し、静
止させた。ヨシュアはチッチッチッチッと舌打ちし、答える。

「お前の強さを否定しとる訳とちゃうわ。お前は強い、そらァ認める。せやけど
な、アイツ……『血の旋律』クロウは、ヤバイ」

リフアは驚いた顔を一瞬させて、答えた。

「な……何がどういう風にですか!?」

「……俺の血族は、代々長男が一番強い血を引くんや」

突然、ヨシュアは自分の血族について語り始めた。

「それがどうしたって……」

「お前……俺が長男やとおもっとったら大間違いやで。俺ァ、次男や。この力も、
技も、全ては俺の努力の結晶や。他の俺の血族の長男は俺と同じぐらいかそれ以下
の能力やけど、俺の家だけ違った。……親父が邪神、母親が神竜なんや……」

「だから、それがどうしたって……!? まさか……クロウは……?」

「せや、俺の兄やねん。あれは竜王や。今は兄とちゃうけどな」

「……どうして……ですか……?」

「詳しいことはショウスバメに聞け。俺ァ、アイツがショウスバメの一族を滅ぼし
たのしか知らんわ」

「えっ……?」

リフアは、ヨシュアの言葉に驚き、ショウスバメの方を向いた。ショウスバメはフ
ッとため息をつき、話し始めた。

「あいつァ……俺の……姉ェの恋人やってん。せやねんけどな、姉ェがなんか、裏
切ったらしくて……。それで、俺の一族を全て、絶やしたんや……」

ふと、リフアは話の矛盾点に気づいた。

「ちょっと待ってくれないかな。全員殺したのなら……君は居ないはずじゃないの
か?」

「俺ァそのとき、母親に魔王のところに預けられてん。せやからこうして生きとる
わけや。……話もどすで。クロウはその時、瞳と髪の毛が真紅の色に染まって、ヨ
シュアと違う髪の色になってるんや」

リフアは、話を聞き終わるとうつむいて暗い顔をした。刹那の静けさの後、ヨシュ
アが口を開いた。

「まぁ、そういうエピソードがショウスバメにはあるねん。せやから……トドメは
ショウスバメにさしたってくれへんか?」

リフアは、少し考え込んだ。

「別に……俺はクロウをあぁいう風にした暗黒神を倒せればいいんだけどね。一族
の……敵討ちとしてできればやらせてもらえないかな……?」

「……考えておきます……」

「すいません。宜しく頼みます。」

ショウスバメはそういうと、フルートで『私の愛しき者』を吹き始めた。リフア
は、その曲を少し聴いて後、自分で歌詞―英語だが―を作り歌い始めた。

「I loved only you. I loved only one.
But a grudge of having been considered to be you will be left as a wound
 of my heart throughout the life.

 Though I loved only you, I was betrayed.  I thought this love to be
  eternity.

Love of a moment with you is not left eternally. Because anger of a
moment to you has finished there being much it in it.

Though I loved it. I am deeper than anyone above all…….」

リフアは、曲が終わると同時に歌を終わらせた。ヨシュアはその曲をしみじみと聞
き、ショウスバメはクロウに哀れみを抱いた。

---------------------------------------------------------

「くっ……この僕が傷を負うなんてね……。『治療(ヒーリング)』」

暗闇の中、クロウは切られ、黒い血が流れる腕を治した。

「ま、あんな程度じゃこの僕は倒せないけどね……。そういえば……あいつの剣、
青龍刀……だったな。あいつにはもったいないぐらいの名刀をなぜあんなやつが持
ってるんだ……?まぁいい、この神竜剣より強い竜剣はないからね……」

そういうとクロウは背中にかけた鞘から光り輝いている、幅広い剣を取り出した。

「ククク……。彼にはこれを使わなかったけど、これを使った際には……。どんな
結果になるか想像できるネェ……」

クロウは剣を元に戻し、再び歩き出した。

「ククククク……。リフア……だったかな。一瞬で地獄に送ってやるよ……。それ
まで、楽しみに待ってることだね。アッハッハッハッハッハ!!」

(リフア(元シーアイス)さん作)

