・〜旅立ちの時〜

天河 アキト作
・キャラクター紹介

名前 ラルド=スカイ 13歳 男

本編主人公。
大人しく、争いごとを好まない優しい性格。
マサラタウンに住んでおり、その時の親友「レッド」を失った事で少々コンプレッ クスを抱いている。
基本的に自ら争いや騒ぎを起こさず、そういった物事には干渉しない性格。
友達思いで、自分よりも友達を尊重するタイプで優しい心の持ち主。
レッドを探す為、ホウエンへと引越してきた後はすぐに旅に出る。
趣味は読書。


名前 ゼノ=マーキス 13歳 男

元アクア団ミッション・サブリーダー。
アクア団のエリートとしてラルドの前に敵として現れる少年。
冷静で感情的にならない性格で、人付き合いはまぁまぁな所。
作戦副隊長の名は伊達ではなく、頭の回転が早くて観察力が鋭い。
知的な少年で、ホウエンの歴史文化等にも詳しい。
ラルド一行の頼れる仲間。


名前 アリス=ミナス 13歳 女

元アクア団アクティブ・サブリーダー。
活動副隊長として、ゼノ共々ラルドの前に敵として現れる。
非常に行動的な性格で、同年齢のゼノとコンビをよく組んでいた少女。
口数も多く、時には痛い一言をぶつけ仲間を傷つける事もあった。
買い物が趣味で、かわいいものを好む性格。
わがままな性格に極めて近い性格だが、バトルの腕は一流。

名前 ゼッペル=レイ 15歳 男

いろんな地方を旅する、自称「最強の物真似師」。
しかし、最初に出逢ったときに不可解な言動などが目立ち「謎の物真似師」の異名 で知られる事に・・・。
沢山の人の物真似が趣味で、序盤はラルド達に嫌われ気味だったが後半は頼れる仲 間へと変わっていった。
バトルの腕も中々のモノで、最終決戦時はゼノとパートナーをよく組みマグマ団ア クア団と戦った少年。

名前 ミカル=リューナ 11歳 女

「キンセツシティ」で出会った少女。
ラルドを慕い、仲間になるコトに。
両親を幼いコロに失っており、一人寂しく生きてきた少女。
しかし、その過去をまるで思わせないやんちゃな性格で仲間とも仲良く旅を続け た。
過去を思い出し、寂しがってた所をラルドに優しく接してもらい、それ以来ラルド と兄妹のような関係になっている。
ポケモンの気持ちが良く分かる少女で、旅先でもいろんなポケモン達を助けてき た。

名前 エメ=フィルリア 10歳 男

マグマ団に故郷を奪われ、復讐の為旅を続ける少年。
ムロ島で、「石の洞窟」を侵略していたマグマ団を倒す為ゼノと共闘する。
性格は真面目だが、非常にやんちゃで人なつっこい性格。
冷静なゼノや、親友探しで落ち込んでいるラルドなど誰とでも溶け込める心の持ち 主。
マグマ団と戦う時だけ、勇敢な性格に急変する事もある。

名前 クリス=レッド 12歳 男

心優しく、礼儀正しい少年。
医者を目指しており、医学の勉強に励む姿が何度も見られる。
「人の心が読める(分かる)」という特別な力を持っており、ポケモンとも仲がい い。
ガロードと仲良くなり、共に戦ったり遊んだりという面が見られた。

名前 ガロード=ディス 12歳 男

カナズミに戻った際に仲間になった。
マグマ団に強い怒りの態度を見せており、マグマ団幹部「カイン」に復讐する事を 目的に旅している。
非常にやんちゃで、ミカルとはいいパートナー。
クリスとも仲がよく、深刻な雰囲気のラルド一行を一瞬で明るい雰囲気に変える 「ムードメーカー」。
一直線な性格を除けば、非常に頼もしい仲間・・・。

・敵オリジナルキャラ==========================

名前 カイン=ディル=ヴィナス 15歳 男

冷静で、ガロードの宿敵。
マグマ団幹部の1人で、かなりの実力をもった凄腕トレーナー。
パートナーのキュウコンも非常に強く育てられており、幾度もなくラルド達を苦し める。
残忍で、すべてを燃やし尽くすまで攻撃を止めない恐ろしい少年・・・。

名前 ゼロ=ヴェクター 20歳 男

アクア団エリート幹部にして、確実に任務をこなす男。
言葉に独特な喋り方がまじっているのが特徴で、異常なまでに落ち着いた心の持ち 主。
ゼノの元教官で、脱走したアリスとゼノを付けねらい何度も戦う事になる。
ゼノ以上の作戦をたて、冷静に対処する力にはゼノですら認めざるを得ない強敵。

・ストーリー==========================

ここはホウエン地方。
そこへ、1人の少年が引っ越してきた。
少年の名はラルド=スカイ。ラルドはマサラタウンに住んでおり、そこには親友 「レッド=グレーデン」が住んでいた。
しかし、1年前にレッドはロケット団の支配に我慢ならなくなりラルドの反対を押 し切り、1人旅立つ。
そして半年・・・。
ラルドの耳に、レッドの消息が途絶えたとの連絡が入る。
ラルドは、戦いが嫌いでレッドを1人旅立たせてしまった自分を責め、必死に修行 を積む。
そして半年・・・レッドが最後に立ち寄った『ホウエン』へとやって来た・・・。
ラルドの旅の目的は1つ・・・「親友を助ける」 ・・・そして、ラルドの親友探しの物語が今、始まった・・・。
・・・ラルドも、親友「レッド」と同じ、「終わらない運命」を歩むことを知らず に・・・。
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第1話 『新たな町』へと・・・

静かな緑にかこまれた町・・・。
いつもなら、静かに周りの木々が風に揺られながらさわやかな音を立てている 頃・・・。
そこへ、一台のトラックがやってきた。
静かなミシロタウンに、トラックがやってくるのは久しぶりの事である。
やがて、トラックは一軒の新築の家の前で止まった。
どうやら、ここミシロタウンに引っ越してきた家族がやってきたようだ。
フロントのドアが開き、母親と見られる女性と引越し屋が降りてくる。

