ポケットモンスター★エメラルドアドベンチャー〜赤き勇者〜




(天河 アキト(ガロード)さん作)

第1話 謎の『物真似師』

「ゼロの脅威」で大きいダメージを受けたラルド達。
ラルドは自分への恐怖で黙り込んでいる。ゼノは普段通り冷静で無口だ。アリスも
いつもの元気さが吸い取られたようだ。
エメは3人の様子を見て、おどおどした様子だ。
静まり返った船は、「カイナシティ」へ向かって運航を続ける・・・。

ハギ「ふぅ〜む。何やら元気がないのぉ」

一言も言葉が飛ばない船室を覗きながら呟いたのは、この船の舵をとるハギ老人。
その声を聞くと、エメがこちらへ逃げてくるように船室から出てきた。

エメ「はぁ・・・どうしちゃったんだろ。ラルド達」

ハギ「まぁ、若い頃はいろんな悩みがあるもんじゃからのぉ」

誇らしげに笑いながら、ハギ老人は語りだす。

ハギ「あの子らは『恐怖』を知ったんじゃ。えぇ〜と・・・名はなんといったか
の?」

エメ「ゼロ=ヴェクター、ゼロってアリス達は呼んでるみたいだけど」

ハギ「そうじゃ思い出した。ゼロと戦った事であの子らは恐怖を知り、恐れている
のじゃよ」

ハギ老人の言葉を、尊敬の眼差しで耳を傾けるエメ。

エメ「すごいなぁ・・・。ハギさん、ただの船乗りじゃないね!!」

ハギ「ただの船乗りに見えたかの?そりゃあムリもない。はっはっはっは!!」

ハギ老人はエメの言葉を聞くと、笑いながら言う。
2人が話している内に、北の方角に大陸が見えてきた。

ハギ「お、見えてきたのぉ。あれが御主らの目的の場所、『カイナシティ』じゃ」

エメ「あ、ホントだ!!やっとカイナに到着だね!!」

船はハギ老人の長年の舵さばきによって、普通より早くカイナへ到着した。
船はゆっくりスピードを緩め、岸で止まった。
ハギ老人は船を固定する作業を続けている。
エメもどうやら、ノリで手伝っているようだ。
一方、ラルド達は一言も交わさないまま船を降りる。

ラルド(レッド・・・ボク、このまま旅を続けられるのかな・・・?ゼノ達は大切
な友達で見捨てるなんてできない)

ゼノ「・・・ラルド」

一人考え込んだ様子を見せるラルドに、ゼノが問いかける。

ラルド「え・・・何?」

ゼノ「・・・いや、何でもない。悪かったな」

その会話だけで、その後は何も会話をしないままハギ老人のもとへ。

ハギ「坊主達、体にはくれぐれも気をつけるんじゃぞ?」

ラルド「はい・・・。あの、あんな危ない目にあわせてしまって申し訳ありませ
ん・・・」

ハギ「・・・ラルド、一言だけ言っておくぞ?」

ハギ老人はいつもの笑顔から真剣な眼差しの表情へと映る。

ハギ「ワシはなんどもあれより危険な目にあっておる。決して自惚れるでない
ぞ?」

ラルド「・・・え・・・?」

ハギ「そして、お前さんはお前さんの信じた道を只管進むのじゃ。お前さんの親友
は何事にも恐れない心の持ち主じゃったぞ?」

ラルド「し、親友・・・!?ど、どういう事ですか!?ハギさん!!」

ハギ老人はそこまでで言葉をきると、いつもの朗らかな表情に戻った。

ハギ「その先の答え、真実は・・・ラルド、お前さんが見つけ出し終わらない闇を
切り開くのじゃ」

ゼノ(・・・・・・?)

その言葉は、今のラルド達には理解できなかった。
ハギ老人もその言葉を理解できるハズがないとわかっていたかのようだ。

ハギ「では、元気での。また逢おう!!」

エメ「じゃあね〜!!ハギさん!!」

ラルド「ハギさん・・・本当に・・・有難うございます」

ハギ老人はラルド達の影が見えなくなるまで、いつまでも・・・いつまでも・・・
手を振り続けていた。
それは、今のラルド達には手の届くハズがない眩く輝く太陽のような存在に見えて
いた・・・。

・・・ラルド達はカイナ市街に入ろうかといった所まで旅路を進めていた。
ハギ老人の言葉が胸に大きなシンバルを鳴らされたように鳴り響くラルドは、やは
り考え込んだ様子を見せている。
するとそこへ・・・。

???「何やら、まだ考え込んでいるようじゃのぉ」

ラルド「え!?」

エメ「こ、この声って・・・もしかして・・・」

???「もうワシを忘れてしまったかの?」

ゼノ(いや・・・確かに似ているが、雰囲気が違うな・・・誰だ?)

エメ「は、ハギ老人!?」

ラルド達の前に現れたのは、ハギ老人の声・・・。
しかし、ゼノはこれを疑っている様子だ。

ラルド「ハギさん!?ど、どうして・・・」

???「ハハハハ!!!いやぁ〜僕の物真似、やっぱ天才かな?」

ラルド「え・・・?」

その声は一変し、陽気な青年の声へと変わった。

ゼノ「何者だ?姿を現さないのならば、敵とみなし攻撃す・・・」

アリス「んなワケないでしょ」

ゼノ「・・・とにかく、姿を現せ」

ゼッペル「ハイハイ、僕はゼッペル=レイ。世界を旅するナンバー1の物真似師
さ!!」

エメ「・・・へ?」

目を何度も瞬かせながら、エメはその青年を見つめる。
ラルド達には、どう見ても世界1の物真似師というよりは、「謎の物真似師」とし
か思えないようだ。

第1話 謎の『物真似師』 終り



第2話 『稲妻』をまといしポケモン 
謎の物真似師ゼッペルに連れられ、ラルド達はカイナのポケモンセンターへと来て
いた。

ゼッペル「・・・へぇ、それでその親友を探してキミ達は旅してるってワケか」

ラルド「はい。・・・その・・・ゼッペルさんはどうして・・・?」

ラルドは何やら気まずそうに尋ねる。
ゼッペルは少し笑みを浮かべた。

ゼッペル「オイオイよしてくれよ。僕は14でキミは13。たいして変わんないん
だから、ゼッペルでいいさ」

ラルド「は、はぁ・・・」

ゼノ(・・・全く、陽気なヤツだ。礼儀を知らないにも程がある。それに、まだコ
イツが下手な嘘をついてる可能性はある)

ラルドはゼッペルのあまりのマイペースさに呆れかえっており、ゼノは自分の考え
では理解できないほどの陽気さから、まだゼッペルを疑っているようだ。

アリス「聞きたいことがあるんだけど、いい?」

ゼッペル「オヤオヤ、これはこれはかわいい女の子だね。何だい?」

アリス「最近、ここらってアクア団に襲われたりしてないの?」

アリスの質問に、かすかに表情が歪む。
ゼノもこの一瞬を見逃さなかった。

ゼッペル「・・・ま、僕も最近ここへ来たばかりでね。あまりそういう事は知らな
いねぇ」

ゼノ(・・・この男・・・明らかに知っているな。どういうつもりだ・・・?まさ
か、オレとアリスが元アクアだった事も?)