ショウスバメ「やっぱり、お前の歌はええな」

ヨシュアもうなずいた。

ヨシュア「そう言えば、お前が歌うのは詞がないやつやなかったか?」

ヨシュアは気がつき、聞いた。

リフア「まあ、どっちも好きですよ。どっちだって関係ありません。歌は歌です」

リフアはそう答えた。

ヨシュア「ってゆうかお前、英語話せるんか?っちゅうか発音メチャうまいやんけ!」

リフア「そうですか?ありがとうございます」

リフアは少し顔を赤くし、頭をかいた。

ショウスバメ「不思議なやっちゃなあ、お前は」

リフアは二人がうなずくのを見て、あんたらが言うなと顔をした。

リフア「まあ、とにかく今は食べましょう。食料は3人で食べてもまだ一日分ありますか
ら。僕はさっき食べましたが、やはり僕も腹ぺこですし」

リフアは干し生ハムや切ったフランスパン、チーズ、食用葉っぱ、サラミ、バター、ベリ
ー類、蜂蜜を取り出した。ショウスバメは唖然とし、ヨシュアは口をポカンと開けて見て
いた。

リフア「甘いサンドイッチやしょっぱいサンドイッチも作れますから、たくさん食べてく
ださいね。バッグにはまだいっぱいありますから」

二人はヨダレが出そうになった。

ショウスバメ「手品か?」

ショウスバメはまだ目の前の光景が信じられなかった。

ヨシュア「まあ、食うか。腹減ってるしな俺らも。必死で海を駆けてきたからな」

今度はリフアが口をポカンと開けた。
3人は、たき火をしながらサンドイッチを食べた。

ショウスバメ「美味い!しかしそれにしても夜の砂漠は寒いなあ」

リフア「薪を持ってきてよかったですよ。本当に」

ヨシュア「せやけど、こういう所でこういうモン食ってると、宴会のようやなあ」

二人もうなずいた。
食べながら、彼らは互いに経験したことを話し合った。それはこの旅のことではなく、今
までの事や、戦争に行ったこと。そんなことを話し合った。リフアはこんなに人と話すこ
とが今まで少なかったので、友というのを改めて実感した。

ヨシュア「いやあ、食った食った。うまかったで」

そう言ったあと、雰囲気を壊すような地響きが鳴り渡った!

リフア「何だ!?」

ショウスバメ「まさかとは思うが・・・・・・」

ヨシュア「奴が現れたようやな」

地響きが鳴り終わると、3人の前にクロウが現れた。

クロウ「おやおや、今日は不思議な奴らとよく会うな。なあ親友、そして弟よ」

クロウは久しぶりの奴を見かけたのに、表情に変化は見られなかった。

ヨシュア「久しぶりやなあ、クロウ」

クロウ「そうか、ショウスバメ、お前のテレポーテーションでここに入ってきたんだな」

クロウは舌打ちすると、3人は剣を構えた。

クロウ「リフア、さっきはよくもやってくれましたね。小僧の分際で!」

クロウは神竜剣を振り上げ、リフアに斬りかかった。リフアはひょいと跳ぶと、攻撃を避
け、クロウの後ろに降りた。

クロウ「どうやら毒は治したようですね」

リフア「3対1だ!今回はお前を倒す!」

ヨシュアがリフアの前へ出た。二人は視線を交わし、うなずいた。

ヨシュア「お前の相手は他にもいるで、兄さんよお!これでも喰らえ!」

ヨシュアはクロウに剣で攻撃した。と同時に、ショウスバメとリフアが、背後からクロウを斬り
つけた。クロウは背中に軽傷を負い、口を開けた。

クロウ「クッ、こざかしいマネを!」

ショウスバメ「俺らもいることを忘れんな」

リフア「我々のチームプレイに勝てるかな?」

2人がからかうように言った。3人はそれぞれ、奇襲をかけるのと囮になるのとでわかれ、攻撃
を続けた。クロウの傷は多くなった。

クロウ「これで・・・・・これで終わると思うな!」

そう言うとクロウは魔性の形態となり、剣を振り上げた。

ヨシュア「あかん、あれが来るで!」

ショウスバメ「なんやて?気をつけろリフア!あれは・・・・・・・・」

クロウ「破龍炎光!」

ショウスバメが話し終える前に、クロウは剣から邪悪な炎を出し、3人を攻撃した!

クロウの技に、3人とも重症を負ってしまった!特にダメージがひどかったのは、ショウスバメ
だった。

ヨシュア「ショウスバメ!」

リフア「ショウスバメさん!」

二人は心配して、ショウスバメに駆け寄った。

ショウスバメ「う、ああ、大丈夫や。たいしたことないわこんなもん・・・・・」

ショウスバメは立ち上がると、無理に体を動かし、平気なそぶりを見せた。ショウスバメとヨシ
ュアも魔性の形態となり、クロウをにらんだ。

クロウ「ハハハハ、効いたようだなショウスバメ!さて、俺の標的はリフア!貴様のみだ!貴様
のような虫けらがまだ生きていると、腹が立つんだよ!」

すると、クロウはリフアに「竜神邪炎!」と言い、攻撃をした。リフアは避けながら、わざと二
人から離れた。二人を危険な目にあわせないために。

ヨシュア「リフア!危険や!戻ってこい!」

ヨシュアはリフアは戻そうとしたが、次の瞬間はっとした。リフアは二人の方を向き、片目で瞬
きをした。

ヨシュア「なるほど、そういうことやな」

ヨシュアはニヤッと笑った。

ショウスバメ「成長・・・・しとるな。あいつも」

ショウスバメが立ち上がると、二人はクロウに向かっていった。クロウがリフアを狙っているス
キをつこうとしたが、クロウは気づいていた!