母「ラルド、ついたわよ。ミシロタウンに」

すると、後方の荷台からまだ13歳ほどの少年が降りてきた。

ラルド「やっとついた・・・。やっと・・・」

母「ラルド、ここが新しい家よ。・・・どう?やっぱり、マサラに未練がある?」

母親は、深刻そうな表情のラルドに問いかける。

ラルド「そんなコトないよ。それに・・・マサラには、ちゃんとお別れを言ってき たから」

母親はそれを聞いて、ホッとため息をついた。

母「よかった。それじゃあ、入ってみましょ」

少年は母親につれられて新築の家の玄関へと歩いてくる。

・・・その時、玄関の構造が親友、「レッド」の家の構造と同じ事に気がついた。

ラルド「・・・これは、レッドの家と同じ・・・?父さんが頼んだのか な・・・?」

少年はそういうと、蒼い空を見上げた。

レッド「よっ!!ラルド!!」

ラルド「レッド、何?こんなトコに呼び出したりして・・・」

レッド「ま、家じゃ話しにくくてさ。ここなら、話せそうな気がしたから」

そこは、マサラタウンの町外れの野原。そこは、ラルドとレッドの秘密の場所でも あり、初めて出逢った場所でもあった。

レッド「・・・あのさ、オレ、もうお前とは遊べないかもしれねぇ」

ラルド「何いってるのさ。また、いつもみたいな冗談でしょ?」

レッド「本当だって。オレさ、旅に出るんだ。最強のポケモンマスターを目指すた びに・・・さ」

ラルド「・・・なんで・・・なんで一言も相談してくれなかったのさ」

レッド「相談したって、お前は止めるだろ。今、カントーはロケット団が制圧しよ うとしてるから危ないって言って」

ラルド「当たり前だよ!!レッドは、ロケット団が怖くないの!?」

レッド「・・・ま、オレには勝てないさ。なんたって、マサラナンバー1のトレー ナーだからな!!」

ラルド「・・・・・・・・」

レッド「それじゃあ、明日の朝出発する。・・・明日の朝、もう一度此処に来てく れるよな?」

ラルド「・・・・・・・・」

レッド「・・・悪ぃとは思ってる。けど、オレは決めたんだ。」

そういうと、赤い服を着た少年はマサラの方へ向けて歩き出した。
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ラルド(あの日・・・ボクは初めてレッドとの約束を破ったんだ・・。ボクは、あ の日・・・怖くて行けなかった)

ラルドは玄関で立ち止まり、そのままずっと同じ状態で目をつぶっている。

ラルド(なんで・・・こんなコトに・・・。ボクのせいだ・・・だから、ボクは命 に代えても、レッドを探し出すんだ!!)

そういうと、ラルドはそのままの状態でミシロ郊外へ走って行った。

母「やっぱり、行っちゃったわね。・・・くれぐれも、無理はしないでね・・・ラ ルド・・・」

少年は走り出した。

少年の目には、「あの日」の思い出の情景だけが映っていた。

ラルドの、親友探しの物語が、今・・・始まった・・・。

ポケットモンスター★エメラルドアドベンチャー 第1話 『新たな町』へと・・・終

第2話 博士との『出逢い』

ラルドは、何も考えずただひたすら走っていた。

ラルド「ハァ・・ハァ・・・こ、ここは・・・?」

気づいた時には、ミシロタウンの郊外を抜けていた。

ラルド「・・・何も考えずに走ったから・・・これは道に迷っちゃったか な・・・?」


???「うわぁぁぁぁぁ!!!助けてくれぇ!!!」

その時、奥の林から大人の悲鳴が聞こえてきた。

ラルド「何だ!?・・・今のは、悲鳴かな?」

ラルドは腰につけたモンスターボールを取り外し、悲鳴が聞こえた方向へ走ってい った。
やがて、林の一角に広い広場があった。

ラルド「た・・・確か、この辺りから聞こえたような・・・」

???「そ、そこのキミ〜〜!!た、助けてくれ〜〜」

そこには、白い服を着た男性が野生ポケモンに今にも襲われそうになっていた。

ラルド「危ない!!キング、頼む!!」

モンスターボールから、キングと呼ばれたナマケロが飛び出してきた。

ラルド「キング、あの人を助けるんだ!!引っかく攻撃っ!!」

キングは、野生ポケモンに痛恨の一撃を与えた。
やがて、野生ポケモンは走って林の方へ逃げていった。



ラルドに救われた男性がこちらに歩み寄ってくる。
???「ハァ・・・ハァ・・・、た、助かったよ。ありがとう」

ラルド「え・・・?あ、いや・・・その・・・」

オダマキ「私はオダマキだ。キミ、名前はなんていうんだい?」

ラルド「ら、ラルドです。ラルド=スカイ」

オダマキ「スカイ・・・?もしやキミは、新しくミシロに引っ越してきたセンリ君 の家族かい?」

ラルド「あ、はい。そうですけど・・・父を知ってるんですか?」

オダマキ「ハハハ、知ってるも何もセンリとは昔からの親友だよ」

ラルド「ッ!?親友・・・!?」

オダマキ「ん・・・どうかしたかい?」

ラルド「・・・いえ・・・なんでもありません」

ラルドはそういうと、目を下にそらした。

オダマキ「・・・それはそうと、キミはやはりセンリの血が流れてるんだな。さっ きの戦いっぷり、見事だったよ」

ラルド「そう・・・ですか?」

オダマキ「ああ。そうだ!!キミにお願いしたいことがあるんだが、少し研究所ま で来てくれないかね?」

ラルド「え?・・・別に構いませんよ」

オダマキ「すまないね。それでは、行こうか」

ラルドには、オダマキ博士とセンリが1年前の自分とレッドのように照らし合わさ れていた。
それは、ラルドにとっては古傷を思い出させた。
上手く言葉にできない自分の苦い感情を、ただただ自分にぶつけるだけで事情を飲 み込んでいたのかもしれない。
彼の心は、普通の人が友を思う以上に灰色にそまりその上からさらに黒が混じり合 わせるような暗い色に化していた。

だから・・・ボクはもう誰も失わない・・・!!
失わせはせはしない・・・っ!!

心優しく、ナイーブな彼の心は深く、手遅れに近い傷になっていく。
そんな彼を・・・「刻」と「運命」は優しく包み込んでくれるのか・・・?
そんなコトを思いながら、彼は一歩一歩、歩んでいく・・・。