ゼッペル「オイオイ・・・さっきからキミ、僕を疑ってるようだけど?」

ゼノ「・・・・・・・・・」

ラルド「あ、あまり気にしないでいいよ。ゼノはいつも無口なんだ」

ラルドが庇う様にゼッペルに言う。
ゼッペルもその後は深く追求はしなかった。

ラルド「それじゃあ、ボクからも質問していいかな?」

ゼッペル「どうぞ御自由に」
 

ラルド「・・・『レッド=グレーデン』という名を聞いたことがない?」

ゼッペルは、その質問を聞いた途端に表情を変えた。
ヘラヘラした表情とは一変し、真剣な眼差しだ。
ラルドも何かを知ってると確信したように見つめる。

ゼッペル「・・・ハハハ、まいったねこりゃ。・・・知ってるよ。前にこの大陸で
活躍した勇者さんだろ?」

ラルド「知ってるの!?それに・・・勇者って・・・!?」

ラルドも飛びついたように質問する。

ゼッペル「落ち着けって。オレの情報では、レッド=グレーデンは確かにホウエン
で戦っていたトレーナーだ」

ラルド(やっぱり・・・レッド・・・)

ゼッペル「彼は、マグマ団やアクア団の野望は危険と判断し戦った。ま、両団共に
こっぴどくやられちゃったんだけどねぇ」

ゼノ(この男・・・)

ゼッペル「ま、僕が知ってるのはこの程度さ。彼の異名は『赤き勇者』。・・・詳
しい事はそこのクールな彼の方が知ってるんじゃない?」

ゼッペルは話をゼノに押し付けるかのようだ。
ゼノも何故、自分なのかを分かっている様子を見せている。

ゼノ「・・・何故オレが知ってると思う?分かるはずもないだろう」

ゼッペル「これは失礼。知的そうに見えたんでね」

ラルド達はゼッペルと話し終わり、ゼッペルは再び旅にでるようだ。
ラルド達もゼッペルを見送りに来ている。

ゼッペル「見送りとは、これまた感激だねぇ。それじゃ、また逢おう!!」

ゼッペルはそう言うと、メタモンをオオスバメに変身させ空へと消えていった。

ラルド「レッドを知ってる・・・。何者なんだろう・・・ゼッペルって」

ゼノ「さてな。オレにも分からないが、今はアイツの正体を知った所で何の意味も
ない。まずは先を急ぐのが賢明だ」

ラルド「・・・そうだね。それじゃあ次の町、『キンセツシティ』へ向かおう」

ラルド達が荷物を整理し、旅立とうとするとエメが呼び止めた。

ゼノ「ラルド。僕さ・・・そろそろ1人で旅立とうと思ってるんだ」

エメのいきなりの発言に、驚きの表情を見せるラルド。
ゼノは分かっていたかのような表情を見せている。

アリス「どうして?せっかく楽しくなってきた所なのに」

エメ「僕、1人でいろいろホウエンのために戦いたい!!マグマ団に襲われている
町や人がいたら、助けてあげたい!!」

ラルド「エメ・・・」

エメ「それに・・・さっきのゼッペルってヤツ、怪しいじゃん。僕が追尾任務を引
き受けたってコトにすれば問題ナシでしょ?」

エメはにこやかに笑いながらラルドに言う。

ゼノ「・・・わかった。ラルド、エメは立派なトレーナーだ。大丈夫だとオレは思
う」

ラルド「うん。エメ、体には気をつけてね。・・・それと、絶対ムリはしちゃ駄目
だよ」

エメ「わかってるよ。それじゃね!!」

エメは大きく手を振ると、ネイティの足につかまりゼッペルと同じように空へと消
えた。
ラルド達もそれを見送ると、再び旅立った。
しばらく歩くと、草むらが見えてきた。
そこには、一匹のポケモンが野生ポケモンに襲われている。

ラルド「あれは・・・危ない!!キング、引っかく攻撃!!」

ボールからナマケロが飛び出し、敵のジグザグマに引っかく攻撃を当てる。
野生のジグザグマはすぐに逃げて行った。

ゼノ「あれは・・・ラクライだな」

アリス「ラクライ?」

ゼノ「ああ。稲妻をまといしポケモンという異名があるポケモンだ。しかし・・・
あのラクライ、かなり早いな・・・」

ゼノは一瞬でラクライの素早さを見抜いたようだ。
アリスもラルドもこれにはただただ、驚くしかない。

ラルド「そ、そうなんだ・・・。でも、なんでそんなに強いポケモンが襲われてた
んだろう?」

ゼノ「・・・お前と一緒だ・・・」

ラルド「え?何が?」

そんな会話をしていると、ラクライはラルドのキングと仲良くなっていた。
ラルドもようやくそれに気づく。

ラルド「・・・あれ?キングとラクライが・・・」

アリス「あらら、仲良しになってるじゃない。・・・どう?ゲットしてあげた
ら?」

ラルド「え?ど・・・どうして?」

アリス「あの子、寂しそうじゃない。ね?」

ラルドはアリスにそういわれると、確かにそうかもしれないという表情をして見つ
める。

ラルド「・・・そうだね。わかったよ」

そういうと、バッグのポケットからモンスターボールを1つ取り出す。
ラクライも全く抵抗する仕草を見せていない。

ラルド「頼むよ、モンスターボール!!」

掛け声と共にボールが宙を舞い、ラクライを捕らえた。
ボールは軽く3、4回揺れると静止した。

ゼノ「ゲット成功だな」

ラルド「うん。それじゃあ・・・ラルでいいかな、ニックネーム」

アリス「ラル・・・ね。別にいいんじゃない?ね、ゼノ」

ゼノ「・・・オレには分からない」

アリス「あちゃぁ・・・ゼノにふっても駄目よね」

ラルド「アハハ。別にいいよ。それじゃあ、行こうかキング」

キングをボールに戻し、ラルド達は歩き出した。

ゼノの言葉の意味が、ラルドには分からなかった。
でも、今はなんとなく分かる・・・ラルの気持ちが・・・。
そんな言葉が頭に浮かぶ。
この思い出もラルドの胸にしっかり刻み、ラルド達の旅はまだまだ続く。

第2話 『稲妻』をまといしポケモン 終り


第3話 キンセツと『少女』 前編 

新しい仲間、「ラクライ」を加えて旅を続けるラルド達。
サイクリングロードの下の道を通り抜け、キンセツシティへとやってきた。

ラルド「やっとついたね。あれがキンセツシティでしょ、ゼノ?」

ある町を指で指しながらラルドがゼノに聞く。

ゼノ「ああ。四方を道で囲まれている為、別名『ホウエンの交差点』とも呼ばれて
いる都市だ」

冷静に答えるゼノを尻目に、アリスは輝いた目で街を見つめている。

アリス「ねぇねぇ!!あそこってショッピング店がいっぱいあるんでしょ!?」

ゼノ「・・・一応はある。だが、カイナ程の市場やミナモ程の大きなデパートがあ
る訳ではない」

ゼノの言葉を全く聞いていない様子のアリスは1人で先を急ぎ始めた。

ラルド「・・・いつも思うけど、アリスって元気だね。疲れないのかな?」

あきれ返った目でラルドが呟く。
アリスはカイナの市場でも沢山の買い物をしており、荷物はすべてラルドが持たさ
れたので、ただただあきれ返るほかはなかった。

ゼノ「・・・いつもの事だ、気にするな。それより、オレ達も先を急がねばな」

ゼノはもう慣れてしまった様子だ。
歩き始めたゼノの後ろを、まだ納得行かない表情を伺わせているラルドが続く。

・・・そして3人はキンセツシティへやって来た。
アリスは早速フレンドリィショップへ向かい、ラルドとゼノは荷物持ちを避ける
ためポケモンセンターへよっていた。

ラルド「ポケモン達、よろしくおねがいします」

ジョーイ「はい、お預かりします」

ラルドは自分のポケモンの入った3つのボールを渡した。
ゼノはすでに預けているようだ。

ゼノ「・・・ある程度聞いて回ったが、レッドの情報を知っている者とは出逢わな
かった」

ゼノはセンター内の他のトレーナー達と会話をした後、ラルドにそう言う。
ラルドも少しうつむいてゼノの方を見る。

ラルド「仕方ないよ。ボクだってそう簡単に見つかる旅じゃない事ぐらい自覚して
るつもりだから・・・」

ラルドの言葉にゼノは安心したような様子を見せた。


そこへ、買い物を済ませたアリスがやって来た。
両手はあふれんばかりの買い物袋でふさがれ、センター内の人達の注目の的となっ
ていた。

ラルド「あ・・・アリス・・・。それは買いすぎじゃ・・・?」

いっぱいの買い物袋を見ながらラルドは言う。
ゼノは腕を組んで、椅子に座っている。

アリス「女の子は買い物が好きなんだからいいじゃない。あ、ちゃんと彼方達の分
も買ってきてあるから♪」

ラルド(そ・・・そういう問題じゃ・・・)

ラルドがこれ以上にないあきれ返った様子を見せていた・・・その時!!