クロウ「龍神邪炎!」

クロウは攻撃を放った。当たったのは、ヨシュアだった。ヨシュアは激しく叫ぶと、近くの砂丘
まで飛ばされた!

リフア「ヨシュアさん!」

ショウスバメ「ヨシュア!」

ショウスバメは激怒し、クロウを睨みつけた。

ショウスバメ「貴様よくも!」

ショウスバメは怒りにまかせ、クロウに斬りかかった。

リフア「待ってください!ショウスバメさん!」

リフアが呼び止めるように言った。

しかし、ショウスバメは全く聞いていなかった。クロウは、ショウスバメの攻撃を全て受け流し
た。

クロウ「どうしたのかな?そんなんじゃ俺は死なないぞ、ショウスバメ」

ショウスバメ「何言ってんねん」

ショウスバメはニヤっと笑った。

ショウスバメ「いくら魔性形態の俺でも、こんな重症だったらお前に勝てるわけないやろ
が。今の状態だったら俺は回復できるが、その間に俺がトドメを刺されるわ!そんな俺に
出来ることと言えば、これしかないやろ!」

ショウスバメはポケットから、手の大きさほどの爆弾を出した。

クロウ「何を!?まさか・・・・・・止めろ!」

クロウが叫んだが、もう遅い。爆弾は激しく爆発した。

リフア「ショウスバメさん!」

ショウスバメの返事は無かった。

リフアはショウスバメの名前を必死に呼んだ。

リフア「ショウスバメさん!ショウスバメさん!」

ショウスバメは全く動かない。

リフアは、ショウスバメがまだ死ぬはずはないと思っていたので、彼が回復するのを待ち、その
間、自分が囮になろうと思った。しかし、彼の頭の中でエメラルドの説明が浮かび上がり、それ
は無駄だと分かった。

草原の、豊かな草の色を持つエメラルドは、炎の色のルビー、もしくは水の色のサファイアが闇
に染まりし時、持つ者の回復を邪魔する。風を操る力あり・・・・・・

リフアは一人で戦わなくてはならないことが分かると、不安にはなったが、それでもクロウに斬
りかかった。

クロウ「邪魔者はいなくなったな、これで、貴様を倒せる・・・・・・・・」

リフア「倒されるのは貴様のほうさ」

リフアは激しく攻撃し、普段の何倍もの速さで剣を振った。
やがて、互いに疲れてくると、必殺技の構えをした。

リフア「大地の力よ、今こそその力を解き放つ時!死の千手さばき!」

すると、リフアの体に何本もの手があるように見えた。

クロウ「バーンヘルブラスト!」

クロウは、口から火の固まりを出した。二人は必殺技を止めずに、お互いに傷を負った。

リフア「トドメだ!」

リフアはクロウに斬りかかった。

リフア「白竜の怒り!」

リフアは力を込めて、白き気の固まりを、クロウにぶつけた。

クロウ「ぐわああああああああああ」

クロウの叫びは、もはやこの世のものとは思えないくらいだった。少しよろめくと、体勢を立て
直し、言った。

クロウ「おのれ、少年がこの俺によくも!」

リフアは、まだ生きているのかと言いたげな表情を作り、斬りかかろうとした。

クロウ「貴様はこれで終わりだ!破壊の拳、バーンクロード!」

クロウの一撃は、目にも止まらぬ速さでリフアの太刀を避け、腹に直撃した!