・・・これが「終わらない運命」と例えるのなら、刻はあまりにも残酷過ぎはしな いか・・・。

ポケットモンスター★エメラルドアドベンチャー 第2話 博士との『出逢い』 終

第3話 最初の『パートナー』

ラルドはオダマキ博士につれられて、ミシロタウンのオダマキ研究所へとやってき た。

オダマキ「悪いね、ちらかってて」

ラルド「いえ、別に構いませんよ」

ラルドは落ち着いた様子で言った。

オダマキ「そうかい?・・・ラルド君、キミはポケモンをどう思う?」

博士はコーヒーをいれながら、ラルドにそう尋ねる。

ラルド「ボクにとっての・・・ポケモン?・・・ボクにとっての・・・」

オダマキ「ハハハ、そう深くは考えなくてもいいさ。自分が思ってることでいいか らね」

博士は、コーヒーの入った2つのカップを手に取り、ラルドに1つ差し出した。

ラルド「ボクは、ポケモンは大切な『友達』です」

オダマキ「ほう・・・『友達』か。いい考えだね」

博士はコーヒーを飲みながら言った。

オダマキ「それじゃあ・・・キミは『友達』をどう思う?」

ラルド「命を変えてでも護りたい、大切な存在です!!」

オダマキ「フフ、センリにそっくりだな。それを聞いて安心した。キミに安心して このポケモンを渡せる」

博士は、机に保管されていたモンスターボールを手に取った。

オダマキ「コイツは、ミズゴロウというポケモンだ。これをキミに預けたい」

ラルド「ミズゴロウを・・・ボクに?」

ラルドは驚きながら、モンスターボールを見つめた。

オダマキ「ああ。是非、お願いしたい」

驚いた表情のラルドに、オダマキは優しく言う。

ラルド「・・・わかりました。うまく育てられるかわからないけど、一生懸命育て たいと思います」

ラルドも最初は不安そうにしていたが、オダマキの言葉で少し自信がついたよう だ。

ラルドは、博士からモンスターボールを受け取り外にだした。

ラルド「これが、ミズゴロウ・・・。そうだ、名前をつけてあげよう。・・・ミズ でいいかな?」

ミズゴロウは嬉しそうにラルドに寄り添った。

オダマキ「ハハハ、ミズゴロウも喜んでるみたいだ。よかったな」

照れるラルドを励ますようにオダマキは言った。

ラルド「それでは、そろそろ・・・」

その言葉でさらに赤くなったラルドは、逃げるように話を変える。

オダマキ「ああ。センリに逢ったら、よろしく伝えておいてくれ」

オダマキもやり過ぎたといわんばかりに、すぐ話題を変えた。

ラルド「はい。有難うございました」

ラルドは博士に会釈をすると、再び旅立った。

新たな『パートナー』を片手に、再び走り出したラルド。
ポケモンだって友達だ・・・。大切な友達だ・・・。

胸に響いたように、ラルドは胸にミズゴロウの入ったボールをあて、さらに走るス ピードをあげた。
それはラルドの心の色に、優しい「水色」がさしたような光景だった。

ラルドの旅は、まだまだ続く
ポケットモンスター★エメラルドアドベンチャー 第3話 最初の『パートナー』  終

第4話 『父』と子

ラルドはコトキタウンを通り抜け、センリのいるトウカシティへ向かう。
ラルド「ふぅ・・・なんとか、ここまで戦わずにすんだけど・・・」

腰のモンスターボールに手をやり、優しくなでる。

ラルド(大切な仲間を・・・もう二度と、傷つけたくない・・・)

上を向くと、雲ひとつない蒼い空が広がっている。

ラルドはかすかに微笑み、トウカシティ内へと入っていく。

そして・・・「トウカジム」へ。

センリ「ラルドか。引越しの整理は終わったのか?」

ラルド「・・・うん。まぁね」

センリ「・・・?どうした?やはり、マサラに未練があるか?」

ラルド「・・・そうじゃないけど」

センリ「・・・フッ・・・まぁ、その内慣れるさ。・・・で、ポケモンの方はどう だ?」

ラルド「キングなら元気だよ。後、もう一匹いるんだ」

ラルドは、オダマキ博士からもらったモンスターボールを腰から取り外す。

センリ「ほう・・・これは、珍しいポケモンをだな。どうしたんだ?」

センリは興味深そうに尋ねる。

ラルド「父さんも知ってるでしょ?オダマキ博士からもらったんだ」

センリ「オダマキ・・・アイツからか・・・。と、するとポケモン図鑑ももらった のか?」

ラルド「うん」

センリ「・・・やはり、レッド君を探すのか?」

ラルド「当たり前だよ。誰になんと言われようと、ボクは絶対にレッド を・・・!!」

センリ「フッ・・・無茶はするなよ。では、気をつけてな」

ラルド「うん。それじゃ、父さん。・・・行って来ます」

ラルドはそう言い残すと、再びレッドを探す旅に出た。

しかし、その時・・・。

???「ちょっと待った待った!!キミ、トレーナーさんかい!?」

ラルド「うわぁ・・・!?な、何なんですか!?」

エニシダ「ああ、すまない。私はエニシダと言う者だ。キミはトレーナーさんか ね?」

ラルド「え・・・ええ。一応・・・」

エニシダ「ハハハ、だろうね。服装がそういう感じだったしさ」

ラルド「え?・・・そ、そうですか・・・?」

エニシダ(それに・・・かなりの実力を持ってる。この子は・・・非常に興味深い な・・・)

ラルド「あ、あの〜・・・」

エニシダ「ハハハ、旅はいいね!!また会おう!!少年」

そういい残すと、エニシダはどこかへ歩き去っていった。

ラルド「な、何だったんだろう・・・?ま、まぁ・・・いいか」

謎の男、エニシダとの出逢い・・・。
この男との出逢いは、ある物語の始まりだった。
しかし、今のラルドにはそれもわかるはずもない。
ラルドは、センリの協力もあり本格的にホウエンを旅する事となった。
しかし、これはラルドの長い長い旅の始まりに過ぎずこれから過酷な出来事や物語 が待っていることを、ラルドは知るはずもなかった・・・。

ラルドはトウカシティを抜け、浜辺を歩きある森の一角まで旅路を進めていた。
その森の名は『トウカの森』。
ここで、ラルドの人生を大きく変える少年と出会う事になる。
方にはミズゴロウが乗っており、途中で採った「モモンの実」を頬張っている。
ラルドはゆっくりと足を進め、森の奥へと進んでいった・・・。

第4話 『父』と子 終り

第5話 『トウカ』の森

ラルドはトウカを出て2日ほどたち、「トウカの森」へと入っていた。
ラルド「ここが、『トウカの森』・・・。まるで、カントーの『トキワの森』見た いだ・・・」

ラルドは懐かしげに道を歩いていく。

数分歩いたその時・・・。

???「うわぁ!!だ、誰かーーっ!!」

奥の方から、男の叫び声が聞こえこちらに近づいてくる。

ラルド「え、え!?」

行き成りの事でラルドも何をすればよいかわからない様子だ。

???「あっ!!よ、よかったぁ!!キミはトレーナーだね!?」

男はラルドを見つけると、一目でトレーナーだと分かり声を掛ける。

ラルド「い、一応・・・」

嘘をつけないラルドは、自分がトレーナーだと認めラルドは恥ずかしげに答える。

社員「私はデボン・コーポレーションの社員なんだ。今、この大事な研究資料を怪 しいヤツに狙われていて・・・」

男はどうやらデボン・コーポレーションの社員で、何者かに狙われているようだ。
詳細をラルドに話し、助けを求める。

ラルド「あ、怪しい・・・ヤツ?」

社員「ああ!!赤い頭巾のような物を被ってて素顔が伺えないんだ」

???「そこまでにしてもらおうか」

社員「!?」

木々の向こう側から、何者かの声が2人を呼び止める。
社員の男とラルドは驚いて後ろを振り返る。

ラルド「ま、まさか・・・」

マグマ団員「おい、そこのガキ。今すぐ後ろのヤツをこっちに出せ」

そこにいたのは、マグマ団と呼ばれる組織の団員。

社員の男の話しでは、どうやらこの団員に狙われているらしい。

ラルド「クッ・・・?ど、どうすれば・・・」

社員「これを渡すわけにはいかないんだ!!少年、頼む!!」

戦闘経験が少ないラルドは、とっさの事で慌てている。

ラルド(どうすればいい!?どうすれば・・・!?レッド・・・)

胸の中のレッドに助けを求める。
しかし、その時。
ラルドの助けを求める声に答えるかのように、少年の声が聞こえた。

???「・・・ハイドロポンプ」

ラルド「え!?」

上空から団員のポチエナ目掛けてハイドロポンプが発射される。

マグマ団員「な、何だとっ!?ど、どこからの攻撃だ!?」

???「・・・甘いな。マグマ団とは言え、この程度か」

ラルド達の真上から、1人の少年が降りてきた。

12歳ぐらいの年頃で、ラルドと背丈はあまり変わらない。

マグマ団員「チィッ!!しくじったな。一度撤退するっ!!」

そう言い残すと、マグマ団員は走り去っていった。

ラルド(た、助かった・・・?)