ドガーーーーーーーーーーーーーーーン!!!!!!!!!

激しい爆音と共に、大量の水が流れ込んできた。
センター内の人達は、慌てふためいてパニック状態となっている。
ゼノもすぐに目を開け、キングドラを繰り出してラルドとアリスを乗せる。

ゼノ「クッ・・・!!大丈夫か?」

ラルド「あ、有難うゼノ。助かったよ・・・」

アリス「あ〜〜〜!!!もうっ!!買い物袋流されちゃったじゃない!!!!!」

流れていく買い物袋を見つめながらアリスが騒ぎまくる。
しかし、ラルドが耳をふさいでいる中ゼノは全く気にしていない。

アリス「今すぐキングドラで買い物袋を追って!!!は〜〜や〜〜く〜
〜!!!!!」

ラルドはもう我慢できない様子で耳をふさいでいる。
しかし、それでもやっぱりゼノは気にしていない。

ゼノ(これだけの水を流し込む・・・ということは、キンセツシティを海に変える
あの計画が?)

気にするどころか、ゼノは別の事で頭がいっぱいのようだ。
アリスもやっと諦めると、新聞紙があっという間に燃えてしまったかのように静か
になった。
ラルドもホッっと一息。

ゼノ「ドラル、このままではこの建物ごと閉じ込められる。なんとか脱出してく
れ」

ドラル「ドラルルルル」

キングドラは軽く一回泣き声を上げると、物凄いスピードで水の上を進み始めた。
センター内は椅子やテーブルなども流され、まるで津波が襲ってきたかのような状
態だ。
するとその時・・・。

ジョーイ「ラルドさん!!も、モンスター・・・ボールを・・・」

ラルド「!?」

ジョーイは渦が発生した水の中へ飲み込まれ、3つのボールだけが水の上を漂って
いる。

ゼノ「ドラル、ボールの所へ行け」

ドラル「ドラルルルルゥゥゥゥ!!!」

渦が水を吸い込むスピードより早くキングドラは泳ぎだし、なんとかボールの所へ
辿り着いた。

ラルド「有難うゼノ。キング、ラル、ラージ大丈夫!?」

ボールを拾いながらラルドは問いかける。

ゼノ「よし・・・!!スピードを上げるぞ、しっかりつかまれ!!」

キングドラはポケモンセンターの出口へ猛スピードで泳ぎだす。
出口の光が少しずつ近づいてきた・・・!!

第3話 キンセツと『少女』 前編  終り

第3話 キンセツと『少女』 後編 


壊れた電動ドアを抜け、キンセツ市街へと飛び出たラルド達。
しかし・・・ラルド達の目に入った光景は、さっきまでのキンセツ市街とは別の異
世界に飛ばされたような光景だった・・・。

ラルド「ッ!?・・・こ、これ・・・」

アリス「・・・酷い・・・!!」

アリスは両手を口元にあわせて目を驚いたように見開いている。
ラルドもあいた口がふさがらない様子だ。
ただ1人、冷静に状況を把握しようとしているのはゼノ。
ゼノはキングドラに、どこか岸辺を探すように指示するとキングドラは近くの丘が
あった場所に運んだ。
3人はキングドラからゆっくり降りた。

ゼノ「・・・やはり、あの『計画』が発令されたようだな」

アリス「あの『計画』って・・・まさか!!」

アリスはゼノの顔を見て、信じられないと言わんばかりの様子だ。
ゼノは驚くアリスを見らずに続ける。

ゼノ「そう・・・そのまさかだ。『シー・ラージ・プラン』・・・海拡大計画」

ラルド「シー・ラージ・プラン?」

ゼノ「ああ。水ポケモンのハイドロポンプ等の攻撃で大量の水を市街に流し込み、
海へと変化させる計画」

アリスとラルドはまだ状況が把握できていないようだ。

ゼノ「その標的候補として挙がっていたのがこのキンセツ。・・・よく考えれば考
えられない事もなかった事だ」

丘の上で、3人はどうする事もなく・・・ただ立ち尽くすことしかできなかった。
キンセツのあちらこちらでは、ペリッパーに乗った団員達が空を回っている。

ゼノ(しかし・・・あまりに急ではないか・・・?それとも・・・ゼロ
か・・・?)

ラルド「ゼノ。何か対策法とかはないの?」

ゼノ(ゼロが言い残したあのセリフ・・・。そしてこのタイミング・・・オレ達は
踊らされていたのか?)

ラルドの呼びかけにゼノは全く動じない。
何やら考え事をしているようだ。
ラルドの5回目の呼び声で、ゼノはやっと我に返る。

ゼノ「・・・何だ?」

ラルド「だから、何かこの計画の対策法はないのって聞いてるんだよ。このままじ
ゃキンセツシティが」

アリス「そう言えば・・・ここのジムリーダーは誰だっけ?」

アリスは何か閃いた様子だ。

ゼノ「そういえば・・・確かにこの街のリーダー、テッセンが動いていない
な・・・」

ラルド「テッセン?」

ゼノ「このキンセツのジムリーダーだ。ホウエンのリーダーの中で最もエリート
だ」

ラルドは誰だったか思い出した表情に変わった。

ラルド「あ、父さんから聞いたことがある。その人を尋ねれば・・・!!」

ゼノ「ああ。彼は電気タイプのエキスパートでもある。アクア団に対抗するには、
彼の力が必要だな」

アリス「そうね!!早速ジムへ向かいましょう!!」

アリスとラルドの顔を見ると、ゼノは再びキングドラを繰り出す。
キングドラはゼノの指示を聞くと、ジムへと向かった。

・・・そのころ、ジムでは・・・

???「テッセンさぁ〜ん!!」

テッセン「まつんじゃアクア団!!その子を話すのじゃ」

アクア団員「ハハハ、その頼みを聞くわけにはいかんなぁ。最も、貴様がオレ達に
協力するのであれば話は別だがな」

ジムでは、5人の団員とテッセンと呼ばれる男性。
それに加え1人の団員に捕まっている少女が1人・・・。
テッセンは今、窮地に立たされていた・・・。

第3話 キンセツと『少女』 後編  終り
 
第4話 『ゼロ』VSラルド 前編 

テッセン「クッ・・・」

テッセンは拳を握り締め、歯をくいしばって怒りを抑える。
団員達は皆で声を大きく上げて笑っている。
しかし、その時だった。
捕まっていた少女が縛られている手をゴソゴソと動かしている。

テッセン(ム・・・?)