リフア「ぐわああああああああああああ」

リフアは守ることすら出来ず、思いっ切り吹っ飛ばされた。クロウはよろけたまま笑った。

クロウ「ふははははは、俺に逆らうからだ!俺に一撃を加えたのが運の尽きだったな」

リフアはもはや、立ち上がる元気すらなかった。意識も遠くなっていった。

リフア「(駄目だ、もう戦える元気は残っていない。もうおしまいだ)」

彼が希望を失い、意識がなくなった、そのとき、ショウスバメがゆっくりと立ち上がった。

クロウ「ばかな!ショウスバメ!まだ生きていたのか!?」

クロウは信じられなく、目の前の光景を見ていた。

ショウスバメ「俺も・・・・・簡単には死なんわ!」

ショウスバメは、今にも消えそうな声で言うと、フルートを弾き始めた。と同時に、リフアが立
ち上がった。

クロウ「なっ!何がどうなっている!!?」

リフア「これは・・・・・・・体に・・・・力が・・・・・・」

リフアは体に力が満ちてくるのを感じた。

ショウスバメ「リフア、お前にありったけの力を与える。お前と俺の力で、奴を倒すぞ!」

リフアがうなずくと、彼の左手に剣が現れた!見事で素晴らしい剣で、どんなものでも切
ってしまいそうだった。

リフア「これは・・・・・・・・・」

リフアは思い出したような顔をすると、希望に満ちた顔でクロウを向いた。

ショウスバメ「行け!リフア!お前のど根性見せたれ!」

クロウ「何故だ?何故ありえないことが次々と・・・・・・」

リフア「それは、お前は一人で戦っているからだろうな。二本の聖剣よ、我に力を!」

リフアはクロウに剣先を向けた。二本の聖剣が、待ってましたと言うように光り始めた。

リフア「光雷牙!」

リフアが技の名前を言うと、二本の剣から光が発射された!光はみるみる竜の形をつくり、クロ
ウの体に直撃した!

クロウ「ぐあああああああああああああああああああ」

クロウは叫び声をあげ、だんだんと力をなくしていった。

クロウ「グッ・・・・・・・・・わ・・・・・・・・悪かったな・・・・・・・・・・・
リフア・・・・・・・そして・・・・ヨシュ・・・アに・・ショウ・・・スバ・・・・・
メ・・・・・」

クロウは、まるで悪い術から開放されたかのように、笑みを浮かべた。やがて、クロウの姿は消
え去り、そこには赤く輝くルビーがあった。

リフアがルビーを取ると同時に、夜が明けた。ショウスバメとヨシュアが、砂を蹴って駆
け寄ってきた。

ヨシュア「ようやったなリフア、お前強うなったなあ!」

ショウスバメ「ほんまや、びっくりしたで」

二人は友愛のしるしをこめてリフアを軽くたたいた。

リフア「3人で力を合わせたからですよ」

彼らの顔はとても輝いていた。新しく手に入れたルビーのように・・・・・・。

リフア「・・・・ってあれ?二人とも元気ですね」

リフアは不思議なことに気がついた。

ヨシュア「ほんまや、ピンピンしとる!」

ショウスバメ「何でやろ?どこも痛くないで!あちこち泥だらけやけど」

リフア「うーーーーーん。あ!!」

リフアは頭の中に浮かんだルビーについての説明が浮かんだ。それをリフアは、声に出し
て言った。
血の色を持つ宝石ルビーは、持った者の血のめぐりを良くし、力を与える宝石なり。エメ
ラルドとサファイアと共鳴す・・・・・・・・・・・・

言い終わると、二人の青年は納得した。

ヨシュア「だからやなあ」

ショウスバメ「それでか、不思議やなあ同盟を結ぶ宝石は」

ショウスバメは別の疑問に気がついた。

ショウスバメ「そう言えばさっきの剣はいったい、なんやろ?」

リフア「これは、フリッド王国に伝わる話の中の剣だと思います」

二人は首をかしげた。リフアは目を閉じて言った。

リフア「父に教わったのです。その剣は、フリッド王国の者が同盟国の者と一緒に、「強
敵を倒したい!」と望むと現れるそうなんです。ですから、これがそうではないかと」

二人は難しそうな顔をした。そんなことがありえるのだろうか?