???「・・・・・・・」

ラルド「あ、有難う・・・。キミのおかげで助かったよ」

???「怪我は無いようだな・・・」

ラルド「うん。ボクはラルド=スカイって言うんだ。キミは・・・?」

ゼノ「・・・ゼノ=マーキス。ゼノでいい」

ラルド「ゼノって言うんだ。よろしくね」

ゼノ「ああ」

社員「いやぁ、助かったよゼノ君ラルド君。本当に有難う」

ラルド「ボクは何もしてませんよ。お礼はゼノにしてあげてよ」

社員「そ、そうかい?」

ゼノ「・・・いや、礼には及ばない。オレもマグマ団には少々困らされていたから な」

社員「本当に有難う。この恩は忘れないよ。それでは」

社員はデボン・コーポレーションへと帰っていった。

ラルド「ふぅ。それじゃ、ボクもカナズミへ行こうかな?」

ゼノ「・・・お前もカナズミへ向かうのか?」

ラルド「うん。ゼノは?」

ゼノ(・・・予定通り・・・か)

ゼノ「オレもカナズミへ行こうと思っていた」

ラルド「そうだったんだ。それじゃ、一緒に行かない?」

ゼノ「フッ・・・旅は大勢が良いと聞く。その言葉に甘えさせてもらうか」

ラルド「決まりだね。改めてよろしく、ゼノ」

ゼノ「ああ。それじゃあ、ここから先はオレが案内しよう」

ラルド「有難う、助かるよ」

こうして、ラルドは新しい仲間「ゼノ」とともにカナズミへ向かうのだった。

第5話 『トウカ』の森 終り

第6話 裏切りと『友情』
ラルドは「トウカの森」で出会った少年「ゼノ」と共に「カナズミシティ」へとや ってきた。

活気のある賑やかな町で、ラルドも大分気分が明るくなってきたようだ。
ラルド「ゼノ、ここがカナズミシティ?」

ゼノ「ああ。ホウエンの中でも大分栄えてる町だ」

ラルド「へぇ、物知りだねゼノは」

ゼノ「フッ・・・まあな」

2人はポケモンセンターへ立ち寄る。

ラルド「ジョーイさん、ポケモン達よろしくお願いします」

ジョーイ「はい、お預かりします」

ラルドはジョーイにボールを渡すと、ゼノの方へ戻ってくる。

ゼノ(予定通りだ。後は任せる・・・)

???『了解♪さっすが、エリートね」

ゼノ(・・・・・・・・・)

ラルド「あれ?ゼノ、どうしたの?」

ゼノ「いや・・・。それより、用は済んだのか?」

ラルド「うん。少し、外を散歩しようかな?」

ゼノ「オレはここにいる。ゆっくりしてくるといい」

ラルド「うん。有難う」

ラルドは笑いながら言うと、ポケモンセンターから出た。

ゼノ(・・・・・・・・)

ゼノは立ち上がり、ジョーイの元へ向かう。

ゼノ「ラルド=スカイと言う者の変わりでポケモンを引き取りに来たのですが」

ジョーイ「ラルド=スカイさんですね?はい、ポケモンはみんな元気になりました よ」

ゼノは2つのモンスターボールを受け取ると、モンスターボールに怪しい道具を使 う。

そして、数分後。

ラルド「あ、ゼノ。もうポケモン元気になってたんだ?」

ゼノ「・・・ああ。さっき、ジョーイから渡された。」

ラルド「わざわざ有難う。それじゃあ、どこに行こうかな・・・?」

ゼノ「・・・オレの行きたい場所があるんだが、時間はあるか?」

ラルド「え?別にいいよ。『友達』のゼノの約束なら」

ゼノ「!?」

ラルド「え?どうしたの?」

ゼノ(・・・クッ・・・!!)

ゼノ「いや、なんでもない。それじゃあ、ついて来てくれ」

ゼノにつれられ、町外れの広場へとやってくるラルド。

ゼノ「・・・・・・」

ラルド「ゼノ、こんな所に何の用があるの?」

ゼノ「・・・・・・・・」

???「見つけたわよ!!ラルド=スカイ!!」

ラルド「え!?」

???「キルリア、サイコキネシス!!」

激しい念波がラルドを襲う。

ラルド「うわぁぁ!!クッ、な、何者なんだ・・・!?」

アリス「私はアクア団アクティブ・サブリーダーアリス=ミナスよ!!」

ラルド「あ、アリス=ミナス!?な、何でボクを!?」

アリス「上からの命令なの♪悪く思わないでね!!」

キルリアのサイコキネシスが激しく襲う。

ラルド「ぐあぁぁ・・・。クッ・・・た、戦いたくなんかないけど・・・いけ、キ ング・・・!!」

ラルドはモンスターボールからナマケロを繰り出す。

アリス「フフ、そんな毒状態のポケモンで何ができるの?」

ラルド「え!?そんなバカな!!ポケモンセンターにさっきつれていったばか り・・・」

アリス「アハハハ!!まだ気づいてないようね」

ラルド「な、何がだ!?」

アリス「彼方はそこのゼノに裏切られたってトコ。毒を彼方のポケモンに盛ったの は彼よ」

ラルド「そ、そんな・・・!?ゼ、ゼノ!!違うよね!?」

ゼノ「・・・その通りだ」

アリス「彼は、アクア団ミッション・サブリーダー、ゼノ=マーキス。所謂私の仲 間♪」

ラルド「そ、そんな・・・!?う、ウソだ・・・!!こんなの・・・」

アリス「アハハハ!!せめて苦しまずにポケモンを倒してあげる。キルリア、サイ コキネシス!!」

ラルド「うわぁぁぁぁぁっ!!!!」

ゼノ(・・・・クッ・・・・!!)

アリスとラルドが激しく戦う中、ゼノは姿を消した・・・。

第6話 裏切りと『友情』 終り

第7話 『裏切りの』裏切り?

ラルドはガクッと倒れ、跪く。

ラルド「ハァ、ハァ・・・・」

アリス「あら、もうお仕舞い?なら、彼方はアクア団が拘束するわ♪」

アリスは余裕の表情で苦しむラルドに冷たく言い放つ。

ラルド(クッ・・・そんなワケにはいかないんだ・・・!!レッドを・・・探し出 すまでは・・・!!)

ラルドは胸に手を当て、目を瞑る。
頭の中に少しずつ、『あの日』の思い出が蘇る・・・。

レッド(ラルド、オレヒーローになりたくはねぇんだ)

レッドの声が胸、頭に響き渡る。

ラルド(わかってるよ。レッドはいつもそう言ってたよね)

ラルドもこの声に答えるように、自分に言い聞かせる。
まるで、心の中でレッドと会話をしているようだ。

レッド(オレは、ポケモン使って悪いコトしか考えねぇヤツが気にいらないだけな んだ)

ラルド(ボクもだよ)

レッド(だろ?だからラルドも、戦いたくないとか言ってないで、悪とは戦わない と)

ラルド(戦う・・・)

レッド(そうさ)

ラルド(・・・うん。そうだね)

心の思い出の声はそこで途切れた。
周りはトウカの町外れの公園・・・。

アリス「何ブツブツ言ってるの?さっさとこっちに来て」

アリスは蹲ってるラルドを見て言い放つ。
その時、ラルドの目が緑色に光だし立ち上がる。

アリス(え!?も、もしかして・・・例のアレが・・・!?)