テッセンもそれに気づき、敵の注意をこちらに退き付けようとしている。

テッセン「お主等はキンセツを・・・ホウエンを本当に海で多い尽くそうとしてお
るのか!?」

アクア団員「無論だ。元々地球は海の星だったのだ。海からすべてが始まり、海が
すべてを作り出した」

テッセンは何とかして団員達を喋らせようとしている。
その間にも少女は手を腰にやっている。

少女「いけぇ!!アロマ、葉っぱカッター!!」

ボールからキレイハナが飛び出し、葉っぱカッターを華麗に撒き散らす。
団員達に襲い掛かる無数の葉っぱに団員達は逃げ惑う。

少女「今の内だよテッセンおじさん!!早く逃げよ♪」

少女はこちらを向いて無邪気に微笑むと、テッセンにそう言う。
テッセンもにこやかに笑い返すと、走ってジムの外へと向かう。

テッセン「助かったぞい、ミカル嬢ちゃん」

ミカル「えへへ・・・。ミカルだってやる時はやるんだから♪」

2人がジムの外へ脱出すると丁度鉢合わせた様にラルド達がやって来た。
水がせまろうとしているジムの入り口付近で、テッセンはラルド達に助けを求め
る。

テッセン「お〜い、そこの諸君ワシらを助けてはくれんかの!?」

ゼノ「あれは・・・」

ラルド「もしかしてテッセンさん!?今助けます!!」

ラルドは1人キングドラから飛び降り、泳いで助けに向かう。
ゼノはそれを見て、急いでラルドの泳いで行った方に向かう。

しかし、その時だった。

ザザーーーーーーーーーーーーーーーン!!!!!!!!

大量にあふれた水が大きな高波となり、泳いでいったラルドと避け切れなかったミ
カルを飲み込んだ。

アリス「ラルド!?返事しなさい!!ラルド!!」

ゼノ「クッ・・・!!捜索は後だ。まだ高波の余波がおきる可能性がある!!」

冷静なゼノも動揺を隠しきれていない様子だ。
まずはテッセンを乗せ、高波が来ない場所まで移動する。

ザザーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!!!!

ゼノの予測どおり、再び高波が起きた。
2度の高波で、完全にラルドとミカルの行方はわからなくなっていた。

テッセン「おお・・・なんという事じゃ!!」

ゼノ「クッ・・・!!これでは捜索で発見できる可能性は絶望的か・・・」

アリス「嘘・・・そんなの嘘よね!!嘘って言いなさいよ!!」

高波は・・・キンセツのすべての物だけでなく・・・ゼノ達の思いまで流しつくし
ていった・・・。

第4話 『ゼロ』VSラルド 前編  終り
 
第4話 『ゼロ』VSラルド 後編 



高波に飲み込まれたラルドとミカル。
2人は気を失ったまま、キンセツの街外れまで流されていた。
激しい水の流れによって2人は陸に流れ着いていた。

ラルド「う・・・こ、ここは・・・?」

目が覚めたラルドはヨロヨロと立ち上がる。
起き上がると、隣のいたミカルに気がつく。

ラルド「あれ・・・この子は・・・」

バッグの中から寝袋用の毛布を引っ張り出し、まだ気がついていないミカルに掛け
てあげるラルド。
呼吸をしているかを確認すると、そのまま寝かせた。

ラルド「それにしても・・・この子は一体・・・?」

ラルドはふとテッセンが自分に助けを求めた時を思い出した。
頭の中で、テッセンともう1人その隣にいた少女を思い出す。
その少女と気を失っている少女を照らし合わせて、やっと気がついた様子を見せ
る。

ラルド「この子は確かテッセンさんと一緒にいた子だ!!・・・あの高波に飲まれ
てボクと一緒に・・・」

ラルドがミカルを見ていると、ミカルは目をゆっくり開けた。
ラルドは体の具合を尋ねる。

ラルド「大丈夫?・・・それと・・・名前、なんていうの?」

ミカル「・・・アタシ、ミカル=リューナ。って・・・それより、ここど
こ・・・?」

ミカルは突然高波に飲まれたので、状況が分かっていない様子だ。
ラルドはゆっくり、自分がわかる限りの状況を説明する。
そして一通り説明を終え・・・。

ミカル「ってコトは、ミカルとラルドは高波にさらわれてこんなトコまで流されて
きちゃったの?」

ラルド「そう。だから、一緒に協力してテッセンさん達と合流しよう」

しかしその時だった。
後ろで足音と同時に男性の声が聞こえた。

???「お久しぶりですね。ラルド=スカイ」

その声を聞いた途端、ラルドは背筋が凍りついた。
声の主の正体がラルドには一瞬でわかったようだ。

ラルド「・・・こ、この声は・・・ゼロ=ヴェクター・・・?」

ゼロ「覚えていただけていたとは光栄ですよ。ですが、任務は任務です。ここで彼
方を排除致します」

ラルドが振り返ってゼロの表情を見る。
ゼロはにやっと不気味に笑った。

ゼロ「シザリガー、クラブハンマー」

シザリガー「シザリィィィィィ!!!!」

ラルドとミカル目掛けてシザリガーがクラブハンマーを振り下ろす。
ラルドは間一髪でミカルをつれて避けた。

ラルド「クッ・・・!!」

ミカル「ラルドってば!!こっちも反撃しなきゃ!!」

ラルド「・・・駄目だ!!ボク達じゃあの人に勝てない・・・。ゼノやテッセンさ
ん達がいれば・・!!」

ラルドには十分ゼロの恐ろしさが分かっていた。
あの船での出来事・・・「ゼロの脅威」を忘れてはいない。

ゼロ「お喋りをする余裕があるとは・・・油断が過ぎますよ。シザリガー、水の波
動」

つづいてはシザリガーのはさみから水の波動が発射される。
ラルドはボールとっさに握り締め、ラクライを繰り出す。

ラルド「ラル!!10万ボルトッ!!」

かろうじてラクライの10万ボルトが水の波動を防いだ。
しかし、ゼロは余裕の笑みを浮かべている。

ゼロ「水タイプに対し電気タイプで対抗・・・セオリー通りで私に適うとは思わな
いことですよ」

シザリガーはより協力なハイドロポンプを発射する。
じょじょに10万ボルトが押し返されてきた。

ラルド「クッ・・・ど、どうすれば・・・!!・・・レッド・・・」

レッド(大丈夫だ。・・・オレが守ってやる!!)

ラルド「ッ!?」

その時だった。
赤い閃光と共に火炎放射が発射される。
突然のコトにラルドは戸惑っているが、ゼロは冷静に指示する。

ゼロ「シザリガー、ハイドロポンプ」

しかし、タイプでは有利なハイドロポンプが押し返される。
火炎放射を発射しているポケモンはリザードンだった。

ラルド(あれは・・・レッドのリザードン!?)

ゼロ「・・・中々やりますね。シザリガー、クラブハンマーで接近戦を仕掛けなさ
い」

シザリガーは素早く火炎放射を避けながらジャンプし、リザードンに接近戦を仕掛
ける。
しかし、リザードンはそれ以上のスピードでドラゴンクローを仕掛け、シザリガー
は地面に叩き落される。

ゼロ「ほう・・・。私のシザリガーに対抗するとは」

ラルド「ラル、10万ボルト!!!」

別方向からラクライの10万ボルトが襲う。
電撃はシザリガーに命中し、倒れた。

ゼロ「・・・私の手をわずらわせるとは・・・撤退致しましょう」

ラルド(逃げる・・・?いや・・・退いてくれたの?)

ゼロは一瞬にして姿を消した。
それと同時にリザードンもいつのまにか姿を消していた。

ラルド(あのリザードン・・・あの戦い方・・・)

ミカル「あ〜助かったぁ♪それじゃ、帰ろ」

ラルド(それにボクを助けるって・・・あれは・・・レッド・・・!?)