ヨシュア「それで、その剣の名前は何ていうんや?」

リフア「決まってないんですよ。どうやら出現させた人が決めるらしいんです」

ショウスバメ「そやったらお前が決めたらええやないか!」

リフアは口をポカンと開けてショウスバメを見た。

ヨシュア「そうやな、それがええわ」

ヨシュアも同意した。そこまで言われたら仕方がないので、リフアは考えた。考えた末
に、一つの名前が思い浮かんだ。

リフア「ヒーサ!同盟の印、ヒーサだ!」

次の瞬間、ヒーサが光ったかと思うと、周りは静かな荒野になった。

ヨシュア・ショウスバメ「あれ!?」

二人はいきなりの変化に驚いた。

リフア「ここは、元々悲しみの荒野です。さっきまで僕らがいた「うらめしの砂漠」は涙
の円海のなかにあるサファイアの力で作られたものだったのです」

二人はあっけにとられているが、それでもなんとか状況を飲み込もうとしている。する
と、リフアは竜の姿となった。

リフア「さあ行きましょう。3人で、涙の円海に!」

ヨシュア「せやな。急ぐか!」

ショウスバメ「力を合わせればなんとかなるやろ。3人でな」

二人はリフアに乗ると、リフアは歌いながら空を飛んだ。次の目的地へ


フォエクトキーV編・・・「危険をさっちするオパール」

フォエクトキーVが、嵐の大陸に来てから一日が経った。彼はその大陸にある「イヤイヤ
の街」のベンチに腰を下ろしていた。予想通り、周りの建物はほとんど破壊されていて、
なんとか住めそうな場所というのは少なかった。彼は最初来たとき、その辺りにいる不良
やチンピラ、ゴロツキ等から何度もからまれたが、からんだ者は誰一人として無事で帰れ
なかった。彼は、その辺の悪者にやられるほど非力ではなかった。むしろ、ヤクザを相手
にしても、かすり傷一つつけられないだろう。今では彼にからむ、命知らずの奴は誰一人
としていない。

(所詮は口だけの者か)

一時間ごとにそう思った。彼はベンチから立ち上がると、再び歩き続けた。歩きながら、
壊れた建物を見た。

「昔はここは、とてもきれいな王国で、人がたくさん住んでいたんだろうな」

彼は悲しそうな目でつぶやいた。

「私も、ここに来たかったな。みんな、明るく迎えただろう」
彼は今度、FTT城の人に自己紹介するとき、いろいろと聞こうと思った。ふと気がつく
と、右にある、壊れた二つの建物の間に、人が一人通れる道のようなものがあった。

(何だ?これは・・・・・)

足元に、まだ新しい足跡が見える。どうやら、この先に人が住んでいるらしい。

(行ってみる価値はありそうだな・・・・・・・宝石のことを誰かが知っているかもしれ
ない)

彼はうすぐらい道を歩くことにした。歩いてから二十秒位経つと、前に背の高い草が生い
茂っていた。草の前には、変な看板があった。その字はまるで、ここへ来た者を脅し、無
理やり追い返すようなことが書いてあった。

『刺しの草、危険、入るべからず!』

行き止まりかと思ったが、前にある草が踏み倒された形跡があったので、この先に何かが
あるのだと分かった。

(こんな道を通るなんて、まるで何かから隠れているみたいだな)

そう思いながら、彼はその先を行くことにした。草の先で、何度も顔に傷がついた。だ
が、そんなことを気にしている場合ではない。これから、更なる痛みと恐怖に会う気がす
るからだ。痛みをこらえながら、彼は歩き続けた。

「この先に、いったい何があると言うんだ?誰かを恐れてこんな所・・・・・・・・・・
って、うわああああああああああああああああ」

次の瞬間、彼は草の中に隠れてた深い落とし穴に落ち、そのまま意識を失った。


気がついたとき、フォエクトキーVはベッドで寝かされていた。そこは暗いが、とても暖
かい広間のようだった。彼の周りには、ボロボロの服を着た人間がいた。みんな元気が無
く、体は酷く汚れていた。

「おお、目を覚まされたぞ!」

その中の、一人の老人が叫んだ。どうやらここの長老らしい。

「う・・・ここは・・・・・・・・・・」

彼は起きあがり、辺りを見回した。

「無理をなさってはいけません。刺しの草の傷が痛むでしょう」

一人の青年が、フォエクトキーVに話しかけてきた。

「いえ、これぐらいはたいしたことはありません」

彼はそう言うと、ベッドから降りた。

「申し遅れました。私はシーアイス星にある、フリッドという名の王国の新王子、フォエ
クトキーVと申します」

周りの人々はざわざわし始めた。シーアイス星という名の星は、聞いたことがない人も中
にはいたが、それでも王子と聞けば、驚きはするだろう。

「私は、あなたがたに訪ねたいのです。よろしいですか?」

「どうぞ」

さきほど、声をあげた長老が答えた。

「では、どんなことが聞きたいですかな?」

「まず私は、あなた方は何故ここに住んでいるのか、ということが知りたいのです。こん
な、危険な草で覆われた場所に。今はゴロツキが多いから、それから守るためにでしょう
か?それならば草が刺さるくらい生長させる必要はないでしょう。あそこまで育てなくて
も十分だと思いますが。」