アリスはラルドの異変に気づき、表情を変える。

ラルド「・・・ボクは・・・戦うっ!!」

ラルドの手から緑色の光が滲み溢れ、1つのボールをつかむ。

ラルド「頼む・・・ミズ!!体当たり・・・!!」

ミズゴロウの体当たりがキルリアに直撃する。

アリス「クッ・・・さ、流石にやるわね。アクア団がヤケになるのもわかる わ!!」

ラルド「・・・敵は、倒す・・・!!ボクがっ!!」

ゼノ「そこまでだ」

ラルドの逆襲が始まる中、ゼノの声が響き渡る。
ゼノの声に2人ともバトルを中断する。

アリス「ッ!?ゼ、ゼノ!?」

アリスは驚いた表情でゼノを見る。

ゼノ「アリス、攻撃を止めない場合、ハイドロポンプを発射する」

ゼノのキングドラはラルドではなく、アリスを狙っていた。
アリスもこれには驚いて、ゼノに問いかける。

アリス「ゼ、ゼノ!!彼方、何言ってるの!?」

ゼノ「もう一度だけ言う・・・。攻撃を止めろ・・・!!」

しかし、ゼノはアリスの問いかけを完全に無視。
問答無用の姿勢を見せている。

アリス「クッ・・・!?・・・わ、わかったわよ!!」

アリスはキルリアをボールに戻しながらゼノに駆け寄る。

アリス「ゼノ、彼方どうしたの!?これは立派な反逆よ!?」

アリスはもう一度ゼノに問いかける。

ゼノ「だから何だ・・・?オレは今日をもってアクア団を退団させてもらう」

と、冷静に話すゼノ。

アリス「ッ!?」

ラルド「ゼノ・・・やっぱり、やっぱりゼノは『友達』だったんだ!!」

ラルドはすでに元に戻っており、ゼノに駆け寄る。

ゼノ「フッ、すまないラルド。詫びと言っては難だが、オレもお前と旅をさせても らいたい。少しは役に立てるハズだ」

ゼノは詫びの気持ちを込めてラルドに言う。

ラルド「もちろんだよ!!ゼノ、有難う」

ゼノ「・・・そう言ってもらえると助かる」

ラルドは自分を責めているゼノに優しく言う。

アリス(ってコトで、アタシも今日限りで団抜けるから、よろしく♪)