ミカルの呼びかけが聞こえないラルドに、もう一度ミカルが呼びかける。

ミカル「ねぇ!!ラルドってば!!」

ラルド「あ・・・な、何?」

ミカル「早く帰ろうよ。テッセンさん達も待ってるよ♪」

ミカルはすっかり元気になっており、笑いながらラルドに言う。
ラルドもそれを見るとホッとため息をついた。

ラルド「そうだね・・・。それじゃ、帰ろっか」

と笑いながら言い合ってる2人。
しかし・・・重大な事に気づいていない・・・。

ラルド「あ・・・!!『波乗り』が出来るポケモンがない!!」

ミカル「え〜!!!!!」

とコントのように息のあってる2人。
彼等の元気があれば、ホウエンは救えるのだろうか・・・。
アクア団を撤退させる事に成功した2人には、ホウエンを守り抜く使命がかかって
いく事になっていく事をまだ知る良しもなかった。

第4話 『ゼロ』VSラルド 後編  終り

第5話 『疾風の電撃』、戦う門へ 

ゼノ「ラルド!!大丈夫か!?」

2人がどうする事もなく立っていると、後ろからゼノの声が響いた。
2人が振り返ると、キングドラに乗ったアリスとゼノ。
その後ろにはライボルトに乗り、稲妻のごとく海を踊り渡るテッセンの姿があっ
た。
ミカルはテッセンを見るなり、大きな声で読んだり手を大きく振ったりしている。

テッセン「ミカル嬢ちゃん、怪我はないかの!?」

テッセンも手を振り替えしながら、ミカルに呼びかける。
しかし、ミカルの笑顔を見ると少し安心したように表情が和らいだ。
ラルドはゼノに手を振っている。
流石にゼノは振らない性格だが、アリスは笑いながら手を振り返している。

ゼノ「・・・ったく・・・世話を焼かせやがって・・・」

アリス「あら、よほど心配してたのね♪あ〜んなに血相変えちゃって・・・」

ゼノは顔を赤くするが、すぐに戻った。
アリスはクスクスと笑っており、ラルドは何がなんだか分からない様子だ。

ラルド「・・・ゼノ、『あの人』がボクにバトルを仕掛けてきたよ」

ラルドのその言葉を聞くなり、ゼノとアリスに緊迫した空気が流れ込む。
ゼノも顔を強張らせている。

ゼノ「・・・ゼロ=ヴェクターか」

アリス「でも、何でゼロが・・・?」

3人がそんな会話をしているなか、テッセンとミカルが歩み寄ってくる。

テッセン「ラルドとかいったの。御主のおかげでミカルに怪我をさせずにすんだ。
礼を言うぞい」

ミカル「ホント、アリガトね!!」

ラルド「え・・・あぁ・・・いや、その・・・。ただ、体が勝手に・・・」

ラルドは両手を軽く振りながら、困った表情を見せている。
しかし、テッセンもミカルもラルドに感謝しているようだ。

ラルド(ゼロが出てきたのは覚えてるけど・・・ボクが倒したわけじゃない
し・・・それに戦ってる時の記憶がないし・・・)

ゼノ(・・・・・・・・)

・・・・・・キンセツシティへ戻ったラルド達。
街の復旧作業を手伝いながら、旅の話しなどをした・・・。
そして、別れの時・・・。

テッセン「御主等には本当に世話になったの。これは、感謝の印じゃ」

そういうと、テッセンは何かの装置(マシン)のような物を差し出した。
ラルドは目を瞬かせながら受け取る。

ラルド「これは・・・」

テッセンは笑い声を上げながら、マシンを指差す。

テッセン「笑う門には福来る。戦う門には稲妻来る・・・で、それは電撃波の『技
マシン』じゃ」

ゼノ(戦う門には稲妻来る・・・それで電撃波か・・・)

ラルド「電撃波・・・?」

テッセン「うむ。電気タイプの技でもそう簡単に扱える技ではない。電撃波は素早
い電撃を送り込み、敵を逃さない秘儀じゃ」

ラルドはその言葉を聞くと、嬉しそうな表情に変わった。
ゼノやアリスも珍しい技マシンを覗き込んでいる。

テッセン「ミカルの話しではラクライを持っておるじゃろ。そやつを訓練させれ
ば、この技はかなり効果的な技になるじゃろう」

ラルド「有難うございます!!」

テッセンは笑ってラルドを見る。

テッセン「うむ。御主も沢山笑うんじゃぞい。なにせ笑う門には・・・」

ゼノ「福来る。申し訳ないが、オレは笑う気にはなれないな」

ゼノの言葉にアリスが渇を入れて、どこかへ引っ張り去っていった。
ラルドも苦笑いを浮かべている。
すると、ミカルがラルドのところへやって来た。

ミカル「ね、ラルド。ミカルも旅に連れてってよ♪」

ラルド「え・・・ミカルも?」

ミカル「うん。ミカル、一人ぼっちで寂しかったし・・・ラルドは優しくしてくれ
た・・・お兄ちゃんだから!!」

ラルド「そ、そんなぁ・・・って・・・ちょっと待って!!お兄ちゃんっ
て・・・」

ミカルは笑っているが、ラルドは困った表情を見せている。
微笑みながら、ミカルが続ける。

ミカル「それじゃ、今日からラルドはお兄ちゃんだよ。お兄ちゃんは妹の言う事を
ぜ〜んぶ聞かなきゃなんないんだからね」

ラルド「だ〜か〜ら〜!!ボクは一人っ子だからお兄ちゃんじゃ・・・」

ミカル「それじゃあ出発〜♪」

ラルド「待てぇぇぇ〜〜・・・・・」

ミカルを追いかけながら、ラルドは走っていった。
ゼノとアリスもそれを追いかける。
4人の影を見守りながら、テッセンはにこやかに笑っていた。
これからラルド達に「笑う」という感情がでてくるのか・・・。
テッセンはラルド達の旅が無事なモノであるようにといつまでも願っていた。

・・・そして・・・ラルドを攻撃していたゼロを簡単に打ち破った謎の人物
も・・・。

赤き勇者「・・・・・・・」

第5話 『疾風の電撃』、戦う門へ  終り

第6話 『砂嵐』を突き抜けて・・・ 

キンセツシティを北へ進み、レッドを探す旅を続けるラルド達。
新たな仲間、ミカルも加わり4人で砂漠の地へと向かう。

ミカル「あ〜〜疲れたぁ〜〜・・・」

やはりラルドの予想していた通り、ミカルはすぐ体力切れ。
ゼノはスタスタ歩いていくが、そのほかの2人は助けていくほかない。

ラルド「ミカル〜やっぱりキンセツに残ってたほうが良かったんじゃない?」

ラルドも流石に困り果てているようだ。
アリスもどうしようもなさそうな表情を見せている。

アリス「あなた旅って初めてなんでしょ?ムリにきまってるじゃない」

ミカル「う〜・・・だってぇ・・・」

随分先を歩いているゼノもイラだった様子・・・。
流石にこれが50回目だとムリもない。

ゼノ「自分で行きたいと言ったんだろう。ならばその言葉分の責任を果たすべきだ
な」

ラルド「でもミカルはボク達より年下なんだから仕方ないよ。ボクが背負ってく
よ」

ラルドもゼノの機嫌を悪くさせないように自ら対処した。
ゼノは無言で再び歩き出し、アリスも歩き出した。

ミカル「ありがと〜お兄ちゃん。やっぱりラルドは優しいね♪」

ラルド(都合いいなぁ・・・)

・・・ラルド達は歩き続け、砂漠地帯へとやって来た。
すごい砂嵐で、先へは進めないようだ。

ゼノ「・・・砂嵐か・・・。流石に進むのは容易ではないか」

アリス「どうするの?ここを進まないとハジツゲへはいけないわよ?」

そう、「炎の抜け道」の近くでは「えんとつ山」を支配しているマグマ団がいるた
め、なるべく通り抜けたくはないのだ。
以前、「石の洞窟」事件での出来事もありなおさらマグマ団には関わりたくない様
子だ。