周りは黙り込んだ。

「今思い出しましたが、刺しの草は成長するごとに固さを増していくので、成長するにつ
れ、刺す力は強くなっていきます。あそこまで強く刺せるほど成長させておくのは、何か
他の理由があるからではないでしょうか?」

「念には念を・・・・・・・という意味です」

長老が、力のない声で答えた。だが、彼や周りの人の表情を見ると、それには他の理由が
あることが分かった。
フォエクトキーVは、めげずに続けた。

「ここに来る途中で、穴に落ちる直前に遠くの方で、かすかな物音と、足跡が聞こえたの
ですが」

それを聞くと、人々は震え上がった。もう少しだ!と彼は思った。

「それに穴の向こう側は、刺しの草が減っていたのです。まるで、何者かに食べられたか
のようにです。本当は、これ以上何者かに食べられると、街のゴロツキから見つかってし
まうので、せめて街の方の草にだけでも、急激に成長する薬品を与えて、何者かに食べら
れないくらい成長させたのでは無いでしょうか?」

彼が話し終えた後、人々は完全に黙りこくっていた。

「奴が・・・・・大型蝸牛ギューガがいなければ、こんなことはしませんでした」

長老が、力の抜けた声で言った。

「ギューガ?」

フォエクトキーVは、それは何かと言おうとしたそのとき、広間の奥の壁に巨大な蝸牛の
写真が飾ってあるのに気がついた。


フォエクトキーVは、その写真を見た瞬間、激しい恐怖を覚え、顔は真っ青になった。写
真のギューガは、口は真っ青で、口の周りには赤い血や、人の肉が少し付いていた。体の
色は、薄いオリーブの色をしていて、甲羅は薄緑と、黒っぽい茶色が混ざった色をしてい
た。彼は唾を飲み、恐怖に満ちた声で言った。

「あれが・・・・・・・あれがギューガなのですね」

「その通りです・・・・・」

長老が、かすれた声で答えた。

「私たちは元々、上にあるイヤイヤの街、いや、元裏講王国住んでいたのです」

フォエクトキーVはビックリして、長老を見た。

「それが三ヶ月前に、今のゴロツキどもにやられてこのザマです」

長老は話し続けた。人々は、悲しそうに長老を見た。

「ですが、それはまだいいほうでした。二ヶ月半前に、テュールという名の女と、デリス
という名の男が来ましてな、それぞれ宝石を持っているんです」

フォエクトキーVは目の色を変え、長老を見た。

「何ですって?宝石とは・・・・・いったい何なんですか?」

長老はフォエクトキーVの、いきなりの態度に驚き、何故宝石のことを聞くのかを不思議
に思った。長老は話した。

「テュールは通称、雷の荒拳と呼ばれておりまして、土の色を持つトパーズを持っている
と言われています。一方デリスは、虹の咆哮と呼ばれていまして、七色に輝くオパールを
持っていると言われています」

フォエクトキーVは、それを聞いた途端目を輝かせ、聞いた。

「それで、そのテュールとデリスはどこにいるのです?」

「テュールは、さっきの穴の向こう側にいます。トパーズを持って」

先ほど、フォエクトキーVに注意した青年が言った。フォエクトキーVが、すぐに荷物を
調べ、足りない物が何もないかを確認すると、すぐに行こうという目で長老を見た。だが
長老は、彼に警告した。

「無理なんですよ。何故だかは分かりませんが、向こう側へ行けないのです。ワシらの中
かから、何人かの者がギューガを倒しに行ったことがあるのですが、彼らがある程度進む
と、まるで金縛りにあったかのように動けなくなるんです」

それを聞くと、フォエクトキーVは、その場で動かなくなってしまった。まるで、本当に
金縛りにかかったように・・・・・・・・・。長老や、他の人々も悲しそうな顔をした。
それを読んだかのように、フォエクトキーVは聞いた。

「それで・・・・・・その間に・・・・・・その人達は・・・・・・食べられて・・・・
しまったのですか?」

青年は、悪い記憶を思い出したかのように、黙りこくった。かわりに、長老が悲しそうな
顔でうなずいた。フォエクトキーVは絶望に満ちた顔で、下を向いた。そして、何故金縛
りにあうのかを、必死で考えた。

(落ち着け、よく考えるんだ。金縛りについてよく考えるんだ!金縛りは、何か強い力で
ないとかけることはできないはずだ。それもよほど強い力でないとかけることはできない
はずだ。そうだ、まるで宝石の力のように・・・・・・宝石・・・・・・・・)

すると同時に、彼の頭の中で、宝石のトパーズについての説明を思い出した。
清らかな土の色を持つトパーズは、悪しき者の手に渡りしとき、その悪しき者へ近づく者
に永遠の時の終わりを与える。土からの栄養を吸収する力あり。
思い出すと、彼は再び絶望に満ちた顔で思った。