ゼノとラルドがそんな会話をする中、アリスは通信機で何やら連絡をとっている。

アクア団員『ま、待ってください中尉!!これは立派な反逆・・・』

プチッ。

アリスは通信機を無理やり切り、近くの森に投げ捨てた。

ゼノ「・・・アリス、お前・・・」

アリス「アタシも行くトコ無くなっちゃった♪ってコトで、アタシもよろしくね^ ^」

ゼノ「フッ・・・」

ゼノはかすかに笑った。

ラルド「うん。こちらこそよろしく^^」

ラルドは、元アクア団の2人を従えカナズミを後にした。
レッドを探す為・・・。次の町は「ムロタウン」

第7話 『裏切りの』裏切り? 終り

第8話 ツツジと『ハギ老人』

ラルド達はカナズミを抜け、再びトウカの森の近くに来ていた。

ゼノ「・・・しかし、ラルド。ムロへはどういくつもりだ?船がなければ無理だ が」

ラルド「父さんが・・・センリさんがムロへ行くときは私に連絡をくれって言って たんだけど」

アリス「センリって・・・まさかトウカジムの?噂じゃ凄腕のトレーナーって聞い たけど」

ラルド「うん。多分、船を用意してくれてるんじゃないかな・・・」

???「彼方達、船を探してるの?」

ラルド「え?」

ツツジ「あら、失礼。わたくしはツツジ。カナズミジムリーダーですわ」

ラルド「ボクはラルド=スカイです。こっちはゼノとアリス」

ツツジ「よろしく。船を捜してらっしゃるのでしたら、お力になって差し上げまし ょうか?」

ゼノ「・・・いいのか?」

ツツジ「ええ。それにセンリさんから話は聞いてますよ、ラルドさん」

ラルド「父さんから・・・?そうだ、出発する前にカナズミに行くって父さんに話 したんだっけ?」

ツツジ「私の知り合いにハギ老人と言う方がいるのですが、その方にお願いしてみ ましょう」

ラルド「有難うございます」

ツツジに連れられ、ラルド達はトウカの海浜へとやって来た。

ツツジ「ハギ老人、お久しぶりですわね」

ハギ「おおツツジさんではないか。久しぶりじゃの」

近くの小屋の中から1人の老人が出てくる。

ツツジ「今日はお願いがあって尋ねたんですの。この子達をムロまで運んであげて くれませんか?」

ハギ「何、ムロにじゃと?別にかまわんが」

ツツジ「有難うございます。ではラルド君、旅のご無事をお祈りしますわ」

ラルド「本当に有難うございます、ツツジさん。父さんにはボクから連絡を取りま すので」

ツツジ「はい。後、このポケナビを渡しておきますわ。それではよろしくお願いし ますハギ老人」

ハギ「よいよい。アンタの頼みならのぉ。では、出発するかの」

ハギ老人に連れられ船えと乗り込む。
船には、一足先に海鳥のようなポケモンがいた。

ラルド「あれ?このポケモンは・・・」

ゼノ「キャモメだな。ハギ老人のポケモンではないのか?」

ハギ「その通りじゃ。この子は『ピーコ』ちゃんと言う。仲良くしてやってくんか の」

アリス「ええ、もちろんですよ。この子、可愛いわね」

ラルド「うん。図鑑では海猫ポケモンって書いてあるけど・・・変わったポケモン だね」

ハギ「はっはっは。では、ムロへ向けて出発じゃ!!」

船はゆっくりと加速し、ムロへ向けて発進する。

ツツジ「ラルドさん、私がさっき渡したポケナビにはエントリーコールがついてま す。それでセンリさんに連絡を」

ラルド「わかりました。それでは」

ツツジの姿がだんだんと小さくなっていく。
ラルドはツツジから受け取ったポケナビで、さっそくエントリーコールをかける。

ラルド「・・・あ、父さん?ボク、ラルドです」

センリ『ラルドか?このエントリーコールをつかってるのならば、ツツジから受け 取ったんだな?』

ラルド「うん。父さんが話しておいたんでしょ?」

センリ『ああ。お前はすぐ突っ走る事があるからな。念には念をいれておいたの さ』

ラルド「でも、問題無く船には乗れたよ。これからムロへ向かうから」

センリ『ああ、気をつけてな。たまには、私にエントリーコールをいれてくれ』

ラルド「うん。それじゃあ」

ラルドはポケナビのエントリーコールを切る。

アリス「便利になったものね。前はポケギアで連絡してたけど、今はこんな高性能 なモノが出回ってるのね」

ゼノ「デボンはシルフにならぶトップ企業だからな。その内、もっと良い製品を作 り出すハズだ」

船の上に海の空気が入ってくる。
ハギ老人も絶好の日和で満足そうな表情を浮かべている。

ラルド「そう言えば、ゼノ誰かと昨日会ってなかった?」

ゼノ「ああ。デボンのツワブキ社長に渡し物を預かった」

アリス「へぇ、彼方がデボンの社長さんから。珍しいわね」

ゼノ「・・・オレだって人の為に役立つコトぐらいはするさ」

アリス「だから珍しいって言ってるの」

ラルド「まぁまぁ・・・。ゼノは本当は優しいんだよ」

ゼノ「・・・・・・・・」

アリス「あらあら・・・。ゼノ照れちゃってるじゃない」

ゼノ「・・・照れてなどいない」

アリス「・・・って、顔を赤くしながら言わないでも・・・」

ゼノ「・・・き、気にするな。それよりラルド、お前何の為にムロへ行くんだ?」

ラルド「・・・親友を探してるんだ」

アリス「親友?名前は?」

ラルド「・・・『レッド=グレーデン』って言うんだ」

ゼノ「!?」

アリス「ッ!?」

2人はその名前を聞いたとたんに、恐ろしさに後ずさりした。

ラルド「え・・・?ど、どうしたの二人とも・・・?」

ゼノ「・・・いや・・・なんでもない」

アリス「・・・・・・・・」

ハギ「う〜む・・・ワシもその名前は何度か船乗りの仲間から聞いた事があるの 〜」

ラルド「え!?ほ、本当ですか!?」

ハギ「うむ。レッドとやらは・・・・・・・・なんじゃったかの〜・・・」

ラルドは期待が崩れたように倒れる。

ハギ「すまんすまん。何しろ大分昔の話でのぉ。ハッハッハ」

ラルド「そ、そうですか・・・」

広い海に囲まれながら、船はムロタウンへと向かって進んでいく。
しかし、ムロタウンでは・・・。

第8話 ツツジと『ハギ老人』 終り

第9話 マグマ団『侵略』 前編

船に揺られて1日が過ぎた。
船はもうじきムロタウンという距離にやって来た。

ハギ「よぉし。オイ、坊主達!!ムロタウンが見えてきたぞ」

寝ているラルド達を、ハギ老人が起こす。

ラルド「・・・ムロタウン、見えたんですか・・・?」

ゼノ「どうやら、そのようだ」

アリス「あ〜〜・・・眠い・・・」

ハギ「ハッハッハ!!この揺れでそれだけぐっすり眠れれば、たいしたもんだわ い」

ムロタウンがどんどん近づいてくる。
しかし、その時・・・。

ドガーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!!!!!

ハギ「な、何じゃと!?」

ゼノ「敵か!?」

ハギ「どうやらそのようじゃの。どうする?」

ラルド「・・・ゼノ、どうしよう」

ゼノ「・・・オレはお前に従う。だが、敵の大体の見当はついている」

アリス「やっぱり、マグマ団?」

ゼノ「ああ。ヤツらはアクアの情報網でも、『石の洞窟』を狙っていたことは確実 だ」

ハギ「何じゃて?アクア団?」

ラルド「ええ、今は違いますけど二人は元々アクア団です」

ハギ「・・・こんな子供がアクア団とはのぉ・・・驚いたわい。ハッハッハ!!」

ラルド(元気なおじいさんだなぁ)

ゼノ「ハギ老人、オレが様子を見てくる」

ハギ「坊主が1人でか?」

ゼノ「ああ。その方が安全だ」

アリス「ゼノに任せれば大丈夫よ。何も考えずに突っ込むようなタイプじゃないも の♪」

ラルド「ゼノ、気をつけてね」

ゼノ「ああ」

ゼノは海に向かってボールを投げる。
ボールからは、ゼノのパートナー「キングドラ」が姿を現す。
ゼノはキングドラに飛び移り、石の洞窟へと向かっていった。

アリス「それじゃ、アタシ達はどうしようかな〜?」

ハギ「ウ〜〜ム・・・ひとまず、上陸するかの」

ラルド「はい」

船はそのままムロタウンへと向かう。

・・・そして、船はムロタウンへとやって来た。

ラルド「ふぅ・・・。町も人が誰もいないね」

アリス「きっと非難したんじゃない?にしても、マグマの皆さんもハデにやるわ ね」

ハギ「それでじゃあ、ワシは船の固定をしてくるかの。また逢おう、坊主達」

ラルド「はい。御気をつけて」

船は別の場所へ向け、出発した。

一方、「石の洞窟」へ向かったゼノは・・・。

ゼノ「・・・やはり、マグマ団か」

ゼノは一足先に上陸し、岩陰に隠れながら様子を伺っている。

ゼノ「・・・ラルド達を巻き込むわけにはいかない。ここは、オレが潜入しよう。
確か、ダイゴというトレーナーもこの中だ」

ゼノが岩陰から走り出した、その時・・・。

???「ティオ、サイケ光線ッ!!」

どこからともなく、ゼノに向かってサイケ光線が発射される。
ゼノは素早く攻撃を避ける。

ゼノ「クッ・・・。敵に見つかったか?」

???「お前、マグマ団か!?」

ゼノ(マグマ団?アクアと言うならわかるが・・・オレを敵を勘違いしているよう だな)

ゼノ「オレはマグマ団ではない。ゼノ=マーキス、旅をしているトレーナーだ」

???「ホントか!?なら、その証拠を見せてみろっ!!」

ゼノ「赤い装束を来ていないのが十分な証拠では無いのか?」

ゼノはすかさず言い返す。謎の少年は質問を止め、ポケモンをボールに戻しなら歩 いてくる。

エメ「悪かったね。僕はエメ、エメ=フィルリア」

ゼノ「エメか。お前は何でこんな所に?」

エメ「考えてることは、大体アンタと一緒だよ。僕はマグマ団を倒す為に旅してる んだ」

ゼノ(まだ幼いようだが・・・かなりの実力はあるようだな・・・)

エメ「あ、よかったらさ一緒にマグマ団と戦わない!?」

ゼノ「・・・オレ達だけでか?」

エメ「うん!!あれぐらいの数なら、戦い慣れてるよ!!」

ゼノ(・・・エリートのようだな。なら、心配はない・・・か)