ラルド「どうしよう・・・空からは・・・」

ゼノ「ムリだな。砂嵐は上空にいくほど酷くなる。と、すれば・・・地下しかない
な」

ラルド「地下・・・。そうだ!!」

ラルドはバッグの中から何かを取り出した。

ミカル「なにそれ?」

ラルド「『ゴーゴーゴーグル』。この前の『石の洞窟』事件の時にダイゴさんにも
らったんだ」

アリス「あ〜そういえば何かもらってたわね。こんなトコで役に立つとは思わなか
ったわ」

ゼノ「デボンの新商品か。丁度4人ようあるようだ。これを着用して先を進もう」

4人はゴーゴーゴーグルをつけ、先へ進みだした。
激しい砂嵐は行く手を阻む。

ラルド「クッ・・・!!み、みんな・・・大丈夫!?」

ゼノ「オレは大丈夫だが・・・あとの2人には厳しいようだな」

アリスとミカルは2人に遅れて先を目指す。
ラルドとゼノも少しkずつ安全を確認しながら先へ進む。
そして・・・なんとか砂漠を抜け出した。

ラルド「ふぅ・・・服が砂まみれ・・・」

ゼノ「・・・・・・・」

アリス「あ〜〜〜!!!!!これ、カイナで買ったばかりなのに〜〜〜!!!!」

ミカル「あははは!!!みんな砂まみれだ〜〜!!」

ラルド「ミカル・・・笑ってる場合じゃなでしょ・・・」

4人は服を奇麗にすると、先を目指す。
砂嵐から火山灰に変わり、回りは薄暗くなっていた。
火山灰を振り払いながらラルド達の旅は続く。

第6話 『砂嵐』を突き抜けて・・・  終り

第7話 流星の滝、『隕石奪還作戦』 

ラルド「ラージ、ラル、大丈夫?」

ラルド達は砂漠地帯をなんとか抜け出し、火山灰の降るハジツゲまでの道を進んで
いた。
先を行き、火山灰をラルド達が通りやすいように避けながらヌマクローとラクライ
は進む。
ラルドの呼びかけに、ポケモン達は軽くうなずいて見せた。

ゼノ「この道をあともう少し辿れば、『ハジツゲタウン』が見えてくるハズだ」

ラルドが母に旅立つ前に渡されていた『タウンマップ』を片手にゼノが言う。
流石にこれまでの『石の洞窟事件』や『カナズミ』での事件、ゼロとの2度の対決
などもあり、ラルドは精神的に強く成長していた。
一時も疲れを見せずに、ゼノと共に先頭を歩く。
一方、アリスとミカルは火山灰を相手に悪戦苦闘のようだ。

アリス「もぅ・・・なんなのよこれっ!!!」

ラルド「火山灰」

アリス「そうじゃなくてぇぇぇっ!!!」

砂漠地帯へ入る前と、これまでの道のりでアリスは一体何回服を着替えた事だろう
か。
ミカルも泣き目になりながらも必死にラルド達についてくる。

・・・それから数分程歩き続けるとある町へと出てきた。
どうやらここが、『ハジツゲタウン』らしい。
先ほどまで前が見えないほどに降り続いていた火山灰も、どうやらこの辺りまでは
降ってこないようだ。
砂嵐から火山灰、大変な道のりでアリスとミカルは普通の道がどれだけ有難いかが
よく身に染み付いた様子だ。

ラルド「ここがハジツゲタウンかぁ・・・。・・・でも、レッドはここにはいない
だろうな・・・」

ゼノ「何故だ?」

ラルド「レッドはこういう道には入りたがらないし、何よりボク以上の奇麗好きだ
から。丁度アリスみたいな」

ゼノもラルドの上手い例で、納得したようだ。
ホっとため息をつきかけたその時、向こうがわから女性が走ってきた。

女性「彼方達、トレーナーさんねっ!?」

息をきらせ、何やら重大な事が起きたらしい。
ラルド達も一瞬でそう判断できた。

ミカル「ど、どうしたの!?」

女性「主人が・・・『ソライシ博士』が、マグマ団に連れ去られたのよ!!」

どうやら、『えんとつ山』を支配していたマグマ団がこの町の科学者ソライシ博士
を連れ去っていったようだ。

ラルド「だ、誰か助けにいったんですか!?」

女性「この町は老人ばかりで、若くて強いトレーナーがいないのよ・・・

ゼノ「・・・状況の把握はできた・・・が、必ずしもヤツらから救出できるかは保
障しかねるな」

ゼノとアリスは元アクア団。
マグマ団の強さは身をもってしっているのだ。

・・・ポケモンセンターで、ゼノを中心に20分程作戦を練った末・・・。

ミカル「決定〜〜〜!!作戦名は・・・『隕石奪還作戦』!!!」

ラルド「えぇぇぇ!?ちょ、ちょっとゼノ!?」

ゼノ「・・・オレは作戦名など決めた覚えはない」

==========流星の滝===============
ラルド達はソライシ博士がつれていかれた場所である、『流星の滝』へとやって来
た。
同時に、ここが作戦開始場所となる。

ラルド「ミカル、頼むよ」

アリス「はい、これポケナビね。ゼノからコールがあると思うからその指示に従う
のよ♪じゃ、グッドラック」

ミカル「うん。アタシがマグマ団なんてみ〜〜んな倒してやるんだから」

そう言うと、ミカルは流星の滝の中へと入っていった。
ゼノは別の場所で行動をしているようだ。
==========流星の滝 内部=============
ミカル(ささささささ・・・・。チラ・・・)

ミカルは早くもマグマ団を発見したようだ。
気づかれないように静かに忍び寄る。
まだ幼いが、身体能力はかなり高く潜入任務にはうってつけだった。
その時、ゼノからのエントリーコールがかかる。

ミカル「何、ゼノ?」

ゼノ『そこから先は護衛の団員が3名いる。戦闘にならないように、身長に進め』

ミカル「わかってるって♪見つからないように進んで見せるから」

ゼノ『くれぐれもムリはするな。見つかったら元も子もない。気を抜くな』

そういい残すとエントリーコールは解除された。
ミカルはポケナビを腰に戻すと再びゆっくり進みだした。
・・・そして、ミカルは遂にソライシ博士がいる場所を発見した。

ミカル「やった♪よ〜〜しっ!!!」

すると、ミカルは立ち上がり大声を上げた。

ミカル「わぁ〜〜〜〜!!!!マグマ団だぁ〜〜!!ジュンサーさんに言いつけて
やるっ!!」

マグマ団員「何っ!?子供か!!護衛は何をしていたっ!!」

ホムラ「んなコトどうでもいいだろう!!それより、あの子供を始末するのが先決
ってヤツだ」

マグマ団員「ハッ!!行くぞ、編隊を組め。あの子供を逃してはならん!!」

ホムラという幹部を残して、他の団員はミカルを追い出した。
ミカルは自慢の足の速さで、逃げ出す。

ミカル(作戦大成功〜♪ミカルの足で引っ掻き回してやるんだから!!)

一見、作戦は順調に見えた。
果たしてラルド達は作戦を成功させ、ソライシ博士を救出できるのか!?

第7話 流星の滝、『隕石奪還作戦』  終り

第8話 ゼノの『ピンチ』? 