(駄目だ、無駄だ、これじゃあ行くことは出来ない。何か、邪悪な力を払うものがあれば
いいのにな)

彼の心が絶望でいっぱいになると、周りの視界が暗くなってしまった。そして、再び奥に
飾ってある、ギューガの写真が目に入った。冷酷なその姿が、まるで彼を笑ってるように
見えた。

(ふっ、笑ってくれてるな。そんな、目がどこにあるのかも分からないお前が、笑ってる
のが痛いほど分かるよ)

彼は心の中で、目がどこにあるか分からない怪物の写真に、半分ふざけた感じで語りかけ
た。

(全く、私はおかしくなったのだろうか。目の事を、こんなくだらない事を言うようにな
ってしまったなんて)

彼は苦い笑みを浮かべると、再び心を覗いた。

(私は、それほど絶望に落ちているのだろうか。全く、目なんて・・・・・・・・・・・
目なんて・・・・・・・・・・目・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)

すると、彼は目のことで、何かを思いだした。

「そうだ、これだ!目には目を!宝石には宝石だ!」

周りの人々は、あっけにとられて彼を見た。

「聞き忘れていましたね。オパールの、オパールのありかはどこなんですか?」

彼は、さっきとは違うかのような、希望に満ちた顔で聞いた。

旧裏講王国から南洋の孤島までは、ボートで行けばだいたい一日で着くと、「刺しの草の
下」の長老が教えてくれた。フォエクトキーVは今、ボートに乗って海の真ん中にポツン
といた。出かけるとき、人々は「あそこへは行くな!あの辺りの海には人食い鮫がうよう
よいるんだぞ!」と激しく言って、フォエクトキーVが行くのに反対した。

「その通りです、反対するつもりはありませんが、あの辺りには『ホオジロザメ』『オオ
メジロザメ』『イタチザメ』がうようよいるのは確かです」

長老が言った。

「世界で最も恐れられているサメのうちの三匹ですね。分かりました気をつけます」

フォエクトキーVは、冷静に言った。

さて、彼らは言い争いを続け、今では彼はこうして来ることができたのだが、彼はやはり
少し心細かった。

「この先の孤島に、何かいるな」

彼は言った。冷たい海の上だからなのか、彼は震えだした。

(全く、私はどうしてしまったのだろう。怪物ギューガの写真を見てから、心細さを感じ
て仕方がない。今までこんな旅に出たことはなかったし、考えたこともなかったからだろ
うな)

しかも、この先にいるのも、何か危険な奴なのだろうと感じていたので、震えは止まるど
ころか、むしろ激しくなっていった。途中海の中で、サメたちを襲ってきたが、彼に襲い
かかってきた瞬間、サメたちは剣で斬りつけられ、そのまま肉を必要なだけ切り取られて
しまったのだ。

「非常食にはなるだろう」

彼はそのためにサメを切っては肉を貰っていった。そんなことをくり返すうちに、彼は孤
島に着いた。彼は岸に降りると、辺りを見回した。

「ここが、南洋の孤島か。けっこう広いな」

彼はとにかく、探検してみることにした。中はまるでジャングルで、あまり遠くが見渡せ
なかった。
さっきから彼は、何かに見られてる気がして仕方がなかった。

「なんだか嫌な予感がする・・・・・・・・」

そのとき、周りにいた猛獣達が姿を現わした。彼は猛獣に、完全に囲まれてしまった。

「!!? だからさっきから見られている気がしたんだ」

次の瞬間、周りの猛獣達は一斉にフォエクトキーVに飛びかかった。

「チッ、だが私は、お前達にやられるほど弱くない!」

彼は剣を振り、必死で周りの猛獣達を斬った。だが、きりがなかった。

「ったく、いったいなんの目的で・・・・・・・・・・・」

そのとき、彼は自分の背負ってる、さっき斬ったサメの肉入りの袋を見た。

(ねらいはこれか!)