ゼノは素早く頭を回転させながら、冷静に状況を見極めようとしている。
エメは戦いたくてウズウズしているかのようだ。

ゼノ「・・・わかった。ただし、オレに作戦がある。オレに従ってもらうことにな っても・・・」

エメ「いいよ!!それじゃ、行こう!!」

エメはすぐにゼノに慣れ、完全に共闘の意志を示している。
そして、2人は石の洞窟へと入っていった。

ゼノ「・・・団員がいるな。見張りにあれだけの数・・・侮られたモノだ・・・」

エメ「ホントだよ。僕達の力、見せてやろうよ!!」

ゼノとエメは飛び出し、団員達に向かって走り出す。

マグマ団員A「な、何!?侵入者か!?」

マグマ団員B「二人とも子供のようだ。軽くひねり潰してやろうぜ!!」

団員達は恐れることなく、ゼノ達と真っ向勝負の構えを見せる。

ゼノ「・・・フッ、甘い。ドラル、ハイドロポンプ」

エメ「ティオ、サイケ光線!!いっけぇぇ!!」

団員達のポケモンは、一気に吹き飛ばされ倒れる。

マグマ団員A「な、何ぃぃぃ!?ば、バカな!!」

マグマ団員B「クッ・・・!!・・・ん?あの小僧・・・思い出したぞっ!!アク ア団のゼノ=マーキス!!」

マグマ団員C「ゼ、ゼノ=マーキスだと!?マズイ、カガリ幹部に報告しなくて は!!」

団員達は慌てふためいた様子で、走って奥へと消えていった。

ゼノ「・・・したっぱがあれでは、アクアには勝てないな」

エメ「ね・・・ねぇ・・・。アクア団って・・・ホント?」

エメも恐れた様子でゼノに尋ねる。

ゼノ「安心しろ。今のオレはアクアとは関係の無い男だ・・・」

エメ「・・・ゼノはウソつかない感じだし・・・まぁ、信じるよ」

ゼノ「・・・助かる。では、先に行くぞ」

エメ「うん!!」

2人は、奥へと向かって走り出した。

第9話 マグマ団『侵略』 前編 終り

第9話 マグマ団『侵略』 後編

団員「うわぁぁ!!て、撤退だぁ!!」

エメ「へへ!!さぁさぁ、次かかってこい!!ってね」

ゼノ「・・・いや、ここから先は戦闘は行わずに進むぞ」

エメ「え〜?なんでさ?」

エメはガッカリしたような表情で聞く。

ゼノ「ここで戦闘をすれば、団員達が集まってくる。そうなった場合、抵抗するの が難しい」

エメ「あ・・・そ、そっか」

エメは納得したように言った。
そして、2人は極力戦闘を避けながら奥へと進む。

ゼノ「この部隊のリーダーはカガリだ。ヤツは強い・・・」

ゼノは歩きながら言う。

エメ「え?・・・あ、そっか。アクア団なら戦うこともあるよね」

ゼノ「オレも1度交戦したコトがある。・・・乾杯だったがな」

エメ「勝てるの?そんな強敵に」

ゼノ「・・・勝てる見込みは少ない。だが、要はマグマ団をここから撤退させれば いいんだろう?」

エメ「そ、そうだけど・・・」

ゼノ「・・・それなら、オレに考えがある」

エメは驚いたような表情でゼノを見る。

====================================
・・・そして、2人は最奥の小部屋へとやってきた。

エメ「いよいよ決戦だね!!」

ゼノ「ああ。・・・覚悟は・・・いいにきまってるな」

エメ「うん。それじゃあ、行くよ!!」

2人は奥へと進んでいく。
そこには、1人の女性が待ち構えていたかのように立っていた。

???「はぁ〜やっと来た?待ちくたびれたよ・・・ったく」

エメ「ウルサイッ!!ここからでていけっ!!」

エメが女性に向かって声を上げた途端、火炎放射がキュウコンから発射された。

???「うっさいなぁ。アタシは任務だからやってんの」

エメ「クッ・・・言わせておけばっ!!」

飛び掛ろうとするエメを、ゼノが右手で抑える。

エメ「ゼ、ゼノ!?」

ゼノ「・・・・・・・」

右手でエメを抑えながら、目でエメを黙らせた。

カガリ「はぁ・・・アタシはカガリ。アンタ、ゼノ=マーキスでしょ?」

ゼノ「・・・・・・」

カガリ「アクアの作戦副隊長が、マグマの活動に干渉しようだなんて、一体何を企 んでんの?」

ゼノ「・・・オレはアクアとはもう関係のない男だ」

カガリ「へぇ。で、マグマ団に泣き寝入りしてきたってトコ?」

カガリは皮肉った様子で続ける。

カガリ「でも、ウチはそういうのお断りなんでよねぇ〜」

カガリの言葉が冷たく、洞窟の小部屋内に広がる・・・。
小部屋内には、緊迫とした空気が張り詰めていた・・・。

ゼノ「・・・今、ここにはホウエンチャンピオンのダイゴが来ている」

カガリの様子がかすかに歪む。
ゼノは表情が変わったのを見逃さず、冷静に続ける。

ゼノ「証拠はコレだ。ツワブキ社長から、石の洞窟にいるダイゴへ渡して欲しいと 預かった」

ゼノは、カナズミでツワブキ社長から預かった「届け物」を見せながら続ける。

ゼノ「そして、アクアもお前達同様石の洞窟へ干渉しようとしている」

さらに追い討ちをかけるように、冷静に続ける。

ゼノ「信用しないのならそれでも別に構わない。だが、後々貴様達が不利になるの は目に見えているがな」

エメ(す、スゴイ・・・)

ゼノ「・・・フッ、せめてもの情けだ。すぐに撤退すると言うなら、オレがこの場 をやり過ごしてもいいが?」

ゼノのとどめの言葉がお返しと言わんばかりに、カガリに突き刺さる。

カガリ「ちぃっ!!わかったわよ!!ったく、流石は元作戦副隊長、頭と口は良く 動くわ!!」

カガリは最高に皮肉った言葉を吐き捨て、洞窟内から撤退して行った。

ゼノ「・・・・・・・・」

エメ「なんだよ、偉そうに!!ゼノ、気にしないでいいよ」

ゼノ「・・・ああ、別に気にはしていない」

エメ「そう?それじゃ、戻ろっか?」

その時、1人の男性がやって来た。

???「キミ達、大丈夫かい!?」

エメ「え?だ、誰?」

???「ああ、すまない。僕はツワブキ=ダイゴ。怪我は無いかい?」

エメ「はい」

ラルド「ゼノ!!大丈夫!?」

アリス「まったく!!一言ぐらい相談したっていいでしょ!!」

ゼノ「・・・すまない。お前達はどうやって・・・?」

ラルド「ダイゴさんと会ってね。一緒に、無理言って連れて来てもらったんだ」

ゼノ「そうか。ダイゴさん、ツワブキ社長から届け物を預かっていたのでお渡しし ます」

ゼノは「届け物」をダイゴに渡す。

ダイゴ「わざわざ有難う」

ラルド「あれ?キミは?」

エメ「僕はエメ=フィルリア。よろしく」

ラルド「こちらこそ、よろしく^^」

ダイゴ「マグマ団は、キミ達が?」

エメ「僕じゃなくて、追い払ったのはゼノですよ」

ラルド「本当!?スゴイじゃないか」

アリス「ま、ゼノなら余裕ってトコかしら?」

ゼノ「・・・・・・・・」

アリス「アハハハハ!!ゼノ、また照れてる♪」

エメ「ハハハハ、ゼノ赤くなってるよ」

ゼノ(・・・どうもこういう空気に馴染めない・・・)