マグマ団員達は幹部のホムラを除いて、全員ミカルを追い出した。
そう・・・作戦の内容は、他の団員達を囮のミカルを追わせて移動させる事だった
のだ。
そして、ラルド、アリス、ゼノはすでにマグマ団に知られている為中々接近できな
い。
そこでミカルを囮にしたのである。

ゼノ(チッ・・・1番厄介なヤツが残ったな・・・。相手はホムラか・・・)

そう、団員達はいなくなったが幹部のホムラが残っているのである。
仕方なく、ホムラと戦う決意をゼノは固める。
一方、追われているミカルは・・・。

ミカル(もう少しで出口だ・・・!!よ〜〜しっ!!)

ミカルは最後の力を振り絞って全力疾走で出口へ走る。
ゼノのもう一つの作戦は、囮となったミカルを追うマグマ団が出口に出たところを
奇襲する内容だった。
そして、ミカルは出口の外へ飛び出した。
続いてマグマ団員達も出口を飛び出す。

ラルド「今だ、アリス!!同時に仕掛けるよ!!ラージ、水鉄砲っ!!」

アリス「了解!!ルリア、サイケ光線!!」

出口の外で待機していたラルドとアリスが同時に攻撃を仕掛ける。
団員達は行き成りのことであっという間に、全員KO。

ラルド「やった!!ミカル、よくがんばったね!!」

ミカル「うんっ!!ミカル強いんだから♪」

アリス「待って、ゼノからの通信がまだない・・・」

ラルド「え・・・!?」
==============================
ホムラ「さぁて・・・とっとと出てきたらどうだ?」

ゼノ(クッ・・・ばれていた・・・!?いや、そんなハズは・・・)

ゼノが考えていると、火炎放射が頭上を通り過ぎた。

ゼノ「クッ・・・」

ホムラ「元アクア団・ミッション・サブリーダー、ゼノ=マーキス。こんなトコへ
何の用だ?」

ゼノ「ソライシ博士を救出しにきた。おとなしく引き渡してもらおうか」

ゼノはホムラに淡々と用件を述べる。
ホムラは頭に手をやると後ろを向いた。
ホムラは他の団員に比べると、少し大柄で性格も戦い方も豪快そうな男だ。
かなりの身長差があるが、ゼノは全く動じていない。

ホムラ「そいつは聞けねぇお願いだなぁ。どうしてもソライシを助けたけれ
ば・・・」

その言葉を繋げるように、勢いよく火炎放射が発射された。
ゼノは素早い身のこなしで火炎放射を避ける。

ゼノ「フッ・・・不意打ちとは、なんとも情けないな」

ゼノはボールからキングドラを繰り出す。

ゼノ「ハイドロポンプ」

キングドラは勢いよくハイドロポンプを発射する。

ホムラ「へっ!!その程度かよ。マグカルゴ、オーバーヒートォォォォ!!!」

マグカルゴから、凄まじいまでの炎が発射された。
激しい水流が、あっという間に蒸発し煙が上がった。
この威力には、冷静なゼノも精彩を欠く。

ゼノ「クッ・・・やるな・・・」

ホムラ「オレのマグカルゴはエフェクトガードで能力はさがらない。さぁて、どうす
る?」

ゼノ(クッ・・・どうする・・・?このままでは・・・)

ホムラ「オーバーヒィィィィィトォォォォ!!!!!!!!」

もう一度マグカルゴからオーバーヒートが発射された。
キングドラは避ける事ができず、直撃を受けてしまう。

ゼノ「何っ・・・!?」

ホムラ「はぁーっはっは!!オレのマグカルゴのパワーをなめんなよ!!」

ゼノ(クッ・・・ここまでか・・・)

その時だった。ホムラのポケナビにエントリーコールがかかる。
ホムラは次第に険しい表情になり、ポケナビを乱暴に切った。

ゼノ(・・・?)

ホムラ「チッ、ここでお前を潰してやろうかと思ったが今日はここまでだ。じゃあ
な」

そういうと、マグカルゴから白い煙が吐かれる。
ゼノは目を瞑り、再び開けるとそこにはもうホムラの姿はなかった。
ゼノは腰のポケナビを取り出す。
==============================
アリス「あっ!!ゼノからのエントリーコール!!」

ゼノ『ゼノだ。ソライシ博士を救出した。これよりそっちと合流する』

ゼノの声を聞くと、3人は安心した表情を見せた。

ラルド「良かったぁ・・・。ホントに心配したよ」

ミカル「何してたの?」

ゼノ『いや・・・』
==============================
ソライシ「いやぁ〜本当に助かったよ。礼を言うよ」

ゼノと共に、白衣を装い眼鏡を掛けた男性が出てきた。
ゼノはホムラとの戦いのことをラルド達に話し、遅れた理由を説明した。

ソライシ「しかし・・・マグマ団は隕石をどうするつもりなんだろうか・・・。謎
だな」

ゼノ「・・・恐らく、えんとつ山繋がりだ。ヤツらはえんとつ山を占拠しているか
らな」

ソライシ「なるほど・・・。まぁ、キミ達も気をつけるんだよ」

ラルド「はい。それでは」

ラルド達はソライシ博士に別れを告げると、流星の滝の下にある『カナズミシテ
ィ』へ再び向かった。
ソライシ博士の宇宙へのロマンに憧れながら、ラルド達の旅はまだまだ続く。

第8話 ゼノの『ピンチ』  終り

第9話 謎の『少年』 

ラルド達は流星の滝を南へと進み、カナズミシティへ再びやって来た。
ここは、ゼノとアリスが仲間になった場所でもありラルドにとっても思い出深い街
である。
ラルドはタウンマップを見ながら、カナズミの街を歩いている。

ラルド「へぇ〜・・・ボク達、ミシロから出発して大分ホウエンを旅してきたんだ
なぁ・・・」

肩に乗っているヌマクローとラクライに話しかける。
ラルドのミズゴロウはカイナで進化してヌマクローになっていたようだ。

ラルド(こんなに旅してきたのに、レッドの情報は何一つ得られなかった・・・い
や、ハギ老人に少し情報を教えてもらっただけ)

ラルドは少し暗い表情になる。
一通り歩き回り、集合場所のカナズミポケモンセンターへとやって来た。

ゼノ「・・・もういいのか?」

最初から歩き回らずにいたゼノは、先にポケモンセンターに戻っていた。
アリスとミカルはまだ散歩中のようだ。

ラルド「うん」

ラルドはジョーイのところへボールを持っていき、預けるとこちらへ戻ってきた。
ゼノはすでにキングドラを預け、引き取ったようだ。

ゼノ「・・・暇だな。ラルド、少し付き合ってもらえないか?」

ラルド「え・・・?別にいいけど・・・」

2人はポケモンセンターを後にし、どこかへ向かった。
その時・・・。

???「・・・へへっ。さっさと用、済ませちゃいましょうかね」
==============================
ラルドとゼノはカナズミの町外れの広場・・・そう、『あの』出来事が起きた広場
へとやって来た。

ラルド「懐かしいなぁ。あれから1ヶ月ぐらいたったのかな?」

ゼノ「・・・・・・・」

・・・しばらく無言が続いた。
そして、ようやくゼノが口を開いた。

ゼノ「・・・お前の親友だという、『レッド=グレーデン』の事で話しがあったん
だ」

ゼノがそう言うと、ラルドの表情が変わった。

ラルド「レッドの!?」

ゼノ「ああ。今まで黙っていて申し訳ないと思っている。聞いてくれるか?」

ラルド「え・・・?う、うん・・・」

ラルドは少し心を落ち着かせた。
静かにゼノの話しに耳を傾ける。

ゼノ「レッドという男は、マグマとアクア、両団にとって最も恐れられていた存在
だった」

ラルド「レッドが・・・?」

ゼノ「ああ。確か、1年程前に我々もかなりダメージを受けた、リーダーのアオギ
リでも相手にならないほどの実力者だ」

その話しを聞いたラルドは、それがレッドだと確信した。

ゼノ「・・・オレが知っているのはこれだけだ。これ以上の事はオレもアリスもわ
からない」

ラルド「・・・有難う。今は・・・今は少しでも多くの情報を集めたいんだ。どん
なに・・・些細な事でも・・・」

ゼノ「・・・そうか。・・・よし、そろそろ戻るぞ。アリスとミカルが帰ってくる
頃だ」

ラルド「うん。そうだね」

2人は立ち上がると再びカナズミポケモンセンターへと戻っていった。
しかし・・・カナズミポケモンターでは・・・。
==============================
アリス「な、何!?これ・・・」