彼は、自分の荷袋を遠くへ放り投げた。猛獣達が匂いにつられ、それを追いかけに行くと、彼は
袋を投げた方向とは逆の方向へ走っていった。

フォエクトキーVは、とにかく走り続けた。猛獣が、再び帰ってくる前に。
しばらくすると、彼は走るのを止めた。もうここまで来れば、奴らはは来ないと思ったの
だろう。

(もう、安心だ。ゆっくり歩こう)

彼は、ゆっくりと歩き続けた。ジャングルの中は、不気味なほど静かで、動物の鳴き声一
つ聞こえなかった。

(不思議なところだ。ここは孤島なのに、実際はまるでジャングルのような森で、森の中
は物音一つ聞こえないなんて)

彼は不気味に思いながら歩いた。ふと気がつくと、歩いているうちに何かの音が聞こえて
きた。初めは、なんの音か彼には全く分からなかった。

(何だろう、この音は?この、何かが落ちるようで、物質がぶつかり合った音にも聞こえ
る音は・・・・・・まるで、水が落ちる音のようだ。そう、水のように・・・・・・)

彼は、音の正体は水だと思い、音の方へするほうに行ってみた。


一方、こちらは竜になった剣士を含め、三人の剣士の話である。そこは、果てしない空が
続き、その空に一匹の竜が飛んでいて、竜の上には二人の青年が見えた。リフアと、ヨシ
ュアにショウスバメだった。リフアは、長い沈黙を破って話した。

「どうやら、僕らは少し、間違ったみたいですね」

「どういうこっちゃ?」

ヨシュアが、リフアに聞き返した。ショウスバメも、何故そんなことを言うのかを聞きそ
うになった。

「僕らは、涙の円海までの距離を正確に知らない。そうですよね?」

「せやから、それがどういう意味なんや?」

ヨシュアが、リフアに聞いた。

「ってことは、僕らがそこに着くのには、いったい何時間かかるか分からないということ
ですよね?」

二人ともうなずいた。

「もしかしたら半日か、あるいは三日以上かかるかもしれません。僕らは食料を、三人で
あと一食分しか持っていないのですから、その間、食料が底をつく可能性だってあります
よね」

二人は同時に、手をポンとたたいた。

「荒野を出る前に、砂漠の民の国に住むコウルライ族に頼み、食料をわけてもらえばよか
ったのですが、過ぎたことは仕方がないですね」

「ちょっと待て、あの荒野に、砂漠はないはずやなかったか?」

ショウスバメが、リフアに言った。

「元々、悲しみの荒野には砂漠があるんです。ずっと南の方に、小さな砂漠が・・・・。
僕らがいたのは、サファイアが作りだした幻想の砂漠です。うらめしの砂漠と、それは別
のものですから」

二人は納得した。

「せやけど、この辺りに村はないんか?あったら何かもらえるんやないか?あとは、動物
でも住んでいれば食えるんやが・・・・・・」

「俺も同感だわ」

ショウスバメの意見に、ヨシュアも納得した。

「もう少ししたら、雷の架け橋が見えてくるでしょう。そしたらその辺りで休憩して、海
辺で魚でも捕りますか?」

リフアは聞いた。

「魚か、まあええんやないか?」

ヨシュアも賛成した。ショウスバメも反対しなかった。

「せやけど、雷の架け橋なんてめっちゃ遠回りやないか。なんで円海まで一直線で行かな
いんや?」

ショウスバメが、リフアに問うた。

「風の流れが、僕らを架け橋まで導こうとしてるんです。ヨシュアさん、あなたの持って
いるエメラルドが風を使って、僕らを導いてるんです。ですから、その流れに任せて飛ん
でいたんです」

再び、長い沈黙が流れた。まるで、永遠のような。


長い沈黙が流れている間、ついにその雷の架け橋が見てきた。架け橋の前には、市場も見
えた。

「見てみいや、市場が見えるで。きっと、あそこで食いもんを手ぇに入れてから、円海へ
行くんとちゃうか?」

ヨシュアが、市場が見えたことで、かなり嬉しそうな顔をした。

「早ぉ降りるで」

「せやけど、俺ら金あんま持っとらんやろ」

ショウスバメが、二人に言った。二人とも、うなづいた。

「まあ何とかなるやろ。俺ら二人は物乞い得意やし」

リフアは、口をポカンと開け、二人を見た。驚いてる顔が分かるくらいの表情だった。二
人は軽く笑った。

「あまりそういうのは好きではありません。僕は・・・・・・・・」

会話をしている間に、市場が見えてきた。市場はにぎやかで、老若男女問わず、さまざま
な人が来ていた。一目の付かないところで、三人は降りてきた。二人はリフアから降りる
と、息を大きく吸い、背と手を伸ばした。

「海の近くだから魚介類等、新鮮な海の幸が売っているみたいですね」

リフアが元の姿に戻りながら言った。

「よっしゃ、俺らはいろんな手を使って金を貰うで、リフアも頑張りぃや」

「って、え!?」

ヨシュアは、市場のほうへ駆けだした。ショウスバメも、やれやれという顔でつい
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