ダイゴ「フフ、それでは洞窟の外へ戻ろう。僕が案内するよ」

こうして、ゼノの活躍もありラルド達は無事ムロタウンへと向かった。
新しい仲間、「エメ」と共に。

第9話 マグマ団『侵略』 後編 終り

第10話 ゼロの『脅威』

ムロタウンへやって来たラルド達は、ポケモンセンターへ立ち寄っていた。

ラルド「エメも、『レッド』って言う人知らないんだ」

エメ「うん。・・・ねぇ、その『レッド』って人友達?」

ラルド「うん。親友なんだマサラにいた時の」

預けたポケモンを受け取り、ゼノが戻ってくる。

ゼノ「オレの用は済んだ。お前の用は済んだのか?」

ラルド「うん。ある程度、聞いて回ったけど・・・誰も知らないみたいだ」

エメ「僕も聞いたんだけどね。あ、ティオも元気になってた?」

ゼノ「ああ」

ゼノはエメにボールを渡す。

アリス「それじゃあ、もう次に行くの?」

ラルド「うん。ボクはそのつもりだけど・・・」

ゼノ「なら、オレ達も出発しよう」

==============================
ラルド達はハギ老人の所へとやって来た。

ハギ「おうおう、坊主達じゃないか。石の洞窟では大活躍だったらしいのぉ」

ゼノ「・・・いや・・・」

ラルド「ゼノ、まだ照れてるの?」

ゼノ「・・・気にするな。それより、船を出してもらうんじゃないのか?」

ラルド「わかってるよ。ハギさん、次は『カイナシティ』へ向かって欲しいんです けど」

ハギ「カイナにかの?ハッハッハ、それぐらいお安い御用じゃ」

ラルド「有難うございます^^」

???「おや、キミ達かい?マグマ団と戦ったってのは?」

町の方角から、1人の青年が走ってくる。
脇にはゴーリキー、カイリキーを従えトレーナーのようだ。

エメ「え?そうですけど・・・?」

トウキ「やっぱりそうか。オレはトウキ。ムロジムのリーダーだ。よろしくな」

謎の青年の正体は、ムロタウンジムリーダーのトウキだった。

ラルド「こちらこそ」

トウキ「いやぁ〜オレは住民の避難で手がいっぱいでね。マグマの連中を追い払っ てくれたキミ達にお礼がしたくてさ」

ゼノ「・・・礼をされるほどのコトはしていない」

トウキの言葉に、ゼノは照れながら答える。

トウキ「いや、本当に助かった。有難う」

エメ「ね、素直に受け取っとこうよゼノ」

ゼノ「・・・わかった」

トウキ「それで、キミ達はカイナへ?それともトウカ?」

アリス「カイナシティだけど?」

トウキ「カイナか・・・。今、水道の途中にある『捨てられ船』近海で凄腕のアク ア団トレーナーがいるって話だ」

ゼノ「・・・それは本当なのか?」

トウキ「ああ」

アリス(・・・ゼノ、もしかして・・・)

ゼノ(ああ・・・。アイツが動いたんだ)

トウキ「まぁ、とにかく。そいつらには気をつけろよ。じゃな!!」

トウキはゴーリキーとともに別の方向へと走っていった。

ラルド「それじゃあ、行こうか」

ラルド達は船に乗り込み、ハギ老人の船はカイナシティ向かって出発した。

・・・そして、1日が過ぎた。

エメ「オェ〜・・・。流石に酔うなぁ・・・」

ラルド「大丈夫?エメ」

エメ「うん。でも、ゼノやアリスもそうだけどよく酔わないね」

ラルド「え?そうかな・・・」

ハギ「起きろ!!例の『凄腕トレーナー』がこっちに向かってきたぞい!!ハッハ ッハ!!」

ゼノ「クッ・・・やはり来たか・・・。予想はしていたがな」

アリス「どうすんのよ!!多分相手は・・・」

その時、船がポケモンの攻撃によって大きく揺れた。
ラルド達は船の外へ出る。

???「フフ・・・見つけましたよ。ゼノ、アリス。いや・・・反逆者よ」

ゼノ「やはり来たか・・・!!ゼロ=ヴェクター!!」

アリス「みんな、気をつけて!!ゼロは強敵よ!!」

ゼロ「・・・逃しはしません・・・。シザリガー、クラブハンマー」

ラルド「クッ・・・なんで戦わなくちゃならないんだ」

アリス「キルリア、念力で動きを封じて!!」

しかし、キルリアの念力をなんなく振り切りキルリアを叩き飛ばす。

アリス「キルリア!?」

ゼロ「・・・悪に念力は通じません。まだ、未熟なようですね」

アリス「そ、そうだったわ!!いつもならそんなの間違えないのに・・・」

ゼノ「ヤツは心理作戦を応用している。オレ達の心を動揺させているんだ」

ゼロ「流石はゼノ。私の教えをすべて覚えているようですね・・・」

ゼノ「・・・・・・」

ラルド「戦うのは嫌だけど・・・相手が『悪』なら・・・ボクはっ!!」

ラルドの目が、カナズミ同様緑色に光りだす。
手からも緑色の光が滲み出る。

ゼロ(・・・これが例のアレですか・・・)

ラルド「・・・悪は倒す・・・。キング、引っかく攻撃・・・!!」

しかし、ゼロはポケモンをボールに戻す。

ゼロ「・・・フフ、今日はここまでに致しましょう・・・。では、御機嫌よ う・・・」

ゼロはそう言い残すと、一瞬にして姿を消した。

ゼノ(・・・一体どうしたんだ・・・?)

ラルド「あ・・・あれ・・・?ボク・・・」

エメ「ラルド、大丈夫?疲れてるみたいだけど・・・」

ラルド「う・・・うん。少し、休もうかな・・・」

ゼノ(・・・カナズミの時もそうだが、ラルドが一瞬だけ人格が変わる・・・それ と関係しているのか?)

ラルド達は「ゼロの『脅威』」を胸に刻みながら、旅を続ける。
船は、「捨てられ船」を通り過ぎ「カイナシティ」へとゆっくり向かう・・・。

ポケットモンスター★エメラルドアドベンチャー 第1章〜旅立ちの時〜 〜完〜

・あとがき

なんとか、第1章全話終了しました^^

序盤はうまく続けられるか不安でしたが、気合と根性(?)で書き終えました。 ラルドの親友探しの物語も、まだまだ始まったばかりなのでこれからの活躍を楽し みにしていて欲しいです。
まだまだ、登場していないキャラクターも沢山いるのでまだまだこれからってトコ ですね。

・・・大分先は長いですが、がんばって最終章の第4章まで頑張りたいと思います ^^

〜これからの物語〜
ゼロとの戦闘で、恐怖を知ったラルド達の前に謎の物真似師が現れる。
そして、ミカル等多くの人物が登場しラルドの親友探しの物語もどんどん進んでい く。
マグマ団、アクア団、両団の野望も次第に解明されていく・・・。
果たして、ラルドはレッドを探し出すコトができるのか!?
ラルド達の第2回戦が始まる!!
==============================
それでは、これからも「エメアド」宜しくお願いしますw
以上、作者のあとがきでした^^


ポケットモンスター★エメラルドアドベンチャー
作者 テンカワ・アキト






















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