ジョーイ「お客様からお預かりしたポケモンはここに保管してあるんです。普通な
ら・・・いや、私以外は絶対入れないのに」

ミカル「ラルドのポケモンが盗られちゃってるよ!?」

ポケモンセンターのポケモン保管室が何者かによって荒らされ、ラルドのポケモン
が盗まれていたのだ。
保管室は沢山のセキリュティーで守られており、ジョーイ以外の人は誰も入れない
ようになっていたはずだった。

一体何者がラルドのポケモンを奪ったのか・・・。
ラルドはまだこの事を知る由もなかった。

第9話 謎の『少年』  終り
 
第10話 水没する『街』 

ラルド「えっ!?ボクのポケモンが盗まれた!?」

ジョーイの言葉に驚くのも無理はない。
ゼノも険しい表情を見せている。

ジョーイ「本当に申し訳ありません・・・。保管室には私以外の人はは入れないよ
うになっているはずだったんです」

ゼノ「いや、全国のP・Cの保管室は何重ものセキリュティーが掛けられている。
ジョーイの責任ではない」

アリス「私達が戻ってきた時にはもう荒らされていたの。もう少し早く戻ってきて
いれば・・・」

ゼノ「いや・・・オレがラルドを別の場所へ移動させたからだ。オレの責任だ」

ラルド「これは誰のせいでもないよ。それに、ゼノはボクに大切な話しをしてくれ
たんだから」

ミカル「大切な話し〜?」

ミカルの質問に、口を手でふさぐラルド。

ゼノ「とにかく、ラルドのポケモンを探し出さないと・・・といっても・・・手が
かりが無いな・・・」

ゼノの一言に沈黙が続く。
するとその時、ポケモンセンターの入り口から水が流れ込んできていた。

アリス「え・・・?水・・・!?」

ミカル「え〜〜!?なんでこんなトコに水がはいってくんの〜!?」

ゼノ(まさか・・・!?)

ゼノは走って入り口を飛び出す。
ラルド達もそれを追って入り口を飛び出す。
すると、『キンセツシティ水没』の時と同じような光景が広がっていた。
元々これはアクア団の『海拡大計画、シー・ラージ・プラン(C・R・P)』の一
つでここカナズミもその対象になっていたのだ。

ゼノ「クッ・・・やはり・・・!!」

アリス「うそ・・・これって・・・」

ラルド「まさか・・・ゼロの・・・!?」

ゼノ「いや、これはC・R・Pだ。ゼロだったら真っ先にオレ達を監視しているは
ずだ。それにまずはここを襲うだろう」

アリス「C・R・P・・・そ、それじゃあ・・・イズミ?それともウシオ?」

ゼノ「わからない。とにかく、ポケモンセンター内の人達の避難が先決だ」

・・・その数分後、『ポケモン教会』よりカナズミシティ全土に避難勧告が出され
た。
カナズミジムリーダーのツツジも、全力で人々の避難指示に精を出している。
ラルド達もポケモンセンター内の人達の避難を手伝い、保管室のポケモン達の安全
を確保しつつ避難した。
ゼノはキングドラに乗って、水没したカナズミシティを進み偵察に出た。
ラルドも、自分のポケモンへの心配を抑えながら避難を手伝っている。
そして、アクア団は遂にデボン・コーポレーションを占拠した事をポケモン教会が
発表した。
避難勧告は解除されないままだ。
==============================
???「チッ・・・しくじったぜ。ま〜さか、ここ襲ってくんのがヤツらなんて
よ」

そこはデボン・コーポレーション内部。
近くには気絶した団員達の姿が伺える。

???「ヤツらがここを占拠したってコトはアイツの情報も得られるかもしれね
ぇ。それに強いポケモンも盗めそうだしな」

そう言い残すと、封鎖されたエレベーターのロックを簡単に解除し最上階へ向かっ
た。
==============================
一方、偵察に出ていたゼノは・・・。

ゼノ「アクア団はデボンを占拠したのか・・・ドラル、あそこへ向かってくれ」

ゼノはキングドラに、デボン・コーポレーションへ向かうよう指示する。

ゼノ(やはり、『特別起動部品』の奪取が目的か・・・。アクアもマグマも本格的
に行動を開始したようだな)

ゼノはデボン・コーポレーションの裏側へ回ると、非常階段を上りだした。

アクア団員「侵入者か!?やれ、キバニア!!」

ゼノ「ドラル、冷凍ビーム」

冷凍ビームでキバニアを軽く倒す。

アクア団員「クッ・・・お、応援を呼ばなければ!!」

団員はそういい残すと撤退していった。
ゼノは再び階段を上り始める。
2回の入り口のドアを蹴り飛ばし、中へ潜入する。
すると・・・

???「チッ!?見つかったか!?」

ゼノ「伏兵か・・・!?・・・いや、一般人のようだな・・・」

???「な・・・んだとぉぉ!?オレは一般人じゃねぇよ!!天下無敵のポケモン
ハンターさ!!」

ゼノ「・・・ポケモンハンター?・・・盗賊のつもりか?」

ゼノは全くその話しを信用していない様子だ。

ガロード「あ、信用してねぇな!?・・・まぁいいぜ。オレはガロード=ディス。
ガロードでいい」

ゼノ「・・・オレはゼノ=マーキスだ」

ガロード「ゼノか。お前もここへ潜入してきたってトコだろ?どうだ?オレと手を
くまねぇか?」

ガロードの言葉に少し疑う表情を見せていたが、すぐに元の表情に戻った。
どうやら、ここは単独で行動するよりは仲間と行動した方が無難だと判断したよう
だ。

事実上、2つの街を水没させた『アクア団』。
ラルド達はアクア団の侵略を食い止めることが出来るのか・・・?
そして・・・ゼロを打ち破ったあの『赤き勇者』は再びラルド達の前に姿を現すの
か・・・?

これから、想像もつかない壮絶な戦いが始まることを・・・この時は誰も知る由も
なかった・・・。

ポケットモンスター★エメラルドアドベンチャー〜赤き勇者〜  終り
 


あとがき
 
いろいろありましたが、なんとか第2章完結しました。
この第2章「〜赤き勇者〜」は、第1章に比べると大分小説らしい仕上がりにする
ことが出来たと思います。
私が受験生の身なので、これからの執筆は少々遅れるかもしれませんが最終章まで
頑張りたいと思います。
沢山の読者様がこの作品を読んで、「おもしろかった」といってもらえるようがん
ばります。
皆さん、これからも応援よろしくおねがいします^^

〜次回予告〜
遂にマグマ団とアクア団が本格始動!!
ゼノとガロードはアクア団の海拡大計画「シー・ラージ・プラン(C・R・P)」
を食い止める事が出来るのか!?
ゼッペルやまだ出逢っていない仲間達と共にラルドは『2つの巨悪』と戦う事を決
意する。
運命の第3ラウンドのゴングが、今鳴り響く・・・。

ポケットモンスター★エメラルドアドベンチャー
作者 天河 明人
 

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